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資本主義を痛烈批判
新作「キャピタリズム」

マイケル・ムーア監督初来日!

青山貞一
4 Dec. 2009
独立系メディア「今日のコラム」


 「独立系メディア・今日のコラム」では、米国のマイケル・ムーア監督に着目し、その映画作品を紹介してきた(以下参照、スレッドは「ひと」)。

マイケル・ムーア:ウォール街の危機を救う方法  
池田こみち:マイケル・ムーア最新作、「SiCKO」鑑賞記 
・マイケル・ムーア監督の「華氏911」カンヌ映画祭で最高賞受賞
・ブッシュ陣営「華氏911」大反撃開始か? 
・「華氏911」のムーア監督、ブッシュを追い出す(東京新聞)
・池田こみち:華氏911が暴くアメリカの恥部
・青山貞一:マイケル・ムーアの世界

 そのマイケル・ムーア監督が新作紹介を兼ねて初来日した。

 日本での全面公開を前に初来日し、東京都中央区にある東京証券取引所ホールで2009年11月30日記者会見に及んだ。
今回の作品名は、そのものずばり「キャピタリズム」(=資本主義)である。

 昨年のリーマン・ショック、今年のドバイショックと世界中は、まさにグローバル化された金融資本主義によって国家経済が破滅に追い込まれるような状態が続いている。ムーア監督は、米国の金融資本主義、すなわちマネー至上主義経済の弊害を追及、ドキュメンタリー「キャピタリズム マネーは踊る」を制作し世に問うた。


出典:http://capitalism.jp/

 ムーア監督は、新作で世界的不況の引き金となった米ウォールストリートを痛烈批判で、すでに「ニューヨークの証券取引所は立ち入り禁止となっている。

 日本の東証では会見が開けて驚いている。光栄だ」と会見で述べている。

 ムーア監督は、かつて米国の銃社会の恐怖を描いた映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」(以下に説明)でカンヌ国際映画祭55周年特別賞や2003年度アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。アカデミー賞を受賞した。

 アカデミー賞の授賞式ではブッシュを「架空の選挙で選ばれた架空の大統領」、ブッシュ政権の起こしたイラク戦争を「架空の理由で戦っている戦争」と断じた。

 さらに「ブッシュよ恥を知れ! お前は(開戦に反対した)ローマ教皇と(「大統領が自分たちと同じテキサス州出身であることが恥ずかしい」と述べている。

 ムーア監督は「お前の持ち時間は終わりだ」と批判する演説を打って賞賛とブーイングで会場を沸かせたが、終了を促す音楽で強引に打ち切られた。ちなみにムーアによれば、会場では賞賛が圧倒的であったのに、報道ではブーイングが強調されていたとのことである。

 昨日、NHKのクローズアップ現代に出演したマイケルムーア監督は、アカデミー賞の受賞式典でイラク戦争に踏み出したブッシュ大統領を痛烈に批判したあと、会場に集まった俳優の一部からブーイングを受けただけでなく、以降激しいバッシング、攻撃を受けていることを暴露した。


NHKのクローズアップ現代に出演したマイケルムーア監督


NHKのクローズアップ現代に出演したマイケルムーア監督

 国谷氏に今の世界で何が問題かと聞かれたムーア監督は、すかさず「資本主義」と答えた。資本主義は強者、金持ちにとっては良いだろうが、圧倒的多くの貧しい人々にとっては「悪」であるとキッパリ。クローズアップ現代では、権力に対し闘わなければならないことを力説した。


出典:キャピタリズム予告編

 「キャピタリズム」は12月に東京と大阪の映画館で先行上映され、来年1月から全国で公開される。

 動画による予告編 → 
http://capitalism.jp/

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マイケル・ムーア、波乱の初来日 「昔の日本に戻って」と熱弁

2009年11月30日17時4分配信 出典: eiga.com

 [eiga.com 映画ニュース] 「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアカデミー賞、「華氏911」でカンヌ映画祭パルムドールを受賞した米ドキュメンタリー作家のマイケル・ムーア監督が11月30日、最新作「キャピタリズム/マネーは踊る」(12月5日公開)の会見を東京・中央区の東京証券取引所で行った。

「キャピタリズム/マネーは踊る」フォトギャラリー

 同作は、「ボウリング・フォー・コロンバイン」で銃制度、「華氏911」で9・11テロ以降のブッシュ政権、「シッコ」で医療制度のあり方を糾弾し、アメリカが抱える問題を浮き彫りにしてきたムーア監督が、ウォール街にアポなし突撃取材を敢行し、現在の世界恐慌を引き起こした米国の「資本主義」の裏側を告発するドキュメンタリー。東証で映画の会見が開かれるのは史上初で、ムーア監督は「ニューヨークの取引所には立ち入り禁止。今日はここで会見だと聞いて冗談かと思ったけれど、すんなり入れたことに驚いている」と挨拶した。

 今回が初来日のムーア監督は、「バゲッジロストにあって、機内でパジャマにしていたシャツしかなかった」とラフな格好で登場。「僕はこういう体型だから、お相撲さんが行くお店で服を買った。変な服装だけど……いつもと変わらないかな(笑)」とおどけてみせた。

 利用した航空会社については、「Jで始まってLで終わる会社。ANAじゃないほうの」とチクリ。さらに税関で指紋を取られたことに触れ、「理由もなく指紋は押せないと行ったら別室に連れていかれた。拒めば強制退去になって、どちらにしろ取られるというから仕方なく押してきた。アメリカに外国人が入国する時はそうするかららしいけど、それは正しくないと思う」と、波乱万丈の来日体験を語った。

 「日本にはずっと尊敬の念を抱いている」というムーア監督は、米国同様に経済不況に陥っている日本へのメッセージを求められると、「日本でも犯罪率や失業率が上がってきたのは、これまで築き上げてきた社会的なセーフティネットを、過去数十年続いた保守的な政府が切り崩してきているから。僕はアメリカを愛しているけれど、アメリカを真似る必要はない。

 日本は日本のままでいてほしい」と熱弁。「ジョージ・W・ブッシュの政策を、アメリカでエルビス(・プレスリー)の真似をしていた日本の首相や、イギリスのトニー・ブレア、イタリア、スペイン、デンマークといった国々がサポートしたことで、ブッシュの戦争が正当化されてしまった。ある意味、こうした国々の首相たちも責任を問われるべきだと思う」と話は止まらず、「日本を非難しているわけじゃない。謙虚なお願いとして、新しい首相の下で道を踏み外さず、昔の日本に戻ってもらいたいと思っているんだ」と訴えた。

 また、会見の最後には自身も株取引をしているという小倉優子が花束贈呈ゲストとして来場。ムーア監督は「株は儲かっている?」「新しい首相は好き?」「お母さんから10億円もらったことある?」など、鳩山由紀夫首相の献金問題をもジョークにした質問を連発し、ゆうこりんにも“アポなし突撃取材”を敢行していた。