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放射性物質・放射線に関する
基本的事項について(2)
version 0.7
青山貞一 Teiichi Aoyama
東京都市大学環境情報学部教授
環境総合研究所所長
掲載月日:2011年4月5日
 独立系メディア E−wave


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<ベクレル>と<シーベルト>の単位の相互換算

 以下に両者、すなわちベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)の単位換算を示しておきます。

 ただし、以下はヨウ素131を経口摂取した場合の変換です。

 100ベクレル(Bq)/kg=2.2マイクロシーベルト(μSv)/kg

注)ベクレルは1秒当たりで定義されている単位。換算されたシーベルト値は体内に取り込んだ放射性物質が体内に存在している間に人体に影響を及ぼすと思われる線量。放射線量の積分期間は、作業者および成人の一般公衆で50年、子どもでは摂取した年齢から70歳までとし、摂取した放射性物質は時間とともに減少し、減少する早さは放射性物質の種類により異なります(半減期を参照)。

 以下は各放射性核種(54種類)に対応した係数、変換係数についての情報です。

緊急時に考慮すべき放射性核種に対する実効線量係数

ベクレル(Bq)、シーベルト(Sv)換算 - 放射能・放射線の量

<ベクレル>を<シーベルト>に変換するツール

 以下は食品等を摂取、吸収した場合の汎用的な計算ツールです。この変換ツールを使えば、容易に放射性核種単位のシーベルトが計算出来ます。

換算計算ツール

換算計算ツールにおける<データ入力のイメージ>

出典:http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php?guid=ON

 以下は簡易ベクレル→シーベルト換算計算ツール
 
簡易換算ツール

●<シーベルト>の年間累積値

 通常、シーベルト(Sv)は1時間当たりの値で示されていますが、人体に関わる各種ガイドライン値は年間の累積被曝量(シーベルト)で示されます。

 仮に、1年=24時間×365日=8760時間にわたり1マイクロシーベルト(μSv)の被曝を継続的に受けると、

 1マイクロシーベルト(μSv)/h×8760h =8760マイクロシーベルト(μSv)/年=8.760ミリシーベルト(mSV)/年

となります。

 すなわち、仮に1マイクロシーベルト(μSv)の外部被曝でも、長期的に被曝を継続的に受けると、年間で1ミリシーベルト(mSV)弱の被曝を受けることになることが分かります。

注)新聞記事などでは、被曝時間を明記していないものが多く、誤解を生む可能性が大ですが、いっときないし5〜10分に受ける値なのか、1時間値なのか、1日累積値なのか、年間累積値なのかを明記しなければなりません。

●経口摂取と吸入摂取の違い

 食べ物、水などで経口摂取した場合は、ヨウ素131をとった場合、呼吸で体内に摂取した場合に比べ3倍ほど実効放射線量が多くなるとされています。これは内部被曝に関連していると思われます。
 
 以下では核種別に、経口摂取と吸入接すの係数の違いを表にしてあります。

緊急時に考慮すべき放射性核種に対する実効線量係数

つづく