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●はじめに 2011年9月17日(土)〜19日(月)にかけ、宮城県沿岸部のほぼ全域と福島県北部沿岸域の被災地現地調査と空間放射線量の測定調査を行った。 ここでは、空間放射線量の測定結果を速報する。 ●現地調査メンバー 調査は、青山貞一(東京都市大、環境総合研究所)、池田こみち(環境総合研究所)、鷹取敦(環境総合研究所)の3名である。560kmに及んだ車(ヴィッツ)の運転と被災者インタビューは、いつものように池田こみち氏が担当、放射線測定、デジカメ撮影は鷹取敦氏が担当、青山は主にデジタルハイビジョン映像撮影を担当した。 ●現地調査で訪問した自治体 以下が調査で訪問した基礎自治体名であり、()は通過自治体である。 ●が調査した基礎自治体、○が通過した基礎自治体名である。
●宮城県及び福島県北部における放射線量計測 今回の調査では、鷹取敦調査部長が開発した放射線線量計をGPSに連動させたシステムによって、任意の場所での空間放射線量の測定が可能となった。このシステムをもちいて滞在中、継続的に放射線量の測定を行った。 線量計で空間線量率をGPSで測定位置を同時に計測 ●自動車走行中の放射線量の継続的自動測定地点 環境総合研究所(鷹取敦調査部長)が開発したGPSと放射線量計測計の連動システムの研究開発により、自動車で移動中の移動地点毎の放射線量を自動計測し、その結果を地点別に示すことが可能となった。 以下は1日目、2日目、3日目の現地視察のルートをGPSデータをもとにグーグルアースにプロットしたものであるが、各地点に対応し、放射線量を計測している。 1日目の走行ルート 出典:環境総合研究所(東京都目黒区) 2日目の走行ルート 出典:環境総合研究所(東京都目黒区) 3日目の走行ルート 出典:環境総合研究所(東京都目黒区) ●市町村別の平均放射線量測定値 <測定地点数> 今回の測定地点数は、以下の通りである。 9月17日 62地点 9月18日 47地点 9月19日 156地点(ほぼ1km毎に測定) 合計 265地点 |
図 宮城県・福島県北部 市町村別放射線測定平均値 2011年9月17日〜19日
出典:環境総合研究所(東京都目黒区)
東京都新宿区の東京都健康安全研究センター(百人町)で計測される放射線量は地上高18mであるが、ほぼ0.06μSv/h、同地点の地上1mでは0.07μSv/hである。図1の測定結果を見ると、石巻市から仙台市南端の放射線量の測定値が0.06μSv/hであった。 一方、宮城県南部の名取市、岩沼市、亘理町、山元町だが、福島県に近づくにつれて放射線量が高くなっていることが分かる。また福島県に近い蔵王町、村田町、大河原町、柴田町など宮城県南西部の市町村も平均で0.11μSv/hと東京都や仙台市の約2倍高くなっていることが分かった。 さらに、福島県北部の新地町、相馬町、南相馬市鹿島地区、南相馬市原町地区の順で放射線量が高くなっていることが分かる。これは福島第一原発に近づくほど放射線量が高くなっていることを意味している。 南相馬市の原町以南は20kmの警戒区域となるため入れず、測定できなかった。 以下のグラフは、2011年6月に私たちが行った放射線測定の結果である。南相馬市沿岸部(東部)は平均値が 0.57μSv/h となっており、今回の測定値である 0.33μSv/h と比べると、3ヶ月で 0.57μSv/h → 0.33μSv/h と低くなっていることが分かる。ただし、6月の調査では、南相馬東部の最南端まで測定しているのに対して、今回は原町地区までの測定である。 なお、女川原発がある女川町の原発直近の放射線量は、東松島市の2倍高いことが分かった。原因が女川原発にあるのかどうかは不明である。 |
図 6月時点での福島放射線現地調査結果(移動測定結果の主要市町村別平均値)
出典:環境総合研究所(東京都目黒区)