2018年・東日本大震災 復旧実態調査(岩手県県編) 釜石市鵜住居沿岸域4 青山貞一・池田こみち 環境総合研究所顧問 掲載:2019年6月20日 2020年3月11日第2次公開 独立系メディア E-wave Tokyo 断転載禁 |
<総合メニューへ> 釜石小白浜1 釜石小白浜2 釜石小白浜3 釜石小白浜4 釜石1 釜石2 釜石3 釜石湾口防潮堤1 釜石湾口防潮堤2 釜石湾口防潮堤3 釜石両石1 釜石両石2 釜石両石3 釜石鵜住居1 釜石鵜住居2 釜石鵜住居3 釜石鵜住居4 釜石鵜住居5 ◆釜石市鵜住居沿岸域4 出典:東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に 関する専門調査会配付資料 以下は釜石市鵜住居地区の「まちなか再生計画」 の概要である。 下は鵜住居地区の人口推移である。3.11津波被害以降、人口が大幅に少なくなる推定となっている。 出典:釜石市鵜住居・片岸地区復興計画 出典:釜石市鵜住居・片岸地区復興計画・土地利用図 出典:釜石市鵜住居・片岸地区復興計画・土地利用図 , 鵜住居地区の被害は甚大であり、その復興も困難を極めている。以下は、復興計画における鵜住居地区の課題の全文である、 (4) 鵜住居地区の課題 ①地域の視点で鵜住居地区に求められるまちづくり 鵜住居地区は市内で最も被害状況が大きく、全体の約7割(約 1,750 戸)が被災しました。行政機能、商業機能をはじめとして、あらゆる生活利便機能の再生が急務となっています。 ②地域の生活基盤となる“拠点”の再生 鵜住居地区は、主要地方道釜石遠野線が栗橋エリア(山側)と箱崎・白浜地区(海側)を繋ぐ「うみやま連携軸」を形成しており、海と山、双方の自然の魅力を楽しめる地域となっています。 また、鵜住居地区の中心を「南北連携都市軸」に位置づけられている三陸縦貫自動車道と国道 45 号が通っており、釜石北IC、釜石両石ICも立地しているなど、広域アクセスに優れています。 JR 鵜住居駅周辺には、小・中学校等をはじめ、体育館、公営住宅、市役所出張所など、地域の生活やコミュニティ活動を支える施設が計画されており、路線バスに加え、JR 山田線が三陸鉄道へ移管開業することにより、公共交通の利便性も確保しつつ、周辺地域を含めた生活基盤を支える拠点としての機能の再生が求められています。 ③次世代に負担をかけない、持続可能な地域経営 東日本大震災により、少子高齢化が進展した状況下では、今後の都市機能やコミュニティを維持していくことが困難になっていく恐れがあります。 持続可能な地域社会をつくるためには、住民自らの力で「鵜住居の地域経営を担う」ことが大切であり、地域におけるヒト、モノなどの資源、情報を最適な活用を図り、地域課題の解決を図っていくことが必要です。 併せて、鵜住居地区における運営を考えると、地域で収益を考えることや、公共施設管理、コスト削減などについても効果的・効率的な手法を考えていく必要があります。 ④広域的な視点で鵜住居地区に求められるまちづくり 鵜住居地区周辺は、自然の宝庫であるリアス式海岸に広がっています。海水浴、トライアスロン、釣り、サーフィン、ヨット等のマリンスポーツの拠点となっている根浜海岸をはじめ、箱崎半島ではグリーンツーリズムによる交流が盛んに行われていました。 平成 27 年に国指定史跡の「橋野鉄鉱山・高炉跡」が世界遺産「明治日本の産業革遺産 製鉄・製鋼・造船・石炭産業」の構成資産に登録されたことから、鵜住居地区は当史跡へ訪問する玄関口になっています。 ラグビーワールドカップ 2019 の開催会場に選ばれた「釜石鵜住居復興スタジアム(仮)」では、観衆1万6千人規模の予選が2試合行われる予定であり、ワールドカップ開 催後もスポーツ拠点としての活用が位置づけられています。 こうした地区の特性を活かしていくためには、釜石市都市計画マスタープランにおいて示されている「豊かな自然とスポーツ・レクリエーションを活かした、活力のあるまちづくり」など、周辺地域を「文化」「スポーツ」「レクリエーション」で結びつけるゲート(玄関口)となることが求められています。 以下は釜石市鵜住居地区の再建土地利用計画である。 以下は、鵜住居地区の土地利用計画を示しているが、各所で土地のかさ上げが必要となっていることがわかる。 以下は、平成30年6月に釜石市がとりまとめた、「釜石市鵜住居地区 まちなか再生計画」に示された居住地の嵩上げによるまちづくりの方針である。地図上青文字の楕円が嵩上げを示すマークで、1m~3mの嵩上げが必要としている。また高台には多くの避難場所(緑色の人のデザインのマーク)を設けていることも特徴となっている。 出典:釜石市鵜住居地区復興計画・土地利用図 出典:釜石市鵜住居・片岸地区復興計画・土地利用図 ◆鵜住居地区の被災状況と復興・防災 鵜住居地区は、市内で最も震災の被害が大きく、震災時の津波により建物全体の約7割(約1,750戸)が被災し、小中学校、幼稚園、行政機能のほか、商業機能やあらゆる生活関連機能が喪失しました。 鵜住居地区の復興は、被災市街地土地区画整理事業等により、災害に強い都市基盤を整備するため、住宅用地を嵩上げし洪水時の雨水排水機能の向上を図るとともに、狭あいな生活道路等の改善、上下水道等のライフラインの整備など市街地の一体的な整備を進めています。 ◆区域医の土地利用の方針・計画 南北に横断する国道45号を中心とした津波被災市街地において「鵜住居地区被災市街地復興土地区画整理事業」を迅速に進め、宅地の嵩上げや狭あいな道路を解消し、安心安全なコンパクトな市街地を形成します。 ◆震災・津波対策の促進 鵜住居地区は、復興土地区画整理事業により、住宅用地を平均1.7m嵩上げし、洪水時の雨水排水機能の向上を図ります。 釜石鵜住居5へつづく |