メアリー・ステュアートの足跡を追って スコットランド2200km走破 トーネス原発2 Torness Nuclear Power Plant 2 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 2018年12月10日公開 独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁 |
スコットランド総目次へ * スコットランドという国 トーネス原発1 トーネス原発2 トーネス原発3 原子力発電所の設計 トーネス発電所はヘイシャムBと設計を同じくしています。原子炉は1950年代から60年代にかけて英国の商用原子炉建設のために設立された5つのコンソーシアムが緩やかに合併したNNC(現AMEC(傘下)によって設計されました。 ※(参考)ヘイシャムB発電所(Wikiより) ヘイシャム発電所(Heysham Power Station)は、イングランド、ランカ シャー、ヘイシャムに存在する原子力発電所。運営はフランス電力 (EDF)傘下のブリティッシュ・エナジー社が行っています。発電所の 運営は2つに分割されており、片方についてはヘイシャムA発電所や ヘイシャム第1発電所などと呼ばれてています。 両方が改良型ガス冷却炉であり、それぞれ2基ずつの原子炉を保有 しています。2009年1月、EDFエネルギーはブリティッシュ・エナジー を買収し、発電所はEDFの所有となっています。2010年10月18日、 英国政府はヘイシャムは次期の原子力発電所に適すると考えられる 8箇所の一つであると発表しました。 ヘイシャムB発電所の建設は国家原子力会社(National Nuclear Corporation)として知られる協会によって実施され、1979年に建設が 開始し、1988年には運転が始まりました。発電容量は1250MWeで、 最低でも2023年までは稼動を続けることが予定されています。 2号機の原子炉設計はトーネス原子力発電所と同様であり、原子 炉設計の開発はヒンクリーポイントB原子力発電所に使われました。 原子炉は国家原子力会社が供給し、タービンはノーザン・エンジニ アリング・インダストリーズが製造しました。 黒鉛減速ガス冷却の設計はウィンズケール実験改良型ガス冷却炉 施設で証明されたもので、旧来のマグノックス炉から大きく進化してい ました。 英国の商用原子炉計画全体で共通の経験知識を持っており、コール ダーホール、チャペルクロス、さらに前のウィンズケールなどに置かれ た初期の動力用およびプルトニウム精製用原子炉(PIPPA)の運転から 獲られた知見に基づいて構築されています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 堤防 以下はトーネス原発の堤防の断面構造図です。堤防は下図のように二段作りとなっています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 下は海側の堤防の前の池田こみちです。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 運転経歴 事故の詳細は健康安全局の原子力施設での事故の四半期ごとの報告書を記したインターネットサイトや原子力認可施設の四半期ごとの検査報告書に公表されています。 クラゲによる取水口の閉塞による停止 2011年6月28日、取水口の大量のクラゲによって冷却用海水の流量が減少したため、両原子炉が手動で停止された。停止は保守的な判断でした。 海草によるドラムスクリーンの閉塞による停止 2006年8月に海草による第一取水口のドラムスクリーンの完全な遮断が発生しました。これによって一定期間の第一冷却水の供給の喪失が発生し、結果として、安全を確保するための炉心海水系への水の供給が失われ、ほかの手段で代用せざるをえなかったのです。 主冷却水が停止した最初の指摘を受けて70分以内に発電所は両方の原子炉の停止で対応し、適切な二次トリップ冷却系が利用されました。これは発電所安全報告で考察されていた事象です。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 下はトーネス原発の温排水の排出口です。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 その先には下の写真のように、釣り人の姿がありました。おそらく温排水の近くでは魚がよく釣れるのかもしれません、 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 計画外の出力異常 2005年12月30日の夜勤中、トーネス2号炉の計画外の出力上昇が起こりました。運用者は事態に対し通常の出力レベルに回復する是正措置を取りました。原子炉と会社は調査し、反応度原則を扱う運転者の訓練が適切であったことを確認しました。 ガス循環器の故障 2002年5月に発生したもの。法科学からはおそらく予想外の疲労によるインペラーの疲労亀裂が悪化したことが原因と考えられています。8月、同原発のもう一方の原子炉のガス循環器が振動の増加の兆候を見せ、運用者によって速やかに停止されました。その後の解体から最初の亀裂と同じ位置にかなり進展した疲労亀裂があることが明らかになりましたが、速やかな停止によって破損が防がれました。 RAFトーネードの近郊への墜落 1999年11月、王立空軍の戦闘攻撃機トーネードがエンジンの故障によって原発から1km以内の距離の北海に墜落しました。英国防省は乗員の2名がトーネードから離脱する前に原発に当たらないことを確保した「条件の悪い中で例外的な飛行技術と意識の高さ」を説明して賞賛しました。 「トーネス原発3」につづきます スコットランド総目次へ* |