増上寺の宝物 阿弥陀如来立像 黒本尊祈願会 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda September 18 2015 Alternative Media E-wave Tokyo 無断転載禁
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2015年9月15日、ひさびさ増上寺にでかけました。久々とは言え、この一年、5〜6回も増上寺に出かけています。 この日は、増上寺の安国殿で黒本尊祈願会があり、さらに経蔵で三大蔵経の展示があります。 本当は、大殿の地下で行われています徳川秀忠の台徳院の霊廟模型が大英博物館から昨年、増上寺に里帰りしており、それら三つを同時に拝観したかったのですが、残念ながら火曜日は台徳院の霊廟模型がある地下の宝物展示室が休館日となっていたので、安国殿で黒本尊祈願会と経蔵での三大蔵経の展示を拝観してきました。 ところで、この日は増上寺で黒本尊祈願会があり、今年で没後400年となる徳川家康の念持仏であった「黒本尊阿弥陀如来」が開帳になります。普段は見れませんが、毎年、1月、5月、9月の15日の正五九御祈願会の時だけご開帳になり、祈願の法要が行われています。 この黒本尊は江戸時代より400年にわたり「勝運、商売繁盛、厄除け」などのご利益がある本尊として、江戸の庶民に親しまれてきたましたが、その黒本尊は増上寺の正面に鎮座する大殿のすぐ右となりにあります安国殿の祭壇の御厨子の中に安置されています。 さて、増上寺の安国殿に安置されています黒本尊は、徳川家康の戒名、すなわち「東照大権現安国院殿徳蓮社崇譽道和大居士」から名づけられた仏像となっています。黒本尊の身の丈は二尺六寸(約78センチ)です。 衣を1枚だけ着ており、装身具は一切身に付けていません。髪は螺髪での形は九品来迎印(くぼんらいごういん)の特有の印す。右手は上を向き親指と人差し指で輪を作っており、左手は下げて親指と人差し指で輪を作り、共に掌を正面に向けています。光背はハスの花をかたどった金色に輝く蓮弁光背です。 安国殿 黒本尊祈願会にて 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-9-15 安国殿 黒本尊祈願会 開始前 (僧侶等が準備中) 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-9-15 ◆阿弥陀如来立像(黒本尊) 斎國輝作「芝増上寺黒本尊開帳之図」 出典:増上寺 ◆黒本尊 増上寺安国殿に安置される黒本尊阿弥陀如来は、恵心僧都の作と伝えられる霊験あらたかな仏さまです。御丈二尺六寸の立像は、その昔、金箔燦然と輝く金色の御躰でしたが、長年の香煙によって黒ずんだことから黒本尊と申し上げるようになりました。 御躰の黒ずみは人生の悪事災難を我が身が一身に受けとどめ、人々の諸々の厄難を救い、明るい幸福な人生の請来を願う一大誓願の現れにほかなりません。 *秘仏の為掲載の写真は「御前立」です。実際の「黒本尊像」は後方厨子の中に安置されています。 下は「御前立」です。 安国殿の秘仏黒本尊(阿弥陀如来)「御前立」 恵心僧都源信の作とも伝えられるこの阿弥陀如来像は、その音、金箔燦然と輝く金色の尊黙でありましたが永年にわたって香煙に薫じられ、また人々の悪事災難を我が一身に受け止めてきたことからその尊然が徐々に黒ずみ、「黒本尊」と名付けられました。 家康公が深く崇拝し、そのご加護により度重なる災難を除け、戦の勝利を得たという霊験あらたかな御像で、「勝運」「厄除け」「諸願成就」の仏様として江戸時代以来、広く人々の信仰を集めています。 普段は秘仏として厨子に安置されていますが、年に三回(一月・五月。九月の十五日)御開帳され、併せて正五九祈願会が盛大に厳修されています。 以下は当日の申し込み案内です。
以下は黒本尊祈願会が安置されている増上寺の安国殿の概要です。 ◆安国殿 戦災で焼失した大殿の代わりに仮本堂としていた建物を、昭和四十九年2 九七四)新大殿完成の折りに境内北側に移転し、徳川家康公ゆかりの「黒本尊」をお祀する御堂「安国殿」としました。 この旧建物の老朽化に伴い、平成二十三年(2011)、法然上人人百年御忌を記念し、念仏信仰の拠点として徳川家康公が成し遂げた天下泰平の世(安らかな国づくり)を願い、新しい安国殿が建立遷れました。 本堂中央に本尊である秘仏「黒本尊」と御前立の阿弥陀如来立像、脇陣には家康公肖像画、徳川家御歴代並びに御一門の尊霊の御位牌、皇女和宮さまの等身大の御像等が祀られており、庶民の信仰の中心として、また、当山の祈願所として親しまれています。 下の写真は昨年(2014年)に撮影した安国殿の正面ものです。 安国殿 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-11-12 つづく |