施設・訴訟概要 敦賀原子力館 ふげん 三方五湖
美浜原子力PRセンター もんじゅ1 もんじゅ2 もんじゅ3
2016年9月、大阪経由で滋賀県の長浜で一般した後、レンタカーを借りて福井県の若狭湾岸にズラーと並ぶ原子力関連施設を視察し事業者側の担当者と議論をした。
下図は福井県の若狭湾岸地域を示したものである。
「若狭湾岸原発銀座」における原子力関連施設立地図
出典:グーグルマップをベースに青山が作成
以下は2016年9月7日と8日の予定である。
9月7日 日本原子力原発電「敦賀原発」、
日本原子力原発電「原子力資料館」
日本原子力研究開発機構原子炉廃止措置
研究開発センター「ふげん」2時間半
宿泊 味方五胡
9月8日 関西電力「美浜原子力PRセンター」
関西電力「美浜原発」
日本原子力研究開発機構「もんじゅ」2時間半
関西電力大飯原発と高浜原発では、現地が
暴風と降雨、霧であったため中止
三方五湖で州直後、米原経由で帰京
私たちは日本原子力原発電「原子力館」からすぐ隣にある日本原子力研究開発機構原子炉廃止措置 研究開発センター「ふげん」に車で向かった。
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900
下はグーグルマップの衛星画像で見たふげんである。ふげんは北側にあり、中央と南側は日本原子力発電の敦賀原発である。
出典:グーグルマップ 衛星画像
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900
出典:敦賀市 新型転換炉原型炉ふげん
「ふげん」は当初2時間だったのが2時間半、「もんじゅ」は当初1時間半だったものが2時間半と、いずれも当初予定を大幅にオーバーしました。いずれも討論は本音となりましたが、親切、丁寧な対応をしていただきました。
写真は「ふげん」で撮影したものです。残念ながら大部分の場所が写真撮影禁止、録音、録画禁止でした。,
現在、廃炉工事が行われている「ふげん」では、5重以上もの厳重なゲートでのチェックを受け、写真のようないでたちでの現場視察と現場での討議となりました。
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900
案の定、話の最初で、こちらがそのことに触れようとした矢先、「私どもは、各方面から「ふげん・もんじゅ」などという仏様の名前をつけたことについて、傲慢だなどと批判を受けましたが、命名の趣旨は、決してそのような不遜なことではなく、菩薩のような“世界にあまねく現れ仏の慈悲と理知を顕して人々を救う賢者”となれるように、という気持ちからである」と苦しい言い訳をされた。最初の趣旨はそうであったとしても、今となっては余りに不遜な命名であったと言われても致し方ないだろう。
追記:会議室の壁に掛けられているのは普賢菩薩像(東京国立博物館蔵)である。
※ふげんの意味
日本原子力研究開発機構が福井県敦賀市に設置した発電所。国産技術のみで開発された初の原子力発電所で、世界に先駆けてMOX燃料を本格的に利用した。昭和53年(1978)から平成15年(2003)まで運転。平成20年(2008)から廃止措置に入った。名称は普賢菩薩に由来。正式名称は新型転換炉ふげん発電所。廃止措置の開始に伴い名称を原子炉廃止措置研究開発センターに変更。隣接して日本原子力発電の敦賀発電所が立地する。
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900
下の写真は、中国にある峨眉山・萬年寺にある普賢菩薩象です。中国に行かれた方から画像を頂いたものです。高さ7.85m、重さ62tのブロンズ製の像です。
以下はパワーポイントによる「ふげん」についての説明の一部です。ただし、写真撮影が全面禁止だったので、後日、「ふげん」関連の公式Webから転載しています。
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900
下図はふげんの鳥観図である。
出典:新型転換炉原型炉ふげん - 日本原子力研究開発機構
出典:新型転換炉原型炉ふげん - 日本原子力研究開発機構
以下はふげんの諸元である。
炉型式 |
重水減速沸騰軽水冷却型(圧力管型) |
出力 |
電気出力:16.5万kW(熱出力55.7万kW) |
炉心 |
炉心高さ:3.7m |
炉心直径:4.0m |
圧力管間隔:240mm |
燃料装荷重量:39t(総ペレット重量) |
重水系 |
重水装荷重量:160t |
圧力管 |
ジルコニウム2.5%ニオブ合金(内径118mm 肉厚4.3mm) |
カランドリア管 |
ジルカロイ- 2(内径156.4mm 肉厚1.9mm) |
原子炉冷却系 |
冷却材:軽水(H2O) |
蒸気ドラム温度:284℃ |
圧力:68kg/cm2G |
炉心流量:7.600t/h |
再循環回路数:2ルーブ |
タービン |
蒸気温度:279℃ |
蒸気圧力:63.5kg/cm2G |
蒸気流量:910t/h |
敷地面積 |
約275.000m2 |
原子炉建屋 |
全高:66m |
直径:約40.5m |
原子炉補助建屋 |
長さ:約40m |
幅:約35m |
高さ:約33.5m |
以下はふげんの仕組みである。
出典:新型転換炉原型炉ふげん - 日本原子力研究開発機構
出典:敦賀市 新型転換炉原型炉ふげん
以下はふげんの仕組みと特徴についての解説。
ふげんの仕組みと特徴
「ふげん」の大きな特徴は減速材(中性子の吸収がきわめて少なく、核分裂し易い条件を作る)に重水を使っていることです。重水はカランドリアタンクと呼ばれるタンク(断面がレンコンのように穴の空いている円柱状のタンク)の中に入れられています。
このタンクの穴の部分(円柱形をしています)の中に、一定間隔に並んだ圧力管があり,圧力管の中の燃料が冷却水(普通の水)を加熱します。圧力管の中で熱せられた冷却水は蒸気となり、この蒸気がタービン発電機を回し、16万5千kWの電気を起こします。
以下はふげんの燃料を表す図である。
出典:新型転換炉原型炉ふげん - 日本原子力研究開発機構
「新型転換炉は,使用済燃料を再処理して得られるプルトニウムを、天然ウランや回収ウラン(使用済燃料を再処理して得られるウラン)、劣化ウラン(濃縮工程で出てくる核分裂性ウランの濃度が天然より薄いウラン)に混ぜて使用できるとともに、濃縮ウランも使うことができます。このように、新型転換炉は燃料の多様化が図れることから、資源の少ない我が国にとって、エネルギーの安定供給を図る面で有利な原子炉と言えます。 |
典:新型転換炉原型炉ふげん - 日本原子力研究開発機構
下は「ふげん」の概略系統図である。「ふげん」は、電気出力16万5千kWの重水減速沸騰軽水冷却型原型炉プラントです。減速材に重水を使用していること及び原子炉の構造が圧力管型であることを除けば、沸騰水型原子炉(BWR)と類似しています。
出典:新型転換炉原型炉ふげん - 日本原子力研究開発機構
以下はふげんの廃止措置の概要である。
廃止措置の概要
新型転換炉原型炉ふげんは、平成15年3月29日に運転を終了した後、原子炉施設の廃止措置に向けた準備として廃止措置計画の策定や技術開発などを進めると共に、平成17年5月の原子炉等規制法の改正に基づき廃止措置計画の認可申請を行い、平成20年2月12日に国の認可をいただき廃止措置に着手しました。
「廃止措置」とは、使い終わった原子力発電所などの原子力施設から放射能を取り除き、安全に解体することをいいます。「ふげん」の廃止措置は、原子炉等規制法に従って、運転終了後も維持管理が必要な設備についての条件を考慮しながら、安全かつ合理的に施設の解体を進めていく計画です。
なお、廃止措置のための技術開発や諸準備、廃止措置を通じて得られる成果などについては、わが国における原子力施設の廃止措置においても有効に活用していただけるよう、関係機関との連携や技術協力を行いつつ、積極的に公開していきます。
廃止措置は下記の4段階の期間に区分して実施します。(平成45年度までに廃止措置を完了する予定です。)
1.重水系・ヘリウム系等の汚染の除去期間(実績)
重水系・ヘリウム系等の汚染の除去工事及び解体撤去物の搬出ルート及び処理エリア確保のために、原子炉冷却系統施設のうち、復水器等の解体撤去工事を行いました。
また、使用済燃料の貯蔵に係る安全機能に影響を与えない範囲で、共用を終了した放射能レベルの比較的低い及び汚染のない施設・設備の解体撤去を行いました。
2.原子炉周辺設備解体撤去期間
原子炉領域の解体撤去に用いる遠隔解体装置及び解体撤去物運搬装置の設置範囲に干渉する原子炉冷却系統施設の一部やその他原子炉の附属施設の一部(重水系・ヘリウム系等)等の解体撤去工事を行います。
また、使用済燃料の貯蔵に係る安全機能に影響を与えない範囲で,供用を終了した放射能レベルの比較的低い及び汚染のない施設・設備の解体撤去を継続行います。
3.原子炉本体解体撤去期間
放射能レベルの比較的高い原子炉領域の解体撤去を行います。また、使用済燃料の搬出が完了するまでは、使用済燃料の貯蔵に係る安全機能に影響を与えない範囲で、共用を終了した放射能レベルの比較的低い及び汚染のない施設・設備の解体撤去を継続して行います。核燃料物質の取扱施設及び貯蔵施設は、使用済燃料搬出完了後に解体撤去を行います。
汚染したすべての設備・機器を解体撤去した後に、各建屋及び構造物の汚染を除去してすべての管理区域を解除します。
4.建屋解体期間
管理区域を解除した建屋及び汚染のない建屋も含め、廃止措置対象施設をすべて解体します。
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出典:新型転換炉原型炉ふげん - 日本原子力研究開発機構
パワーポイントによる説明と討議の後、ふげんの内部に入ることとなりました。以下は東京に帰ってから環境行政改改革フォーラムのメーリングリストに投稿した内容である。
"「ふげん」の施設内は空調がありませんから、ナイロン製のコート、綿の帽子の上にヘルメット、綿の手袋の上にゴム手袋、綿のソックスで汗だくでした。" 池田こみち
下の2枚の写真は廃炉段階にあるふげんの内部に入り説明を受けた後、外部に出てたところで説明者が撮影してくれたものである。
以下は視察及び討議が終了し、ふげんを去る時に、説明をしていただいた担当者が撮影してくれた写真である。
撮影:対応者 Nikon Coolpix S9900
以下は2018年5月12日の福島新聞の記事。ふげんの使用済み核燃料の処理に30年かかるということだ。東海再処理施設が廃止となったため、まだ搬出先がはっきりきまっていないようです。国内または海外の事業者で再処理する方針としている。結局原発はみんなこの問題を抱えているということだ。
◆ふげん燃料搬出9年先送りを認可 廃炉計画変更で原子力規制委
福井新聞 2018年5月12日 午前6時40分
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/328945
日本原子力研究開発機構は5月11日、福井県敦賀市で廃炉作業中の新型転換炉ふげん(原子炉廃止措置研究開発センター)の使用済み燃料の搬出完了時期を変更する廃止措置計画が原子力規制委員会に認可されたと発表した。認可は10日付。2017年度末としていた搬出完了時期が9年先送りされ、26年度となっ
た。
機構は2月に変更認可を申請していた。本年度上期に搬出先や輸送回数など具体的な計画を明示し、輸送準備などを整えた上で23年度から26年度までの4年間で搬出を終える。33年度の廃炉完了時期は変更していない。
また、3月に申請していた保安規定の変更も10日付で認可された。
ふげんは03年3月に運転を終了し、08年2月に廃止措置計画の認可を受けた。変更は使用済み燃料の搬出先としていた機構の東海再処理施設(茨城県)が廃止となったため。貯蔵プールには現在、使用済み燃料466体が保管されており、国内または海外の事業者で再処理する方針。
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つづく |