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国会 東電福島原発
事故調査委員会
ヒヤリングに出席してB
青山貞一
東京都市大学大学院
掲載月日:2012年1月25日、27日拡充
version 1.3
 独立系メディア E−wave
無断転載禁


 これは最後に話しましたあらゆる汚染物質は最終的に海にゆき生物濃縮により数100万倍(オンタリオ湖のPCB濃縮では最大2500万倍)となることから、安易に燃やして埋めることがいかに間違った政策であるかについて具体的に説明しました。


出典:青山貞一 

参考
◆青山貞一:福島原発事故で本当に怖いのは魚介汚染

 国の広域処理では、災害廃棄物の焼却が最優先され、そのなかにアスベストはじめ他の有害汚染物質が含まれていないのかなども問題視しました。

 確かに国の広域処理政策で安易に全国各地で災害瓦礫が焼却されると放射性物質だけでなく、ダイオキシンなどの有機塩素系化合物さらにアスベストが飛散する可能性は否定できません。


原発事故時 放射線物質拡散予測情報提供システムの提案

 私たち(青山、鷹取、池田ら)環境総合研究所が過去、東京都の区は千葉県の市からの依頼で研究開発し、現地に設置している大気汚染リアルタイム・モニター(Super Monitor)と、それを原発放射線汚染リアルタイムモニターに応用する提案をしました。

 以下がその開発イメージです。たとえば10分毎に福島原発事故時に拡散する放射性物質の拡散シミュレーション図をパソコン、スマートフォン、iPADなどに提供するシステムです。

 すなわち、このシステムは原発事故時に発生源データ、モニタリングポイントデータ、地形データ、気象データなどをもとにして、10分単位で原発直近の市町村から福島全域さらに首都圏までの放射線量を高精度で推定し、パソコン、スマートフォン、iPAD、携帯電話などで市民、県民、国民にリアルタイムで汚染分布図を情報提供するものです。


出典:青山貞一 


出典:青山貞一 


出典:青山貞一 

 原因、理由は公開されていませんが、巨額の費用を投入しながら、いざというときにまったく機能しなかった政府関連組織のSPEEDIに対し、私が提案したシステムはスパコンは一切使わず、高速の市販CPU(中央演算装置)を複数使用することで、SPEEDに投入された費用の1/500以下で可能となるものです。

 私は、以前からこれを全国各地の原発立地地域を対象に分権ネットワーク的に稼働させることで、事故初期段階での被曝を相当程度回避できると考えています。

 話題となったSPEEDIはあまりにもシステムが巨大となりすぎています。また気象データが関係省庁とその外郭団体に独占され、第三者が自由に使えない「気象村」的な状況が大きな問題であると思います。

 昨年春、朝日新聞がスクープで報じた気象学会会長が会員に個人であれ原発関連シミュレーションはしてはいけないと述べたことは論外です。

 私は自分が所属する学会の理事会で会長らにこれを例に、絶対、学会がこのようなことをしてはいけないと伝え、当然のこととして了承されました。上述の3次元流体シミュレーション論にあるように、汚染予測において気象はきわめて重要な要素です。こともあろうか気象学会の会長がそのようなことを会員に伝えていたとしたら、それは学会の自殺行為です。

 原発事故で放出された放射性物資の70−80%が海洋に落ちると推定されることから、今後、魚介類への汚染物質の生物濃縮は一段と進むことをふまえ、過去における私たちのダイオキシン類、PCBなど有機塩素系化合物による魚介汚染の実態とその経路、欧米における規制の実情などを国際学会動向をふまえお話ししました。

参考
◆青山貞一:福島原発事故で本当に怖いのは魚介汚染
◆青山貞一:どうなる? 下水汚泥の焼却灰 テレビ神奈川インタビュー
◆青山貞一:「除染」は「移染」そして「利権」
◆青山貞一:がれきに含まれる放射性物質量と放射線量の関係について


 私の話と同時に、質問を受け付けながら進めました。

 このWGにおける専門家ヒヤリングは原則非公開とのことですが、専門家の希望で配付資料の公開、報告内容の公開は可能とのことですので、そのうち独立系メデイアに青山ヒヤリングの重要部分を自分で公開したいと考えております。

 とりいそぎ報告まで


On Tue, 24 Jan 2012 15:28:53 +0900
Teiichi AOYAMA <aoyama@eritokyo.jp> wrote:

>
> みなさま
>
> 青山貞一です。
>
>  先に連絡いたしましたが、本日午後5時30分より国会が昨年末> に設置しました東京電力福島第一原子力発電所事故調査委員会の> 第二WGにて、放射性物質汚染の構造解明、放射線到達などについ> て約2時間話し質疑に応じることになりました。
>
>  すでに6種類の学会論文、調査研究報告などを配付資料で送りま> した。今日は東京もひさびさの雪積ですが、滑らないようにでかけ> てきます。一昨年11月、自宅で階段で滑って首の骨(第二頸椎)> を骨折し、すんでのところであの世に行くところでしたので気をつ> けます。

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Teiichi Aoyama (青山貞一)
Tokyo City University(東京都市大学)