日本語翻訳版 【中国を読み解】 J・people.cn マーティン・ジャック・張維為対談 中国共産党は人民の 「全方位的利益党」である 人民網 2021年6月30日 動画からのトランススクリプト及び翻訳: 池田こみち (環境総合研究所顧問) 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年7月4日 |
第一部 中国を抑え込むのが不可能な理由 |
Part1 Through the Lens of 'Mutually Assured Prosperity' |
第二部 中国共産党は、なぜ唯一無二なのか |
Part2 Why is the socialist system so successful? |
第三部 中国共産党は人民の「全方位的利益党」である |
Part3 The CPC is the ‘holistic interest party’of the people |
以下の写真をクリックすると動画になります マーティン・ジャック 張維為 中国を読み解く-3: UNDERSTAND CHINA: The CPC is the ‘holistic interest party’ of the people 張維為(復旦大学中国研究院院長) 欧米のイデオロギー・バイアス、文化的バイアスは根深いものがあると思います。だからこそ、私は何十年も前から言っているのですが、あなた方の予測、中国に関する予測は惨めなほど酷く間違っていることがわかります。非常にお粗末な記録です。私はBBCの記者に向かって、もし私があなたの雑誌を評価するとしたら、中国に関するあなたの政治的判断を評価するとしたら、中国問題に関するあなたの政治的コメントを評価するとしたら、私はCマイナスの評価を与えるだろうと言ったのです。 マーティン・ジャック(ケンブリッジ大学上級研究員、英国の学者、政治評論家) 好奇心がなかったり、判断力がなかったりすると、中国を理解するのは難しいですね。そして、すべてではありませんが、欧米人は批判的で判断を急ぐ傾向があり、中国のことを何も知りません。だから、誰かが政策を始めれば、政治家の読者が中国の悪口や中国批判などを始める。そうすると、それが影響して、マイナスになる。人々は何も知らないから騙されやすいのです。 ナレーション このエピソードでは、上海の復旦大学中国研究所所長のチャン・ウェイウェイ(張維為)氏と、英国の学者で政治評論家のマーティン・ジャック氏が、中国と西欧諸国に関する政治的・文化的な問題について個人的な見解を述べ、文化的・歴史的な違いから生じる誤解を解消するための架け橋となることを目指します。 張維為 中国共産党と、イギリスの労働党や保守党のような典型的な西洋の政党との決定的な違いは、私が部分的利益政党と呼んでいるもので、つまりこの特定の政党がその社会の一部を代表しているということです。そして、互いに競い合って選挙を行い、51%を得れば当選するのです。中国の伝統は非常に異なっています。中国共産党の伝統は、私が全体的利益政党と呼んでいる伝統です。アメリカの大統領、エイブラハム・リンカーンが作った言葉を使ってみましょう。「人民の、人民による、人民のための政府」という言葉です。「人民のため」についてみれば、中国ははるかに優れています。今回のパンデミック対策がその良い例です。中国では安全です。しかし、ほとんどの西洋諸国、特に米国や英国の場合はそうではありません。彼らはうまくいっていません。 マーティン・ジャック 典型的な例は、パンデミックのときです。中国の対応は、国家と社会の密接な関係にありました。一緒に行動することが社会的な利益になるのです。これをしなければならない、あれをしなければならない、これをしなければならない、と。党は非常に大きく、9千万人が所属しています。そして、明らかに国のバックボーンとなっています。党は本質的に国民のリーダーであり、指導者のようなものです。 張維為 中国は、公務員試験制度を発明した国です。それは1000年以上前の隋の時代のことです。私たちはさまざまな形でこれを実践してきましたが、基本的には、国のために有能なリーダーを選抜する必要があります。そこで、中国では「選抜+選挙」と呼んでいます。選抜プラス選挙は、選挙だけよりも優れています。私は彼ら(西洋諸国)のことを哲学の中で「怠け者」と呼んでいます。彼らは何か権威主義的なものや民主主義的なものにレッテルを貼るだけで、他のモデルを否定してしまいます。非常に愚かで、極論すればバカだと思います。中国のアプローチは、さまざまなモデルを非常に注意深く、徹底的に研究して、それが良いか悪いか、たとえ悪いモデルであっても、中国にとってプラスになる要素があるかどうかを見極めるというものです。 マーティン・ジャック 中国を説明するのに「権威主義」という言葉を使うのは、ある意味、欧米で起きている状況から目をそらすためでもあります。なぜなら、もはや確信が持てないからです。西洋は、自分たちのタイプの民主主義の将来を確信することができません。一方、「権威主義」という言葉は、中国を実際には表現していません。なぜなら、中国はある種の横暴で専制的な権威主義ではなくなってきているからです。そして実際には、その理由は中国が変革され、すべての世論調査などを見ても、国民の満足度は欧米の政府に対する満足度よりもはるかに高く、国民が非常に満足している理由は、中国共産党が中国の変革戦略に成功したからなのです。中国共産党は、1949年以来、中国の変革の立役者であり、1978年以来、非常に成功しています。 張維為 私は10年前に『歴史の終わり』の著者である福山教授と議論したことがあります。彼は当時、中国が「アラブの春」を経験するかもしれないと言いました。私は、「それはない。中国は「アラブの春」を経験しないでしょう。そして私は、「アラブの春」は「アラブの冬」になると予測しました。結果的には「アラブの冬」となりました。そして、彼は、中国には政治改革、複数政党制、一人一票制が必要だと言いました。私は、中国もアメリカも政治改革が必要だと言いましたが、アメリカの政治システムは工業化以前の時代の産物なので、中国よりもアメリカのほうが緊急の政治改革が必要かもしれません。 マーティン・ジャック 彼らは、本質的に中国は合意形成のシステムではないという考えを主張しています。私はそれはナンセンスだと思います。中国は国民の支持を得ています。民衆を代表するために西洋の民主主義システムを採用する必要はありませんし、民衆の利益を代表するという意味での民主主義である必要もありません。民主的なシステムを持っていても、それは本当の意味で人々を代表しているわけではありません。国民の利益を増進しないのです。これは、ラテンアメリカの民主主義国家に行けば、あちこちで非常によく見られる現象です。選挙で選ばれたものの、実際には機能していないのです。欧米でも同じような問題が増えています。彼らが機能していた時期もありました。しかし、1945年から1980年まで、あるいはそれよりもうちょっと後まではうまくいっていました。人々が満足していたという意味ではうまくいっていましたし、経済成長も好調でした。その間、欧米が世界のリーダーだったのは明らかに事実ですが、今はそうではありません。 張維為 確かに、社会主義は長い間、特に欧米の主流メディア、あるいは教科書では、貧困と結びつけられてきましたね。"平等だが貧しい "ということです。だから、鄧小平が権力を握ったとき、彼の一番最初の、そして最も重要な発言は、「社会主義は貧困ではない。社会主義は繁栄でなければならない」だから、私たちは繁栄を伴う社会主義を生み出すことに成功したのです。私が言ったように、中国は世界最大の中産階級を生み出しました。私たちは昨年、中国の極度の貧困を根絶しました。完全に終わりました。これは驚くべきことです。私はいつも、西洋の友人たちに、中国の成功から得られる重要なメッセージを助言しています。一つは、心の解放です。言い換えれば、異なるモデル、異なる経験、異なるアイデアを受け入れる勇気を持ち、それらが自分のためになるかどうかを見極めるべきだということです。例えば、中国がパンデミックとの戦いで非常にうまくいっているのに、中国人がパンデミックとの戦いについてどう感じているかを正直に報道する勇気のある欧米のメディアはほとんどありません。 マーティン・ジャック 基本的に、中国人は自慢しない人たちです。自分たちの功績を自慢することはありません。謙虚なのです。アメリカ人に対する彼らの反応は、学者よりも彼らのほうが詳しいかもしれませんが、困惑しています。なぜこんなことをしなければならないのか?アメリカ人の(中国に対する)反応とはまったく逆ですね。 張維為 『エコノミスト』の記者と冗談を言いました。あなたの政治的な発言を逆に読むことができるようになった、と。中国人はこうしてはいけない、ああしてはいけないと言っても、それはつまり、こうするといい、ああするといいという(逆を意味しているという)ことなのです。だから、それは西洋の問題なんですよ、と。同じ問題です。私が覚えているのは、2012年、第18回中国共産党大会の直前のことです。私はBBCのインタビューを受けました。司会者は私に、「中共は第19回党大会を開催すると思いますか?」と尋ねました。つまり、彼らは5年後には中共は終わっているだろうと推測していたのです。そこで私は、「あなたはもっと中国を理解しなければならない」と言いました。過去20年、30年の間にあなたが行った中国に関する政治的予測は、ほとんどすべてが間違っていたのです、と。 マーティン・ジャック そして、社会の主要なセクションすべてとの膨大な協議した結果として、国全体の巨大なプロセスでなければ(その政治システムは)正しいものとならないのです。どこにいようと、誰であろうと、そのような知性を持った人はいないのだから、そうでなければ、間違ったものになってしまいます。しかし、5ヵ年計画は非常に重要なものでした。しかし、中国社会では常に国家が重要な役割を果たしてきました。それは1949年以降のことではありません。つまり、中国と中国の数千年にわたる存在の重要な特徴の1つは、中央集権的な政府の重要性であり、これはおそらく世界のどの国とも違っています。 張維為 西洋は中国を理解する方法を改めなければなりません。客観的になり、公平になり、イデオロギー的なものを排除しなければならないのです。貴方方の民主主義は素晴らしいシステムだが、中国のシステムは悪いシステム、ひどいシステムだ。それは違います。貴方方のシステムは今、深刻な問題に直面しているのです。 |