夕張市は他人事ではない 自治体財政ワースト・ランキング B起債制限比率(2年間分比較) 青山貞一 武蔵工業大学環境情報学部 掲載日:2007年1月3日 転載禁 |
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@ A B C D E ここでは、2005年度の起債制限比率と最新の2006年度の起債制限比率の比較を行う。都道府県平均は12.1%で変わらず、政令指定都市、市町村はいずれもわずかに改善している。 しかし、一般単独事業・厚生福祉施設整備事業の制限がかかる20%超数で見ると、政令指定都市は5団体と変わらず、市町村では05年度の10団体が06年度に18団体と大幅に増加していることが分かった。 また都道府県では要注意団体が05年度の4団体から06年度の7団体と大幅に増加していることが分かった。 ※本論は筆者が大学の学部で行っている講義「公共政策論」 の自治体財政問題の一部をなすものである。 ■起債制限比率で見た自治体財政 起債制限比率という財政指標は、地方自治体の地方債の許可制限に係る指標として地方債許可方針に規定されたものである。 起債制限比率は、実質公債費比率が財政指標として設定される以前にあっては自治体の財政健全度(不健全度)をはかる重要な目安であり、以下の式で示される。
起債制限比率で見た自治体財政の健全度を以下に示す。15%から20%未満が要注意。20%〜30%未満となると一般単独事業・厚生福祉施設整備事業の制限がかかり、30%以上となると一般事業債の制限がかかり、実質的に財政面での自治機能がなくなるとされている。
■「起債制限比率」で見た都道府県、財政ワーストランキング 都道府県平均では、05年度、06年度ともに12.1%であり変わっていない。しかし、要注意の15%を平均で超えている団体数では、05年度4団体だったが、06年度は7団体と大幅に増えている。 個別では、長野県は05年度で16.9%だったが06年度では、15.6%と1.3%下がっている。一方、06年度には東京都が15.1%と要注意自治体に加わっている。 表8 起債制限比率で見た財政ワースト・ランキング (都道府県:指数が平均より悪い都道府県を表示)
出典:国の平成18年度データ、平成18年度 地方公共団体の主要財政指標一覧より筆者が作成 ■「起債制限比率」で見た政令指定都市、財政ワーストランキング 次に、人口規模で100万人以上の政令指定都市はどうか? 政令市全体では、05年度15.2%であり要注意の15%を平均で超えていた。06年度は14.4%と0.6%改善している。しかし、一般単独事業・厚生福祉施設整備事業の制限数では、05年度、06年度ともに数値は改善しているものの5団体と変わっていないことが分かった。 表9 起債制限比率で見た財政ワースト・ランキング (政令指定都市:全数)
出典:国の平成17年度データ、平成17年度 地方公共団体の主要財政指標一覧より筆者が作成 ■「起債制限比率」で見た全国市町村、財政ワースト・ランキング 表10,表11は、全国市町村の起債制限比率である。 市町村では、05年度14.4%が06年度に11.3%と3.1%改善している。しかし、しかし、一般単独事業・厚生福祉施設整備事業の制限がかかる20%超の数では、05年度10団体から06年度には18団体と大幅に増加していることが分かった。 表10 起債制限比率で見た2005年度財政ワースト・ランキング (全市町村:平均値より悪い市町村を表示)
2 特別区の財政力指数については、特別区財政調整交付金の算定に要した基準財政需要額と基準財政収入額によって算出したものである。 3 特別区の経常収支比率については、「普通交付税」を「特別区財政調整交付金」に読み替えたうえ、算出したものである。 出典:国の平成17年度データ、平成17年度 地方公共団体の主要財政指標一覧より筆者が作成 表11 起債制限比率で見た2005年度財政ワースト・ランキング (全市町村:平均値より悪い市町村を表示)
2 特別区の財政力指数については、特別区財政調整交付金の算定に要した基準財政需要額と基準財政収入額によって算出したものである。 3 特別区の経常収支比率については、「普通交付税」を「特別区財政調整交付金」に読み替えたうえ、算出したものである。 出典:国の平成18年度データ、平成18年度 地方公共団体の主要財政指標一覧より筆者が作成 つづく |