自衛隊、イラク撤退 の次に来るもの C 戦時派遣 青山貞一 2006年7月23日 @各国撤退 A財政負担 B既成事実 C戦時派遣 D国際貢献 |
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ここで、本題に入ろう。 陸上自衛隊が無事帰還してくることで、私たちにはホッとした気分がある。 しかし、残留する航空自衛隊のことを思うと、決して手放しで喜べない。いや、喜べないどころか、本ブログで私が長々述べてきたこととの関連において、歴史上初めて<他国の領土>、しかも<戦時>状態で自衛隊、正確にいえば航空自衛隊が活動することになる可能性は否定できない。 すなわち、空自は軍事行動に参加するのではなく、C130輸送機で水や薬品などの民需物品を運ぶことになるだろう。しかし、本当にそうなのかというと、どうも疑わしいのである。 今回の空自残留は、従来、英軍の規模縮小に伴う、いわば業務の肩代わり役である。もし、そうなら英軍がC130で行ってきた武器や弾薬を運ぶ可能性もあるだろう。 英空軍のC-130 出典:英空軍 航空自衛隊のC-130 出典:東京都 事実、自衛隊ニュースには以下のように書かれている。
こんなことを堂々と書いていいのだろうか? この自衛隊ニュースを出している防衛ホーム新聞社の住所は新宿区市谷本村町にある。市谷本村町と言えば市ヶ谷の自衛隊本部があるところだ。 あるブログには次のように書かれている。すなわち
きっこのブログにも次のように書かれている。
英軍はバクダッド空港など、イラクでもっとも危険度が空港で武器、弾薬を含むカーゴを輸送していた。そのカーゴの中身は当然、外からは分からない。見えない。 現在のバクダッド国際空港及びその周辺。 Source:Google Earthを用いて筆者が作成 現在のバクダッド国際空港のエプロン部分の拡大。 Source:Google Earthを用いて筆者が作成 私が最近、試写会で見た「ダーウィンの悪夢」というドキュメント映画では、欧州から毎日タンザニアのビクトリア湖に来る大型貨物飛行機は、アフリカにくるときはカラで、帰りは「ナイル・ピーチ」なる白身魚を満杯に積んでゆくとされていた。しかし、実態は来るときは武器、弾薬を満載し、タンザニアを基地として、アフリカ各国に売りさばくために欧州などからもってくる。帰りについでとして、白身魚を積んでゆく。いずれも通常はカーゴは外からは何が入っているか分からない。 もちろん、これはアフガン戦争時にインド洋のガルシア島近くから空自が米軍の戦闘機等に給油をしていた場合にも妥当する。給油といいながら実は武器弾薬を空輸していても誰にも分からないからである。 いずれにしても、同じC130で英軍から空自に代わっただけといえる。そして空港で英軍から仕事を引きついだ空自のC130がミサイル弾に被弾しないとはいえない。被弾しないという保証はどこにもない。サマワで水をつくって提供していた陸自とは比べものにならない、数百倍の危険度となるだろう。 今回は内陸の空港であることから、ガルシア島付近の海域とは格段に状況は異なる。 その意味で日本の自衛隊はまた一歩、戦闘に近づいたと見る方がごく自然である。 そして、なし崩し的に既成事実を積み重ね、憲法第九条下で歴史上初めて<他国の領土>、しかも<戦時>状態に自衛隊が係わることになる。今度は、「非戦闘地域」なる詭弁は通用しないはずだ。 自衛隊のイラク派遣は何のためだったのか。軍隊を派遣できる「普通の国」になるという名目で、まったく大義のない戦争に加担した国になっただけだ。 もっぱら、憲法九条改正によって集団的自衛権を行使したいひとたちにとって、自衛隊のイラク派遣は、まさに戦時派遣という既成事実を達成したことになるのかも知れない。 つづく |