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スイス山歩き - ツェルマット(2)

鷹取敦

執筆日:2019年8月20日
 独立系メディア E-wave
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内容目次
8/11-13 ツェルマット 1 ツェルマット(1) | 2 ツェルマット(2)
8/13-16 グリンデルヴァルト 3 グリンデルヴァルト(1) | 4 グリンデルヴァルト(2) | 5 グリンデルヴァルト(3)

マッターホルン博物館とネズミ返しの小屋

 ツェルマット2日の8月12日(月)は朝から雨が降っていました。朝食を取って9時頃に外に出てみたころには止んでいたので、ダメ元でマッターホルンを見に行くためのロープウェイの駅に向かってみました。
 ただし下の写真のとおり 、マッターホルンは雲の中です。おそらく上に登っても何も見えないでしょう。


ツェルマットから見るマッターホルン 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下の写真は前日とこの次の日に載った登山鉄道(ゴルナグラート鉄道)のツェルマット駅です。ホテルから駅に出る近道としては、この写真の位置から向こう側(写真の左奥側)に線路を渡ります。歩行者の通り道はありますが、警報器はついていないので自分で安全確認をして渡ります。


登山鉄道のツェルマット駅 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 前日に乗った登山鉄道は町の北の方にありますが、ロープウェイ乗り場は街中を通り抜けた南の外れにあります。ツェルマットの町中の道は細く入り組んでいるところが多いのです。

 下の写真のあたりがメインストリートであるバーンホーフ通りの中でも一番賑わっているところだと思います。「バーンホーフ」は「駅」のドイツ語なので「駅前通」といったところでしょうか。この写真の時は時間が早かったので人通りが少ないのですが、お昼頃には大勢の観光客、登山客で賑わいます。


ツェルマットの街中を走る小型の電気自動車 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下の写真のようにメインストリートでもかなり道が細いところがあります。上の写真をもう少し南に行ったところで、ここも賑わっている一部です。環境保全のためもあって一般の自動車は乗り入れが規制されており、下の写真のように業務用も乗用も小型の電気自動車が走り回っています。


ツェルマットの街中を走る小型の電気自動車 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


ツェルマットの街中を走る小型の電気自動車 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


ツェルマットの街中を走る小型の電気自動車(警察車両) 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 写真のカトリック教会の横の広場あたりが一番開けた感じでしょうか。マッターホルン博物館は教会の横(写真の手前側)の広場の一角の地下にあります。ここを左折して川の方にいくと川沿いに墓地があります。


カトリック教会と横の広場 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 町の中心部を出て山並みが見えるところに出ました。町は谷間にあり川が中心を南北に流れています。川の水は石灰石の多いアルプスの山から流れてきているために乳白色で、前日(到着日)とこの日は下の写真のように驚くほど水量が多く波の荒い様子でした。


ツェルマットの街中を走る小型御の電気自動車 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下はGooleマップで3次元表示したツェルマットの町です。上が北、下が南となっています(マッターホルンは手前側になります)。谷間にある町であることが分かります。

 黒い線は筆者が加筆したもので川の位置を示しています。「駅」と書いてあるところにVipsからツェルマット入りした時に利用した列車の駅と、ゴルナグラートに登る登山鉄道(ゴルナグラート鉄道)の駅が並んでいます。


ツェルマットの町 Googleマップより作成

 川の高さから一段高い所(2つ上の写真では左手側、上の3次元図では手前右手)にロープウェイ乗り場(下の写真)があります。大勢の登山者が集まってきていました。ちなみにこの写真の左側に写っているのはレンタル自転車です。ここで自転車を借りて街中の移動に使ったり山裾を走って楽しんだりすることができます。


ロープウェイ乗り場 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ここでマッターホルンを一望できる一番上の駅までの切符を購入しようと窓口に行ったのですが、販売されていませんでした。どうやら上は悪天候のため止めているようです。

 あきらめて外に出たところ、ふたたび雨が降り始めだんだんと強くなっていきました。山用(トレラン用)のレインジャケットを持ってきているので、傘は差さずに上下レインジャケットを着込みます。

 雨を想定して当初予定していたマッターホルン博物館に行くことにしました。下の写真はまだ雨が降る前に撮ったものです。博物館まで戻ったところ、雨で山に行くのを諦めた人が多かったためか長い列が出来ていました。


マッターホルン博物館 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 博物館には19世紀の頃のツェルマットの家が再現されて当時の生活の様子を伝えるもの、マッターホルン登頂の初期の苦難の歴史などが展示されていました。


マッターホルン博物館 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 博物館から出て昼食を取ったころには町はふたたび晴れていましたが、山を見上げるとまだ雲の中でした。一旦休憩して町中を散策することにしました。

 町の一角に古い建物が十数軒並んでいるおもむきのある通りがありました。16世紀、17世紀など古い高床式の穀物やソーセージ等食糧用倉庫で石によるネズミ返しがついています。ヴァリス地方独特の作りのようで建物の説明がついているものもありましたが、傾きかけているようなものもみられ不安に感じました。

 現在でも使用されている建物があるようでした。


ネズミ返しの小屋の通り 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


ネズミ返しの小屋の1つ 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

マッターホルン再挑戦

 翌日、ツェルマット3日目はグリンデルヴァルトへの移動日ですが、天気予報は晴れでした。そこでグリンデルヴァルトに向かう前にマッターホルン一望に再挑戦することにしました。

 前日はロープウェイでより高い所に登ることを考えていたのですが、雲が切れるのタイミングを出来るだけ長い時間粘って待てるよう、最短時間で上り下りできるゴルナグラート鉄道を再度利用することにしました。

 ちなみにスイスの鉄道はヨーロッパの他の国と同様改札はありませんが、ゴルナグラート鉄道は下の写真のような改札機がありました。チケットを左側の板にかざすと腰の高さにある回転バーが回って入ったり出たりできます。博物館などにある入場システムと同じようなものです。


ゴルナグラート駅の改札 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ゴルナグラート駅に到着した時には山々には雲がかかっていて、どこにマッターホルンがあるかすら分かりません。現地には下のように快晴時の写真の案内板があります。これを手掛かりにマッターホルンが見えるはずの方向を探しました。


マッターホルンの案内板 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 駅について坂道を走って登ってみました。歩いている時は私はなんともありませんでしたが(空気が薄いので人によっては息苦しく感じるようです)ちょっと坂道を走って登っただけで激しく息が切れました。高地トレーニングをこういう酸素が少ないところで行う意義を実感しましたがこの日はそれが目的ではありません。

 駅に到着したのが9:55分。ここから11時31分頃までずっと屋外でマッターホルンが見える方向を注視しながら粘りました。到着したばかりは下の写真のように雲ばかりです。


ゴルナグラートからの光景 撮影:鷹取敦 DJI OSMO ACTION

 そのうち左手の方の雲が晴れてきて、モンテ・ローザの山々が見えてきました。モンテ・ローザは雲に隠れたり現れたり何度も見え、その都度写真を撮りましたが、マッターホルンは一向に見えません。


モンテ・ローザの山々と氷河 撮影:鷹取敦 DJI OSMO ACTION

 下を見下ろすと見事な氷河です。下の写真では見えませんが氷河の横の道を歩いている人達が見えました。


氷河 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 カメラでズーム撮影すると下のように歩いている人達が見えます。上の写真の下の縁近くの位置です。ここからみると氷河はさらに雄大に見えることと思います。


氷河の近くを歩く人々 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 グリンデルヴァルトに向かう予定の列車の時刻が近づいたので、11時30分頃に諦めてゴルナグラート鉄道に乗ってツェルマット駅(乗り換えてさらに移動)に向かうことにしました。

 車窓からマッターホルンの方向を眺めていると、なんと雲が切れてマッターホルンの頂上が見えました。車内から歓声があがりました。乗客は窓からの撮影の場所を譲り合いながら、順番に待望のマッターホルンを撮影します。

 下の2枚の写真のようにマッターホルンの頂上が見えます。間が雲に隠れており全体が見えたとは言いがたいのですが、3枚下に再掲した前々日のマッターホルンと合わせれば全体をみた、と言えるかもしれません。


車窓から見えるマッターホルン 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


車窓から見えるマッターホルン 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


前々日に見たツェルマットの町から見たマッターホルン(再掲) 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ゴルナグラートからツェルマットの途中では羊や牛を沢山みかけます。前々日のハイキングの時にも沿道で沢山の羊などに出会いました。山の斜面で飼育されている家畜のようです。


車窓から見える羊 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


車窓から見える牛 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 なんとか目的のマッターホルンを見られたことで満足し、ゴルナグラート駅からグリンデルヴァルトに向かいました。

ツェルマットからグリンデルヴァルトへ移動

 ツェルマット駅に着いて電光掲示板をみたところ、予定の列車の表示に何か書いてあります。グーグル翻訳で英語に訳したところどうやら不通のようです。駅員に尋ねたところ、プラットホームにいる列車に乗るようにということでした。

 その列車の終着駅(ツェルマットの次のテッシュ駅)まで行くと、そこからバスで振り替え輸送になっていました。後で分かったのですがそこから先の区間が落石のため不通になっていたようです。下の写真がその場所かどうかは分かりませんが鉄道に平行した道路を走る窓の車窓からみた光景です。山から鉄道の方に向かって石が流れているように見えます。


バスの車窓からみた落石 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 不通区間をバスで通過してSt.Niklaus駅から列車に乗り、さらにSpiez駅、Interlaken Ost駅で乗り換えて、グリンデルヴァルト駅に到着しました。

 グリンデルヴァルト駅は小さな駅でプラットホームには屋根の壁もありません。隣接する道路と地続きで繋がっています。どこからが駅なのかよくわからないくらいオープンな駅でした。

 下の写真の中央にある大きな看板の写真の場所はフィルストにある湖です。ここには後日訪れました。


グリンデルヴァルト駅 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 グリンデルヴァルトはツェルマットよりさらにこぢんまりとした町で、背後にアイガーが壁のように迫っている迫力のある景観の町です。次のページで紹介します。

つづく