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   東マレーシア・サバ州第二次予備調査

北ボルネオ鉄道の旅
Trip of North Borneo Railway

池田こみち Komichi Ikeda  山形美智子 Michiko Yamagata

掲載月日:2015年4月28日
独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁

オランウータン ボルネオ鉄道  ホテル前の海 モスクに入る ビレッジ訪問
州立モスク  山火事に遭遇


 2015年4月22日、午前10時、あらかじめ予約しておきました北ボルネオ鉄道に乗りました。

 前回の視察でボルネオ鉄道の歴史などについては、既に説明していますので以下のブログをご覧下さい。

 ◆東マレーシア・サバ州現地第二次予備調査 コタキナバル市内現地視察 4
  http://eritokyo.jp/independent/aoyama-kota0007d..html

 ◆第一予備調査全報告(38本)
  http://eritokyo.jp/independent/today-column-malaysia.htm

 前回の視察の時には、既に予約が満席で乗れなかったので、今回は到着した翌日にさっそく予約を入れました。週に二日(水曜日と土曜日)しか北ボルネオ鉄道のツアーはありません。トリップアドバイザーでも第一位の人気ツアーです。コタキナバルの歴史を学ぶことも出来ます。

 週二回のツアーでの運行以外には列車は走らせません。道路も整備され、今では鉄道より自動車が主流となっているからです。このスチームトレインはまさにボルネオの歴史を今に伝える遺産となっているのです。

 参加料金は大人1人459リンギット(約15000円)と高めです。料金には、乗車券はもちろんですが、朝食とランチ代それから、ホテルと駅の往復送迎代が含まれています。

 午前9時30分頃までに出発駅であるコタ・キナバル空港近くのタンジュンアル駅に到着しました。駅では予約を確認し、チケットとパスポートを渡されます。


写真1 パスポート、下車駅案内、チケット(大人二枚)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 さっそく指定された席につくと、木造のかわいらしい客車の中はまるでタイムスリップしたような向かい合わせの席で、天井には扇風機がまわり、テーブルには黄色いガーベラが生けられ、朝食のためのランチョンマットとコーヒーカップなどが並べられていました。


写真2 座席の様子
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 席が狭いのでちょっと体格のある方だと並んで座るのは窮屈ですから、すべての席が向かい合わせで二人ずつの席となっていました。私たちの隣の席は、お隣フィリピンのマニラから遊びに来ていたカップルで、1時間半のフライトでコタキナバルに着くそうです。その他は、イギリスからのシルバーの団体客等で満席でした。


写真3 客車の外
撮影山形美智子 Nikon Coolpix S6400


写真4 客車内の様子
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 機関車は既に白い煙を出していました。ホームの先頭まで歩き、機関車を撮影しました。


写真4−1 列車の前に行ってみる
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真4−2 機関車の前で
撮影山形美智子 Nikon Coolpix S6400

 イギリス製の“Vulucan”蒸気機関車です。燃料は石炭ではなく、薪。木材は現地調達のマングローブです。そのため、日本の機関車のように黒い煙はほとんど有りません。客車はイギリス製と日本製が使われています。

 途中駅は、PUTANTAN、KINARUT、KAWANG そして PAPARの4駅ですが、下車するのは古い商店街と中国寺のあるKINARUT(キナルート)と終点のPAPAR(パパール)だけです。それぞれの駅を通過する度に、車掌さんが回ってきてパスポートにスタンプを押してくれます。全行程片道38.5km、往復80km弱を約4時間かけて走ります。


写真5 スタンプを押したパスポート
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 10時定刻に、汽笛を鳴らして出発します。すると、すぐに朝食が配られました。


写真6 朝食セット
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 トーストのジャムサンド、柚餅子のような蘭の葉で包んだ蒸した餅菓子、 カレーの入ったピロシキ風の揚げもの、甘くてふわふわした蒸し菓子がザルに 盛り合わせてあります。それとレモネード。冷たくて美味しいです。

 食べ終わるとすぐに最初の駅を通過。ゆっくりと Lok Kawi湾の景色をみながら列車は次第に市街地から郊外へと移動していきます。


写真7 PUTANTAN付近(海沿い)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 Putantan地名は、もともとイギリス統治時代北ボルネオ会社の敷地の境に造られた木製のゲートがPutatという木で造られたことに由来しているようです。

 次の駅は、中国寺と駅前の古い木造の商店街が名所となっているKINARUTです。乗客は下車して、20分ほど駅周辺を散策できます。この辺りまで来ると周辺はかなり田舎の様相となります。


写真8 駅前商店街
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真9 中国寺
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 乗客たちは慌ただしくまた列車に乗り込み、出発します。次の駅はKAWANGですが、止まりません。車窓からは水牛が水田を耕す姿や川沿いの集落木材の製材所などが見られます。かなり自然が豊かな風景へと移り変わります。


写真10 水辺の集落や農村の風景
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 そして、出発して約2時間経過したお昼に終点PAPARに到着しました。


写真11  PAPAR駅に到着
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真12 駅の様子
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 ここでは、30分ほど停車するので、高齢者を除いてみんな下車し、市場などを見学します。私たちも暑い中、PAPARの町をちょっと歩いて市場を見学しました。


写真14 日よけ付きの歩道
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真15 市場の様子
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 再び駅に戻ると、先頭の機関車を後ろに付け替える作業が行われます。そのときに、特別に機関車に乗り込んで付け替え作業を見せてくれるというので追加料金20リンギットを支払って参加してみました。マングローブを焚いている釜の前は暑いこと暑いこと、でもひもを引っ張って汽笛を鳴らしてみたりしてよい経験ができました。


写真16 取り外された機関車
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真 17 釜の前
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真 18  薪
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真19 釜の前の池田
撮影山形美智子 Nikon Coolpix S6400

 かくして、PAPAR駅を出発した列車は、一路、出発したタンジュンアル駅に戻ります。出発するとすぐさまランチが配られます。


写真20  ランチの様子 山形
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真21  開いた様子 山形
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 4段のお弁当は、下からフルーツ盛り合わせ、お魚のカレー、野菜と小エビの炒め物、鶏肉の入った雑穀米ライスとなっていて、なかなか充実していました。コーヒーはフリーですが、アルコール類やソフトドリンクは有料となります。私たちは駅の売店で、ペットボトルの水を買いました。冷えた水は、500cc入りで、1リンギット(32円ほど)でした。

 ゆっくり景色を眺めながらお昼を食べ、14:00過ぎにタンジュンアル駅に戻りました。イギリスから来られたシルバー世代の団体客のみなさんもとても満足げでした。帰りには車掌さんたちスタッフが全員そろってお見送りしてくださいます。みんなとてもかわいらしく親切で気持ちの良いサービスでした。


写真22 ゆっくり景色を眺めながらお昼を食べ
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真23 お見送りの様子
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


写真24 エンド・フラワー
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400