民放5社、そろって減収=
時事通信 2009.11.6
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出典:民放キー局は全5社減収 フジサンケイ ビジネスアイ
大手民放キーテレビ局、すなわち日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の5社の2009年9月の中間決算は、コマーシャル収入の大幅な落ち込みにより、キー局5社全部が減収となった。
具体的には昨秋のリーマンブラザース倒産に端を発したトヨタ、ホンダ、パナソニック、ソニーなど大手、輸出企業の経営悪化、収益性の極度な悪化により、結果的に大手各社の広告費が大幅に削減したことによる。
中間決算によれば、コマーシャル収入の減収は、5社で661億円に達している。
各社毎に見ると、日本テレビとテレビ東京の2社は、番組制作費、下請けへの支払い、代理店手数料、その他の諸経費の削減などで何とか赤字を免れたものの、TBS系(正式にはTBSホールディングス)は2000年に連結中間決算を公開して以来最初の赤字となった。
フジテレビ系(正式にはフジ・メディアホールディングス)はコマーシャル広告費が前年比で22%以上減るだけでなく、通販などの関連事業の不振により大幅の減益となった。
さらにテレビ朝日系も、自壊の道をひた走る大メディアのBで詳述したように、テレビ放送事業そのものが振るわなかった。
日本テレビ、テレビ東京が何とか黒字になったとは言え、本業のテレビの制作費を大幅に切りつめ、下請け製作会社に制作費を切りつめさせるなど、まさにコンテンツそのものの劣化につながることで赤字を免れただけである。
テレビ各局は、自壊の道をひた走る大メディアのEで書いたように、JAL顔負けの高額な報酬体質(以下の表参照)にある。視聴者無視のアホバカ番組、情報操作紛いの報道など、大メディア、とくに日本のテレビ業界への批判は根強く、日本のテレビ局には多くの難関が待ち受けている。
メディア名 | 平均給与 |
TBS | 1549万9000円 |
フジテレビ | 1534万3000円 |
日本テレビ | 1405万円 |
テレビ朝日 | 1322万円 |
朝日放送 | 1556万7000円 |
朝日新聞 | 1358万円 |
いずれにせよ、テレビ各局は限られた日本企業の広告費を奪い合う展開となり、ますますトヨタ、電事連はじめ大手製造業には、報道などでものが言えぬことになりそうだ。
独立系メディアはしっかり監視してゆきたい。