厳寒のロシア2大都市短訪 モスクワ市 行政 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2017年5月30日 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
ロシア短訪・総目次に戻る ◆モスクワ市概要 モスクワ市の紋章 概要 歴史 行政 政党 世界遺産一覧 世界遺産写真 モスクワ(30選) 行政 行政区分 モスクワ市の行政区分は、下図のようにクレムリン、赤の広場などがある(1)の中央区を中心に、2,3,4,5,6,7,8,9の区があり、その他、飛び地の10、そしてそれ以降に南部に拡大した11, 12から構成されています。 モスクワの行政区画 出典:Wikipedia 2012年7月1日に、ノヴォモスコーフスキー区とトロイツキー区に相当する地域を編入したため、一挙にモスクワ市域面積が約2.5倍になりました。それ以降、モスクワ市は以下の12の行政区に分かれています。 従来は1960年代に開通したモスクワ環状道路がモスクワ市の境界線とほぼ一致していましたが、現在は市域が当時の約3倍に拡大しています。 1.中央区(Центральный АО) 2.北区(Северный АО) 3.北東区(Северо-Восточный АО) 4.東区(Восточный АО) 5.南東区(Юго-Восточный АО) 6.南区(Южный АО) 7.南西区(Юго-Западный АО) 8.西区(Западный АО) 9.北西区(Северо-Западный АО) 10.ゼレノグラード区(Зеленоградский АО) 11.ノヴォモスコーフスキー区(Новомосковский АО) 12.トロイツキー区(Троицкий АО) また、この行政区はさらにラヨン(район)に分かれています(ロシア語では、ライオンと発音されます)。 モスクワ市政 ロシアで地方自治体という単位を構成するのは、「地区」、「市」、「町」、「村」という名称の最下位の行政単位ですが、これらの自治体は下図のように連邦主体のなかに位置しています。 現在、ロシア全土では地区の1868件、市の1087をはじめとして、自治体の総数は約3万に達するとされていますが、モスクワ市は。その市町村のなかで最も人口規模で大きな市となっています。 出典:ロシアの地方自治 市議会の定数は35です。2009年10月12日の選挙では、統一ロシアが圧勝しました。 1992年に就任したユーリ・ルシコフ市長の下でモスクワ市は積極的な経済開発を行い、行政府がインフラ整備や外資の誘致などを徹底して行うことで高い経済成長を記録し、さらに小企業の保護育成に市政府が積極的に取り組むことで失業問題を解決し、失業率を全国平均の10分の1に押さえ込んだことから、市民の高い支持を得て18年間の長期政権を維持してきました。 しかし、2008年のリーマン・ショック後に経済が減速するとともに長期政権に伴う汚職や腐敗が取りざたされるようになり、2010年9月28日にドミトリー・メドヴェージェフ大統領によって解任されました。 歴代モスクワ市長 ガブリール・ポポフ(初代、1991年 - 1992年) ユーリ・ルシコフ(第2代、1992年 - 2010年) ウラジーミル・レシン(臨時代理、2010年) セルゲイ・ソビャーニン(第3代、2010年 - ) なお、以下はモスクワ市議会に開設されている委員会の名称です。 出典:ロシアの地方自治 モスクワに集中するロシアの中枢機関 なお、モスクワはロシアの首都であることから、ロシアの主要、中枢機関が多数あります。以下は、ロシアの基礎知識の<ロシアの中枢機関>で紹介した論考ですが、ここに再掲したします。 交通 市内の主要な公共交通機関は地下鉄をはじめ、バス、トロリーバス、路面電車、タクシー、乗合タクシー、近郊電車など。 鉄道 13の線路、方面別に9つのターミナル駅がある。列車の行先の地名が駅名になっています。 カザンスキー駅 - カザン・ビシュケク・タシケント・ドゥシャンベ方面 キエフスキー駅 - キエフ・キシナウ・ソフィア方面 クールスキー駅 - クルスク・ドネツク・シンフェローポリ方面 サヴョロフスキー駅 - サヴョロフ方面 パヴェレツキー駅 - パヴェレツ・バクー・アルマトイ方面 ベラルースキー駅 - ベラルーシ・ヴィリニュス・ワルシャワ・ベルリン・パリ方面 ヤロスラフスキー駅 - ヤロスラヴリ・ウラジオストク・ウランバートル・北京・平壌方面(シベリア鉄道を走る「ロシア号」ウラジオストク行が発着) リーシスキー駅 - リガ方面 レニングラーツキー駅 - サン エレクトリーチカ(近郊電車)はモスクワ市内と郊外を結ぶ路線で縦横無尽に走っています。2016年には都市高速鉄道としてモスクワ中央環状線が開通しましたが、これは地下鉄のネットワークに含まれています。 地下鉄 市内には、地下鉄が11の路線網を張り巡らしており、世界で最も利用客の多い地下鉄の一つとなっています。また、スターリン政権時代に建設された駅を中心として、豪華絢爛な装飾が施されており、モスクワ市民の誇りとなっています。 地下鉄路線の終点を起点とした高架線主体のライトメトロ(лёгкое метро)2路線(1路線は建設中)、およびモノレール1路線があります。路線や駅にもよりますが、きわめて深い場所に作られた豪華な装飾の駅と、地上と駅を結ぶ長い超高速エスカレーターはモスクワ地下鉄の特徴となっています。 モスクワの地下鉄ネットワーク Source:Wikimedia Commons ※ モスクワ地下鉄の82年の発展 ロシアNOW ※ 新地下鉄「モスクワ」号は快適 ロシアNOW モスクワの地下鉄駅の豪華さは世界的に有名ですが、ロシアNOWは、そのうち5駅を紹介しています。 ※モスクワ地下鉄環状線の豪華な5駅 ロシアNOW 路面電車 郊外を中心に路面電車の路線網が張り巡らされており、地下鉄の補完的役割を果たしています。 道路 市中心部から道路が放射状に伸びていて、北西にはサンクトペテルブルクへと向かうレニングラード街道、北西にはヤロスラヴリ街道、東にはニジニ・ノヴゴロドに向かうゴーリキー街道、南東にはリャザン街道、南にはワルシャワ街道、南西にはキエフ街道やスモレンスク街道といった行き先の名をとった幹線道路へつながっている他に、モスクワ環状道路などの環状道路もあります。クレムリンに隣接する市中心部のマネージ広場が道路元標になっています。 近年は自動車の普及により、市内での慢性的な渋滞や駐車スペース不足が大きな問題となっています。 つづく |