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メアリー・ステュアートの足跡を追って
スコットランド
2200km走破


グラスゴー美術学校2
Glasgow School of Art 1

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
2018年12月10日公開
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チャールズマッキントッシュ


◆グラスゴー美術学校

 1845年にグラスゴー官立デザイン学校(Glasgow Government School of Design)として創立され、1853年に現在のグラスゴー美術学校(The Glasgow School of Art)へと改名しました。

 創立時は12イングラム通りにありましたが、1869年にマクレラン・ギャラリーに移転しました。1897年、レンフルー通りに校舎移転するための工事が着工されました。新しい校舎はチャールズ・レニー・マッキントッシュがデザインしました。

 校長のフランシス・ニューベリーが選定したもので、学校に対する世間からの評価がますます高まり、今後拡大していくだろうことを見越しての判断です。1899年に校舎は全体の半分まで出来上がり、残りの部分が1909年に完成しました。

 それ以来GSAは拡大しつづけ、2009年には国際的な設計コンペを開き、キャンパスのマスタープランと第1フェーズの建物のデザインを担当する建築家デザインチームを募りました。結果、選ばれたのはニューヨークを拠点に活動するスティーヴン・ホール建築事務所であり、地元グラスゴーのJM建築事務所と協力して設計することになりました。

 2014年にリード棟が完成しました。所在地は、マッキントッシュ棟の向かいで、もともとフォウリス・タワー、アセンブリー・タワー、ニューベリー・タワーがあった場所です。

 GSAはスコットランドを代表する現代アーティストのほとんどを輩出しており、2005年以降のターナー賞候補者の30%、また最近のターナー賞受賞者の4人はGSA出身者です。その4人とは、2005年のサイモン・スターリング、2009年のリチャード・ライト、2011年のマーティン・ボイス、2014年のダンカン・キャンベルです。建築学部はプロの建築家から高い評価を得ており、デザイン学部は『デザイン・ウィーク』誌から「デザイン教育のリーダー」と評価されています。

 GSAには3つの学部があります。すなわち、マッキントッシュ建築学部(Mackintosh School of Architecture、偉大な卒業生であるチャールズ・レニー・マッキントシュにちなんで名付けられました)、デザイン学部(School of Design)、そしてファインアート学部(School of Fine Art)です。

 それぞれの学部は独自の教育プログラムと研究センターを抱えています。3学部に加えて、デジタル・デザイン・スタジオ(立体表現・インタラクションに特化したスタジオ)、フォーラム・フォー・クリティカル・インクワイアリ(スタジオ外での幅広い学習、教育、研究の場)、そして大学院もあります。GSAはまた、学位取得を目的としない人のために、一般向けの公開講座などを長く提供してきました。

 GSAには次の専攻があります。ファインアート・写真(トーマス・ジョシュア・クーパーが1982年に創設)、絵画・版画、彫刻・環境アート、プロダクトデザイン、プロダクトデザイン・エンジニアリング、テキスタイル、銀細工・ジュエリー、インテリアデザイン、コミュニケーションデザイン、デジタルカルチャー・建築です。

 以下はグラスゴー美術学校(GSA)学部学科の案内です。


出典:グラスゴー美術学校(GSA)


2014年の火事について


2014年の火災後のマッキントッシュの建物のファサード
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 3.0, Link


 マッキントッシュ棟は2014年5月23日に起きた火災によりひどく損傷してしまいました。損傷の範囲と建物を今後どうするかについてはまだ報告されていません。消防署の当初の予測では、校舎の90%とその内容物の70%は無事であるといいます。

 火災は地下で起きたものであり、急速に上階まで火が上りました。速やかに鎮火作業がなされたものの、歴史的なスタジオと階段には重大な損傷が与えられました。有名なマッキントッシュ図書館は破壊され、アーカイブは水によって濡れてしまいました。ただし、乾燥させて修復することは可能です。被害者は報告されていません。

 火事が起きたのは、学生が卒業制作展に向けて作業している最中でした。目撃者によると、火が起きたのはチャールズ・レニー・マッキントッシュ棟の地下でプロジェクタが爆発したことが原因であり、昼の12:30前くらいの出来事だといいます。

 後の調査により、事故の原因はプロジェクターが故障していたからではなく、「スプレー缶」が高温のプロジェクターのすぐ近くで使用されたため、引火性ガスに火がついてしまったからだと判明しました。『スコッツマン』新聞によると、エアロゾル缶の使用は大学の規則に抵触するといいます。

 しかし、スコットランド消防署の報告では、校舎のデザインのおかげで火が拡大するのが大部分が防がれたといいます。「木材が並んだ壁とボイド、そして建物全体を垂直方向と水平方向に走る換気ダクト」、そして「建物全体に施された垂直のサービスボイド」のおかげで、「熱気と煙がうまく外に排出された」。また、設置が予定されていた「火災防止システム」が火災当時はまだ完成していなかったようです。火が出た当初、職員が1名勤務中でしたが、急速に広がる火を目前にして為す術を持たなかったとのことです。

キャンパス


GSAのマッキントッシュ棟の西側。
Source:Wikimedia Commons
パブリック・ドメイン, リンクによる


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