エントランスへはここをクリック     ミャンマー全体メニュー


   東南アジア最後の秘境 ミャンマー

幻の臨海線トラム
(2)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2016年8月4日
独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁
(19) 幻の臨海線トラム@  (20) 幻の臨海線トラムA  (21) パズンダンの地域パゴダ
(22) ボータタング・パゴダ  (23) ヤンゴン川河口


 私達はチーミインダイ駅からA地点のパンライン、ヤンゴン中央駅などを経由し、時刻表にある最初の駅すなわちB地点のパズンダウン駅まで、ヤンゴン循環電車線を使って移動することとしました。


出典:地球の歩き方 ミャンマー編

 下は車内です。このヤンゴン循環鉄道は、ミャンマーの人々の生活がよくわかり本当に興味深いものがあります。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 途中からお坊さんの一行が乗ってきました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 そして私たちの近く下の写真にある小さなこどものお防さんが座りました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 池田がこの小さなお坊さんに年齢を聞くと、幼く見えましたが12歳とのことでした。

 この少年僧もしっかりスマホを持っていました。ミャンマーでは、老若男女それでもだれでもがスマホをもっていますが、日本の電車内のように、じっとスマホを見ているだけでなく、車内では周りの人と会話していました。

 今の日本では、JR山手線に乗ると、一列10人が座っていると、多い時はそのうちの7−8人がスマホをいじっていますが、ミャンマーではスマホは持っているものの、上のいくつかの写真のように車窓を見ながら話し合ったり、隣の人と話し合っているのが印象的でした。

 またすでに述べたように、電車の沿線のバラックに住む人たちも、直径2-3メートルもある大きなパラボラアンテナで世界各国の衛星放送を受信しているようです。その意味からすると、軍事情政権からスーチー女史率いる民主政権が今年誕生しましたが、東南アジアの一国と言うだけでなく、今後、ミャンマーの人々は、スマホや衛星テレビで通じて得た情報をもとに、日本のように内向きではなく、隣国や世界に向けて、ミャンマーという国のそのプレゼンスを示すことになるだろうと思いました。

 そうこうしている間に、目的地のパズンダウン駅に電車が到着しました。なんと、お坊さん一行もパズンダン駅で下車しました。下は少年層に手を振って別れを告げている池田です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 下は電車が言った後のパズンダウン駅です。写真からわかるように、この駅には二つのホームがあります。私たちが下りたのは写真の左側にあるホームなので、ひょっとすると、右側の誰もいないホームが臨海線トラムの駅かなと思いました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 しかし、パズンダウンの駅員に聞けば、現在、パズンダウン駅には臨海線トラム線はつながっていないとのことです。ガーン!です。

 ひょっとしたら臨海線トラムは、「地球の歩き方 ミャンマー編」に掲載されていた臨海線トラムの時刻表にあるパズンダウン駅の次の駅、イューチョー駅から川に向かい走っているのではないかと言われました。またか、です。


出典:地球の歩き方 ミャンマー編

 下の写真はパズンダウン駅からまちに降りるところで撮影したものです。例によって循環電車の沿線は、本当に貧しい人々のスラムとなっていました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 そこで私達は仕方なく、下の地図の右にあるB地点(パズンダン駅)からC地点(イューチョー駅)まで歩くことにしました。この日も、晴天で気温はおそらく35℃はあるはずです。


出典:地球の歩き方 ミャンマー編

 パズウンダン駅からイューチョー駅までは、下の写真にあるように大都会で高層マンションや商業ビルとおぼきビルが林立していました。しかも、中古、新品を問わず膨大な量のトヨタ車が走っています。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 そうこうしているうちに、イューチョー駅近くと思われる場所に着きました。

 臨海線トラムは、いわば路面電車なので路面も通ります。

 下の写真はイューチョーの街です。確かに線路はあるのですが、およそ現在使われていないようです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon
 
 そこで、毎度のことですが、線路のそばにいた男性に「イューチョー駅はどこですか?」と英語で聞くと、流ちょうな英語で、現在、イューチョーには臨海線トラムは来ておらず、川沿いのボータタウンまでとなっているとのことです。確かにヤンゴン川の川岸のボータタウンという街には駅があります。
 
 「地球の歩き方 ミャンマー編」の臨海線トラムの時刻表にも、ボータタウン駅があります。

 これにはびっくりしました。なんと時刻表にあるバズンダウン駅、イューチョー駅はいずれもすでになくなり、ヤンゴン川沿いのボータタウン駅まで臨海線トラムは後退したというのです。「地球の歩き方 ミャンマー編」の改定発行日は、2015年9月25日ですから、それから半年ちょっとで、バズンダウン駅、イューチョー駅がなくなったとは思えません。

 すなわち、以下の 「地球の歩き方 ミャンマー編」の臨海線トラムの時刻表は、相当前のものであり、改定発行日は、2015年9月25日には改定されていなかったのです。もっぱら、こんなところを徒歩で半日かけてあるく日本人はいないと思いますが、 「地球の歩き方 ミャンマー編」に掲載されていれば、それを頼りに移動するのは当然であり、がっかりしました。


出典:地球の歩き方 ミャンマー編

 しかし、ここまで来たからには、なんとしてもボータタウン駅まで行かなくては気が済まなくなりました。そこで線路に沿って、トボトボと歩き始めたのです。下の写真はイューチョー駅近くの光景です。確かに地元で聞いても現在、トラムは走っていないとのことです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 かくして、私たちは、ヤンゴン川の川岸にあるボータタウン駅まで再度、行軍を開始したのです!


つづく