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@手続の概要 A一度あった原案提出 B改正案の落とし穴 C同床異夢の2/3 D世論調査の行方 E脱原発条項を! F改憲・立憲トピックス ◆現在の党派別議席数の現状 衆議院では、310議席が憲法改正発議議員数である全体の2/3となるが、今回の第48回衆議院銀選挙の結果は自民党(284)+公明党(29)=313議席と両党だけで310議席を超えてしまったのである。 以下の図はそれを示している。 出典:Wikipedia 出典:Wikipedia では、参議院はどうか? 参議院では与党は議席数で2/3を超えていない。しかし、自民党(125)+公明党(25)に日本維新の会(11)が加わると、参議院でも2/3(=161)に到達することになる。 出典:Wikipedia ◆同床異夢の衆参両院議員で2/3以上 次のステップで憲法改正案を国会で採決するためには、両院それぞれの本会議においてそれぞれの総議席の 3分の2以上の賛成が必要である。 , では、現状で本当に衆議院、参議院の採決で2/3以上が可能かどうかについて検討してみたい。 , (1)衆議院では今回の選挙で2/3を超えたが、与党の自公のうち、公明党が憲法改正に難色を示していると言われている。 今回の衆議院選挙で公明党が大幅に議席を減らしている。公明党の当選議席は小選挙区と比例代表で29人だが、改選前に比べると6人も減らしている。 その理由として考えられるのは、創価学会の会員、公明党の党員の多く、とくに女性会員や党員が憲法改正に反対しており、選挙で棄権や他党に投票したのではないかと思われることだ。 (2)事実、公明党の山口代表は、ことあるたびに公明党は憲法改正に慎重に対応することを明言している。その結果、今回当選した29人(議席)全員が2/3採決に賛成するかどうかは分からない。今後次第で相当数の反対がでる可能性がある。 もちろん、これは憲法改正内容、形態にも関連している。国民主権を国家主権に変えるような自民党憲法改正草案のような案には、公明党議員は全面的に反対するだろう。しかし、安倍首相が提案した第九条に第三項を加えるような場合には、賛成する可能性もあるかもしれない。 (3)また憲法改正に前向きな維新はどうかと言えば、やはり今回の選挙で大幅に議席を減らした(選挙前議席から3人減らして11人となっている)。この減少は公明党の場合とは理由がことなるだろうが、公明党の減少を維新で補うことが必ずしも可能とはならない。 (4)このことは大量議席を有する自民党についても言える。自民党は表むき憲法改正を前提として結党した政党であるが、いざとなったら反対、棄権する議員がでないとは言えない。とくに安倍政権下での改正に危険を感じているハト派議員がそれに妥当する。 (5)次に建前は野党となっている「希望の党」だが、小池氏が個々の候補者との間で協定書を交わしている。その中に憲法改正がある。小池氏は結党理念からして、「希望の党」の議員に採決時賛成するよう指示する可能性がある。 (6)「希望の党」の議員のうち、後から合流した民進党の議員のおそらく半分((25人)が2/3採決に賛成する可能性がないとはいえない。 (7)日本維新の党も公明党同様、今回の衆院選挙で大幅に議席を減らしたが、2/3採決には全員が賛成するであろう。 (8)参議院で与党は議席数で維新を加え2/3となるが、 自民と公明だけでは、自民党(125)+公明党(25)=150で到底2/3(=161)には届かない。維新を加えると調度2/3となる。 (9) 今後の参議院議員選挙で自公で、また維新を加えて161議席以上とれるかどうかはわからないが、衆院で分裂した民進党が参院でも分裂要素があるため、過半数を超える可能性もある。 (9)しかし、衆院同様、参議院公明党議員が憲法改正に棄権や反対したり、同様に参議院自民党が棄権や反対する可能性は否定できない。そのために、自民党は安倍提案に象徴されるように、公明党でも賛成できるよう、自民党改憲草案のような一括案ではなく、個別案を用意する可能性が高い。 以下に直近の衆院選挙における比例代表得票結果を示す。 ◆直近の衆院選挙の比例代表得票結果 国民投票を考えるうえでの重要データとして、今回の選挙の比例代表投票結果がある。今回も、与党系と野党系の数は拮抗しているからである。 以下はそれを示している。 総得票数では、過去から今回まで野党系に投票した有権者の方が多い。しかし、ここでも、「希望の党」や「日本維新の会」に投票した有権者がおり、国民投票において賛成に回る可能性がある。 出典:Wikipedia , ただ、後で示す世論調査結果からもわかることだが、国政選挙で与党に投票した有権者が憲法改正に賛成であるとは限らない。おそらく自民党に投票した有権者でも憲法改正に反対、棄権がいるだろうし、公明党支持者はそれ以上に憲法改正に反対の可能性がある。 つまり、仮に、衆参それぞれの院で2/3の発議が可能になっても、実際の憲法改正の国民投票で過半数が賛成するか分からないのである。
つづく |