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, 第一報 第二報 第三報 第四報 第五報 以下現地調査 第六報 第七報 第八報 第九報 第十報 福島県の片田舎、西会津で起きた若い芸術家であり反原発などの運動家であった学生、小野太伸さんの行方不明事故を青山貞一・池田こみち・山形美智子は東京からではあるが徹底的に追いかけた。 その第三報です。 ◆小野さん捜索に関する情報とメディアについて , 阿賀川の小野さん捜索だが、情報・メディアの面から見ると、以下の点が指摘できる。 (1)当該地方自治体 ・地元の行政である喜多方市や西会津町は、事故が起きているにもかかわらず、積極的に情報発信しないばかりか、町としての見解も表明していない。町の目玉施設である、芸術村で活動している若い芸術家たちに対してあまりにも冷たい対応ではないだろうか。今のところ、公式Websiteは終始一貫して掲載全くゼロである。 , (2)担当警察:福島県警喜多方署 捜査担当の喜多方署は、当初の事故現場を途中から変更しているが、何がどう変ったのかについての詳細が不明である。また現在300人態勢で捜索を行っているとのことだが、メディアへのリリースをどのように行っているのか、また、捜査の過程や進捗を一般にどのように発表しているのか、公式Websiteでは一切報告が見当たらない。 事故と事件の両面でというなら、捜索本部を設置し、かつメディア会見と ともにWebに毎日単位で捜索状況を公開すべきだが、それらはまった行われた形跡がない。 (3)地元新聞:福島民友と福島民報 福島民友は一応継続的に記事にしているが、Websiteへの掲載は非常に分かりにくく、読者への捜索の状況についての情報提供は頻度や掲載方法を見る限り、非常にお粗末なものとなっている。検索しずらく、頻度も精々1週間に1度の記事だけで、それも独自情報はなく、喜多方署からのリークがほんの少しある程度。 福島県内会津地域で最も読まれる新聞と自画自賛する福島民報は最初から今まで記事はゼロである。 , (4)大メディア・テレビ 大メディアのうちテレビは小野さんの父親が阿賀川の河岸でレクサスを発見した13日の翌日14日に、フジテレビ系福島テレビ、テレ朝とABEMA、その後日テレ系NNが1,2度報道したのみ、NHKは、福島総局もなぜか終始ニュースゼロ。 (5)大新聞 3月9日に毎日新聞は記事にしたが4行程度で後は有料記事扱いとなっている。これはその後も同じで、これでは、行方不明者の捜索はもとより、地元の協力が得られるわけもない。行方不明の男子学生の親であっても有料会員にならないと見れない。読売、朝日、日経は終始記事は無し。人道的な意味からも「有料扱い」とする意味がわからない。 , (6)SNS 父親の8日の早期段階でのtwitter、facebookがあり、それを元にしたブログが多数あるものの、芝浦工大での新型コロナ禍後の小野さんの授業料返納運動、芸術活動に関するものはあるが、現地に行って調べたものはゼロ、仮に友人たちがなんらかの捜索活動を行っているとすれば、その経過や結果について発信し続けないと意味がない。 まとめ 総じて情報が圧倒的に少なくて状況が理解しにくいのは問題であると言える。 警察が総力を挙げて、ダイバーやドローンを利用した捜索を行っている割には公表されている情報が極めて少なく、状況がつかみにくい。 ・既に引き上げられたとすれば、その車の写真や車体の傷の状況は公表されないのか。 ・車のどのドアが開いていたのか、いなかったのかはどうなのか ・スリップ痕は車道からどのようについていたのか ・発見された女性の着ていた衣類の特徴、背格好などはどうなのか ・行方不明の小野太伸さんは知人宅から野沢駅に友人を迎えに行ったというが、車に乗せたのは迎えに行った友人なのかそれとも別の人物なのか ・橋手前から川に落下したとすれば、科学的にどのような状況が想定されるのかについて、専門家の分析や見解をえているのか。 ・小野さんがちょくちょく訪問し芸術活動をしていた。また今回のそこに行こうとしていたと思われる西会津国際芸術村の関係者からのコメントをもらべきではないのか? ・さらに通っていた芝浦工業大学の同僚学生についても。 等々。 同乗でシートベルトを着けたまま遺体発見の友人と思しき女性については、匿名書き込みに友人らしき女性が友人だが、両親は身元顔などを公表するのを警察に断っているというのみで、これが事実かどうかは不明。 総じて言えることは、行政、警察の本件への対応は保守的というか、保身的であり、情報提供も消極的と言える。またNHKはじめ読売、朝日、日経など大メディアがまったく本件について一切報じないのは理解に苦しむ。 3.11の10年目が近い3月6日夜に起きた本件は、さまざまな意味で今の日本の情報とメディアのあり方を象徴しているように思える。 ちなみに、私達(青山、池田)が10年前から追っている英国の非営利団体CAFによる「見知らぬ人への親切さ」についての国別ランキングで、日本は10年間を通じ126ヵ国中125位である。以下の独立系メディアの記事参照。 これは言い換えれば、見知らぬ人には冷淡で冷たいということを意味する。何とも寂しいかつ恥ずかしいことである。 本件との関係で言えば、見知らぬ人、見知らぬ若者の捜索に何か協力しようと思っても、当局からの情報発信がなければ知りようもなく、動きようもない。 個々人の生き方、育ち方、・・・の問題だけでなく、見知らぬ人に心を寄せる優しさが今の日本では育まれにくいということ自体が大きな問題と言えるのではないだろうか。よく言われる「今だけ、金だけ、自分だけ」の風潮は特に日本で顕著なのかもしれないと思うと、心が傷むし寂しい限りである。 |