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にもかかわらず、民主党が圧勝した途端、大マスコミや関連自治体は声高に、ここまで工事が進んだ工事を中止するのはおかしい、ムダだと針小棒大に喧伝している。 民主党勝利以前には、紅葉見学情報でしか報道していなかったテレビ朝日だが、民主圧勝後は、なぜか徹底的に八ッ場ダム擁護のための特集ばかりを放映している。とくにテレビ朝日系は一体何を考えているのか?まさに大メディアが自民党的「政」「官」「業」「学」「報」の一部に組み入れられてきたことを如術に示すものだ。 図4 現在の利権構造 テレビ朝日の八ッ場ダム中止バッシングとほぼ同じ内容の番組をTBSが9月10日、夕方に放映した。そこでは、移転を決めた地元住民、建設推進の長野原町長、1都5県の都県の言い分ばかりが強調され、利水、治水ともに前代未聞のムダ、かつ日本有数の自然環境、自然景観を破壊する書店はひとことも触れないありさまだ。 テレビ朝日同様、ここまで住民を翻弄し続け、巨額な税金を浪費し、不要なダムを建設してきた自民党政権そのものへの批判はゼロだった。民主党の公共事業関係の担当者への簡単なインタビューと編集した数10秒のコメントはあっただけ。明らかに、はじめから「ためにする」番組構成、シナリオは明らかだ。よくもまぁこのような情報操作による世論誘導番組を作ったものだと感心させられた(笑い)。 TBSのリポータは、肝心な川原湯(かわらゆ)温泉をかわはらゆ温泉とアナウンスしていた。いかに付け焼き刃の報道であるかが分かるというものだ。 9月10日の夜はNHKのニュースでも同様のニュース番組をやっていた。やはり自民党政権への批判はまったくなく、また環境問題の視点から問題を捉える視点も皆無、いままで何年も1都5県相手に行ってきた住民訴訟の原告団へのインタビューもなかった。 最低限、この間、1都5県で訴訟を提起し、闘っている弁護団や国民的立場から税金の無駄遣い、稀少な自然破壊などを警鐘してきた市民団体にインタビューすべきである。きわめて意図的な番組でありあきれかえった。 都県についても、もし大阪府の橋下知事がいれば、怒りを自民党政権の横暴きわまりない行政運用に向けたことと思う。 東京都の石原知事らは、中止するなら400億円超の今まで国直轄事業に払った資金を返還すべきだとエキセントリックに騒いでいる。石原知事は都民の意向を無視し新銀行東京に投入した400億円を都民に返せと言いたい。
一方、過去50年以上、国に翻弄され続けてきた地元住民や水没予定の川原湯温泉の経営者への対応をどうするのかという危惧も出されている。 国に永年翻弄されてきた住民や温泉事業者への対応を重視するのは当然だ。
しかし、日本で類例ない巨大なダム事業の実態について、大マスコミはまったく勉強していない。おそらく多くのメディア関係者は現地にろくに行っていないはずだ。 八ッ場ダムの何が問題なのか、小さく産んで大きく育てる日本の大型公共事業の財政問題、水資源特別会計だけでなく道路特別会計まで使う財政への影響、そもそも目的や事業の必要性があるのか。 ダムがつくられる場所の地形、地質などの科学的妥当性、日本有数の景勝地における自然環境の破壊、景観破壊問題、さらに現在群馬、栃木、茨城、千葉、埼玉、東京の6自治体住民から出されている訴訟(住民訴訟)、事業の進め方における情報の公開、環境アセスメントなどの正当性など、数多くの多くの問題がある。 大マスコミは、はっきり言って何も勉強していない。大マスコミは、ただ民主党がマニフェストにいているから、鳩山代表が問題視しているからというだけで、民主党が308議席をとり政権交代が実現した途端、まるでバッシングのように攻撃している様は実に異様である。 以下の写真に見られるように、4600億円もの公費をふんだんに使い、自然破壊、景観破壊以外の何ものでもない巨大橋梁工事だが、これがマスメディアでどのように報道されているのであろうか? 以下は日本有数の景勝地、自然豊かな環境を破壊し、道路、橋梁、軌道工事やりたい放題の長野原町の八ッ場ダム関連工事現場の一部。 八ツ場ダム、国道145号線付け替え橋梁工事 日本有数の景勝地で進む国道145号線付け替え橋梁工事 群馬県長野原町にて 撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S10、2008年5月 JR吾妻線の付け替えに伴う大規模鉄橋建設工事 撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S10、2008年5月 JR吾妻線の付け替えに伴う大規模鉄橋建設工事 撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S10、2008年5月 つづく |