日本の焼却・溶融炉等、 官民一体の海外売り込み実態 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2018年1月10日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
|
関連スレッド<国|首都圏|東南ア|日中韓朝|国際|ロシア|EU|地域|地球|自然|ゴミ|有害|外郭団体 |経済> 売り込み実態 個別企業1 個別企業2 個別企業3 個別企業4 原発や道路、空港開発に加え、近年では途上国の廃棄物処理事業に国内大手のプラントメーカーが群がっている。 先に、アフリカ諸国や中東諸国などへの総理外遊に随行する経済団体・企業のリストを掲載したが、ここでは、東京二十三区清掃一部事務組合などごみの中間処理(焼却処理)を行う地方公共団体が区役所や市役所などとともに、廃棄物焼却炉の売り込みに余念がないことについても触れておきたい。 日本国内での焼却炉の受注は今後数年で一巡することから海外に活路を求めようとするメーカー各社の動きも活発となっているのだ。以下の日本環境衛生施設工業会のリストを見ると、東南アジア各国ばかりでなく、英国、フィンランド、アイルランド、イタリアなどの先進国でも受注していることがわかる。
★プラント各社、海外でゴミ焼却発電の受注競争激しく 日刊工業新聞 2016年4月12日 https://newswitch.jp/p/4290 プラントメーカーが独自に営業活動を展開するのはまだしも、実態は、日本政府、一部事務組合などの公共団体、地方自治体、プラントメーカー等がADB(アジア開発銀行)、国際協力事業団(JICA)ルートを含め、大型焼却炉の東南アジア諸国への地ならしをしてきたことま間違いないところであり、課題が多い。 東京23区では、区民まで駆り出されているのが実態であり、住民すべてが焼却炉を是として受け入れているわけではなく、コスト面はもとより、水銀を始めとする有害金属類や未規制有害汚染物質についての規制が甘いことなどについても課題が多いことが無視されているのは由々しき問題である。 実際、東京二十三区清掃一部事務組合が国際協力事業団(JICA)の委託事業として焼却炉の普及に取り組んでいるのはマレーシア、インドネシア、タイ、ミャンマー、ロシア、トルコなどの国々である。 ★国際協力事業の取組について 東京二十三区清掃一部事務組合 http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/kokusai/main.html しかし、途上国側では、地域住民は必ずしも高額でメンテナンスも難しい高度な焼却炉導入に賛成な訳ではなく、マレーシアにおいては住民側の激しい反対で荏原製作所の焼却施設建設が途中で中止にまで追い込まれ、最終的にマレーシア政府が、数10億円の賠償金を荏原に支払うことになったことなどもあり混乱を来している。 この分野の受注状況について、リストを作成して近日中に公表したい。 関連コラム・論考は以下の通り。 ◆池田こみち:海外に活路求める日本のごみ処理プラント http://eritokyo.jp/independent/ikeda-col1499...html ◆青山・池田・鷹取:日本の「政官業」による焼却炉マレーシア売り込み問題 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col5599..html ◆池田こみち:東京23区清掃一部事務組合による海外技術協力の実態 http://eritokyo.jp/independent/ikeda-col12393...html ◆青山貞一:日本から東南アジアへの大型焼却炉の輸出に関わる環境影響問題 〜マレーシアの場合〜 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col4483.htm つづく |