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敢然と東九州道の

路線変更に挑む農園主J

〜行政訴訟第10準備書面〜

掲載日:2008年7月17日

独立系メディア E-wave Tokyo

青山貞一:敢然と東九州道の路線変更に挑む農園主
@道路局は現代の「関東軍」か H土地を売らないの仮処分を提起
A民営化で進む高速道 I現地住民集会開催
B地場産業と環境を破壊する高速道 J行訴第10準備書面
C代替ルートの政策提案 Kルート変更求め集会
D総事業費の比較 東九州道、事業認定事前差止訴訟提起
E岡本氏と櫻井よし子氏 L事業認定差止訴状
F国会で大いに議論を! M第一準備書面全文
G欺瞞に満ちた道路特定財源案 N国土交通省ヒヤリング
H土地を売らないの仮処分を提起 O国土交通省との直接交渉

平成18年(行ウ)第51号 東九州自動車道事業計画認可取消請求事件
原告 岡本榮一
被告 国(行政庁 国土交通大臣)

準備書面(10)

平成20年7月17日

福岡地方裁判所民事第1部 御中

           原告訴訟代理人 弁護士 海 渡 雄 一
                        同   只 野   靖

第1 請求の趣旨の変更

1 原告は、請求の趣旨第1項を次のとおり変更する。

 国土交通大臣が、訴外西日本高速道路株式会社に対し、平成18年3月31日に行った道路整備特別措置法第3条に基づく許可及び平成20年3月31日に行った高速道路株式会社法第10条に基づく事業計画の認可のうち、高速自動車国道東九州自動車道(福岡県築上郡大字上ノ河内から大分県宇佐市大字山本まで)に関する部分を、いずれも取消す。

2 変更の理由

 原告が取消を求めていた処分のうち、高速道路株式会社法に基づく事業計画の認可については、対象となる期間が、事業年度毎となっているため、変更前に対象としていた認可については、すでにその効果が存しなくなっているものの、国土交通大臣は、東九州自動車道の本件で問題としている対象区間につき、平成20年3月31日、平成19年度に引き続き平成20年度の事業として、前年と全く同様の事業計画を認可した(甲23号証)。

 よって、前項のとおり訴えを変更する。

第2 原告適格についての主張の整理及び補充

1 本件事業計画をめぐる現状

 本件東九州自動車道の路線位置は、およそ100m幅の道路区域として地図上にも記載があり、すでに現地では杭打ちをされている箇所がある。

 原告岡本栄一は、この路線のど真ん中に12ヘクタールもの農園を持ち、この道路の必要性が低いこと、他の路線を選択した場合の費用節約効果について、永年にわたって地域住民の先頭に立って議論を提起してきた。

原告は、従前から現在の計画ルートの代替案を示しており(甲9原告陳述書、「山裾ルート」という)、原告が今回あらためて行った試算では、その事業費は約541億円で足りる。現在の計画に要する事業費は約1030億円と言われているから(ただし実際にはさらに増大するはずであるが、ここではひとまず措く)、総額53%の事業費で、同じ目的を達成することができるのである(甲24号証、本書面末尾にも添付する)。

 原告が本件訴訟を通じて行っている主張は、単なる高速道路反対論ではない。合理的な代替案を示した上で、事業目的を達成するために、どちらがより適切な計画であるかを、きちんと判断して欲しいということである。

 こうした原告の努力もあって、徐々に東九州自動車道の建設とその路線計画の問題が注目されはじめ、いわゆるガソリン国会においては、非常にホットな国政の議論の対象ともされた(甲25号証、甲26号証)。東九州自動車道の問題は、いまや一地方の話題ではなく全国版の新聞記事の論評の対象ともされており(甲27号証朝日新聞記事)、その事業の公益性が厳しく問われているのである。

2 本件訴えの対象

 本件訴訟において、原告が取り消しを求める対象となる処分は、国土交通大臣が、高速自動車国道東九州自動車道(福岡県築上郡大字上ノ河内から大分県宇佐市大字山本まで)について、訴外西日本高速道路株式会社に対して行った次の2つの処分となった。
(1) 平成18年3月31日に行った道路整備特別措置法第3条に基づく事業許可(「本件事業許可」)
(2) 平成20年3月31日に行った高速道路株式会社法第10条に基づく事業計画の認可(「本件認可」)
 原告には、これらの処分について取り消しを求める訴えの利益があり、また原告適格(行政事件訴訟法9条)がある。

3 被告の本案前の抗弁

(1) 本件において、被告が訴えの却下を求めている理由の内、原告適格に関する主張は、本件計画が事業認定の段階にまで進んだ段階で、原告に訴えの原告適格があることについては判例上も争いがなく、また、本件認可は西日本高速道路株式会社の本件事業計画に対するものであって、原告は名宛人ではない(答弁書8頁)との主張にも意味がない。

(2) 被告の主張の中で、本件認可は、本件事業計画の中に概念上含まれる個別の事業が経由する路線上に存する土地の所有権等の権利を侵害するなどの効果をもたらすものではない(答弁書8頁)、本件事業許可は、国土交通大臣が西日本高速道路株式会社に対し、本件区間に関する高速自動車国道の新設を有料道路事業として行うことの適正を認めて、これを許可したものであり、対象事業が経由する路線上に存する土地の所有権等の権利を侵害するなどの効果をもたらすものではない(平成19年3月15日付被告第1準備書面5,6頁)、本件区間に関する高速自動車国道の整備事業に関しては、いまだ当該路線を確定させる効果のある処分はなされておらず、およそ道路線上に土地を有するなどの理由によって自己の権利利益を侵害され又は侵害されるおそれが生じる者自体が存在しない、したがって、改正後の行政事件訴訟法9条2項等の趣旨等は、本件では関係がない(被告第1準備書面7貢、10頁)などの主張がなされているが、これらの主張は処分性、成熟性の問題であり、訴えの利益に関する主張である。

(3) 平成18年3月31日に行われた本件認可は、平成18年度の単年度の事業計画について判断したものであり、本件認可は既にその効果が存在しなくなっており、訴えの利益がない(平成19年5月16日付被告第2準備書面)との主張は、同一内容で計画が認可されており、原告が訴えを変更したことにより、被告の主張には理由がない。

(4) 道路整備特別措置法及び高速道路株式会社法の趣旨や目的は、事業遂行に際して個人が土地に対して有する所有権等の権利を保護することではなく、有料道路事業等の適正の担保にある、したがって、行政事件訴訟法9条2項の規定の趣旨を勘案したとしても、土地所有権等に係る個人の利益が問題となる余地はない(被告第1準備書面8,9頁)、土地所有権の直接の侵害は、土地収用法に基づく収用又は使用の裁決によってなされるのであり、その際、用地取得の進捗状況は事業の認定や収用又は使用の裁決において勘案事項にはなっていない(被告第1準備書面10頁)、などの主張がなされているが、これらの主張には、訴えの利益に関する主張と原告適格に関する主張が混在しているように思われる。

4 本件については土地収用法上の事業認定がなされることは必至の状況である

(1) 計画道路地が、原告の所有地を貫くことについて
 本件においては、計画道路地が原告が所有する土地、経営するミカン農園を貫くことが明らかにされている。それは、ほかならぬ訴外西日本高速道路株式会社が行った本件事業許可を求める申請書の添付書類中の地図にも、「岡本農場」の記載があることからも明らかであり(乙5の1の5頁)、被告もこの事実について全く争っていない。そして、現に、原告所有地と隣地所有者との境界部分には、現場にはそのことを示す杭も打たれている(甲28号証写真撮影報告書写真D〜S)。

(2) 原告には任意買収に応ずる意思はない

 そして、原告にはこの事業計画に協力して、原告らの所有地を任意に売却する意思は全くないから、本件計画を進めるためには、被告は土地収用法による事業認定を得、収用裁決を得る以外に計画を進めることはできない。したがって、本件計画を進行するためには、任意買収を進めた上で、近い将来に事業認定の手続きに進むこととなる。

(3) 事業認定がなされた後にしか、行政訴訟が提起できないとすると、本件ルートと代替案の公正・平等な司法的評価の機会は失われる

 しかし、事業認定の申請までに、本件ルート上の土地の買収がある程度進められてしまった場合、本件ルートについては、既に相当の費用が投じられ、沿線の買収が進んだ状況を前提として、土地収用の事業認定の適否を争わざるを得なくなるのである。この場合には圧倒的な既成事実を積み重ねられた上で、本件ルートと原告の提案している代替案(山裾ルート)とは、その後に投じなければならないコストについて比較対照されることとなるのであるから、両者が平等な提案としてコスト的に比較することができなくなってしまうことはあきらかである。

5 本件計画の特定性は明確である。

(1) 本件認可および本件事業許可により、高速自動車国道東九州自動車道(福岡県築上郡大字上ノ河内から大分県宇佐市大字山本まで)の経路は特定され、現地においては既にピンポイントで杭が打たれ、測量までが開始されており、そしてその事業が実施された場合に原告の権利利益が侵害されるに至ることは極めて明確である。

(2) 本件認可および本件事業許可において、高速自動車国道東九州自動車道(福岡県築上郡大字上ノ河内から大分県宇佐市大字山本まで)の経路は特定されており、現に原告所有地が対象となっていることは明らかである。原告代理人らが、2008年6月に実施した現地調査によれば、本件道路予定地については、既に現地にさまざまな杭が打たれ、買収交渉の準備のために、土地権利者の立ち会いの下で測量が大規模に実施されている。

(3) まず、本件事業許可がなされるまでの手順について確認していく。本件事業許可(乙2号証)の判断に際して、許可を得る事業内容について西日本高速道路株式会社が申請した書類が乙3号証の1である。この申請は、次のような手順で作成されている。

ア 本件で対象となる区間について、まず、おおまかなルートが決まる(乙5号証の4)

イ ルートが決まると、その後、当該ルート上に道路を建設するための具体的な位置を決める(乙5号証の1)。乙5号証の1の5枚目には、「岡本農園」すなわち原告の所有するみかん畑の緩斜面が大きくえぐられる道
路位置が極めて詳細に記載されている(右面の中央に「岡本農園」の文字が見える)。

ウ 道路位置が決まるということは、すなわち、道路の構造が決まるということである。すなわち、盛土上に建設するのか、トンネルを掘るのか、あるいは高架を建設するのかが同時に決定される(乙5号証の2,3)

エ これらを決めることにより、具体的な工事の内容が決まる(乙4号証)。ここには、橋又は高架橋を32か所建設すること、トンネルを6か所設置することなどが具体的な延長距離とともに記載されている(同2頁)。また、設計速度を設定して、そのために必要な幅員や最小緩和区間、最小視距などが具体的に検討されている(同3頁から6頁)。さらに、これらの工事を行うために、工事予算の細目が検討され、これを積算することにより工事費を算出し(同10頁)、あるいは用地費、補償費を具体的に検討して、これらの総額を導き出している(同11頁。なお、みかん畑等の収穫樹の補償単価についても具体的に想定されているが、原告には明らかにされていない)。 これらの作業を行うことによって、西日本高速道路株式会社は総額1029億5400万円という工事予算を算出しているのである(同9頁)。

オ 他方、これらの工事予算で導いた金員を想定して、道路事業として適正な収支を導くために、通行料金の額およびその徴収期間が決められる(乙3号証の4)。まず、料金の額については、本件の対象区間については、対距離制を適用して料金の額が決められ(同2頁)、これに各種の割引きの適用が検討されている(同21頁以下)。そして、そこで決められた金額について、「平成62年8月15日まで」徴収する計画となっている(同28頁)。

カ これらの検討結果をもとに、会社の収支予算を想定し(乙3号証の3)、有料事業として建設、管理する事業内容を確定させるのである(乙3号証の1)。

 被告も明らかにしているように、高速自動車国道の新設は、高遠自動車国道法に基づき「基本計画」の決定、「整備計画」を経て、有料道路制度における事業許可がなされる。このうち、整備計画の段階においては、いまだ具体的なルートが決まっているわけではなく、建設される路線が経由する市町村名等が確定されるだけである(高速自動車国道法5条)。したがって、本件路線においては、本件事業許可によってはじめて、高速道路事業の対象となる土地が特定されたのである。

(4) さらに、被告においては、これらの有料道路事業に加え、高速道路の新設等に関する事業の実施方法、事業量および所要資金の額を算出し、当該年度の事業計画を策定し、毎年、国土交通大臣の認可を受けているのである。したがって、ルートが変わってしまえば、対象地の地形が変わるため、道路の構造も仕様も代わり、当然、想定する用地費や補償費も大幅に変わる。そうすると、工事予算が大幅にかわり、有料道路としての道路料金や徴収期間にも影響がでてくるのである。

したがって、本件事業計画で決定されている計画は、既にピンポイントで道路事業のために必要な土地の範囲を確定できるまでに成熟しているのであり、この計画に基づいて同会社による土地測量と境界確定、任意買収交渉が始められているのである。このように、本件道路の具体的なルートは、本件事業許可によって、はじめて確定されたものであり、本件事業計画は青写真などと呼ばれるような抽象的な段階のものではなく、極めて具体的で現実的な内容となっている。

被告は、事業許可では、有料道路事業等の適正が判断されるだけであり、対象地の所有者などとの権利調整は、土地収用法の手続に委ねられるべきと主張しているが(被告第1準備書面8頁)、土地収用法に基づく事業認定や裁決の手続に至らなければ、これを行政訴訟で争うことができないとした場合、極めて不当な結果となる。次に詳述する。
 
6 土地収用法に基づく事業認定や収用裁決がなければ、取消訴訟を提起できないとすると極めて不当な結果を招くこと

(1) 原告は、本件土地の収用のための事業認定や収用裁決がなされる段階においては、相当程度任意買収が完了してしまっており、そのこと自体が収用や裁決の適法性の判断に影響を与えると主張した(原告準備書面(2)5頁)。

(2) これに対して、被告は、次のように反論している。
「土地収用法に基づく収用又は使用の裁決がなされるためには、同法20条の事業の認定を受けることが必要であるが、当該認定の基準は、同条各号に掲げられているとおり、収用対象となる事業が、同法3条各号の一に掲げるもの(公共の利益となる事業)に関するものであること(同法20条1項)、土地を収用し、又は使用する公益上の必要があるものであること(同条4号)等とされており、原告の主張する用地取得の進捗状況は認定基準には含まれておらず、認定に関する処分がこれ以外の基準に従って行われるものでもない。」「裁決の段階においても、用地取得の進ちょく状況は勘案事項とされていない。」(被告第1準備書面10頁)。

(3) しかし、このような被告の主張は明らかな誤りである。土地収用法に基づく土地の収用、使用に対する事業認定の際に、用地取得が認定までにどれだけ進ちょくしているかという状況は、大きな影響を与える。

  土地収用法に基づき、土地が収用あるいは使用される場合は、当該事業につき、同法20条に基づく事業認定を受けなければならない。同法20条は次の4要件を掲げる。

@ 事業が法3条各号の一に掲げるもの(収用適格事業)に関するものであること
A 企業者が当該事業を遂行する充分な意思と能力を有するものであること
B 事業計画が土地の適正且つ合理的な利用に寄与するものであること
C 土地を利用し又は使用する公益上の必要があるものであること

  既に事業地の一部が任意で取得されているか否かが影響するのは、BおよびCの要件である。Bにつき、「適正且つ合理的な利用」とは、「当該土地(起業地)がその事業の用に供されることによって得られるべき公共の利益」と「当該土地がその事業の用に、供されることによって失われる私的ないし公共の利益を比較衡量し、前者が後者を優越すると認められることをいう、と判例上解釈されており(いわゆる日光太郎杉事件に関する宇都宮地判昭44年4月9日行集20巻4号373頁など)、事業認定庁における認定実務においても同様の解釈が採用されている(小澤道一(元建設大臣官房審議官)『要説土地収用法』52頁)。

  そして、「得られるべき公共の利益」「失われる私的利益」「失われる公共の利益」には、比較困難な様々な利益が含まれることから、処分の前提として、事業認定庁が行う利益の比較衡量においては、「実務上、起業者提示の代替案等に基づき代替案の検討が行われるのが通例」であり(前掲小澤52頁)、現実には、特定の事業を行うことにつき、事業者が選定した特定の場所が、他の場所と比較して相対的に適切か否かが判断されることになる。

 さらに、Cの要件の解釈においても、収用又は使用という取得手段をとることの必要性を検討することになるため、収用又は使用を避けるために国公有地を活用する別案がないか否かが検討されることになる(前掲小澤63頁)。

  したがって、既に事業地内の多くの土地について任意買収が済み、公有地等となっている事業案と、そうでない対案があった場合に、前者の案が適切であるとの判断が行われる可能性が高い。土地収用事案においては、このような判断経過を得るという実態を踏まえて、原告は、任意買収の事業認定までの進ちょく状況が収用・裁決の判断に影響を与えるのは「公知の事実」であると主張したのである(原告準備書面(2)5頁)。

(4) 建設省建設経済局総務課土地収用管理室が監修した『新事業認定申請マニュアル改訂版(道路事業・河川事業・都市計画事業関連編)』(ケイブン出版・2000年6月)には、事業認定申請書には、「事業の認定を申請する理由」欄に、「B事業認定の申請に至った用地交渉の概要(所有者関係人等の概数と用地取得面積及び進捗率及び交渉開始年月を記載すること。)。」を記載することや(同書75頁)、起案地内に存する主な支障物件の種類及び数量について、「事業開始のときにあった物件を記載し、事業認定の申請時点において既に移転、除却が完了しているものに,ついては、その旨を記載することが望ましい。」(同書92頁)、「必要面積及び土地所有者・関係人数とそれらに対する取得率」「土地所有者等との交渉状況」について、一覧できる資料を作成して添付することなどを指導している(同書479頁、496頁)。

その上で、事業認定の申請に添付する事業計画書の記載においては、上記Bの要件を明らかにするために、「他の場所を選定せず、なぜこの場所にしたかという理由を、代替案の比較等により具体的に記載し、起業地の特定性を明らかにすること。」「この際考慮すべき基本的ポイントとしては次のようなものがあげられる。(1)社会的条件@潰地面積の多少A支障となる物件の多少」などと明記されている(同書94,95頁)。

(5) 以上の説明に加え、この『マニュアル』には、事業認定申請書や事業計画書の作成事例が数多く掲載されており、その事例の中の記述には、例えば次のような記載がある。
「これらの事業に必要な土地の面積は131.040u、土地所有者及び関係者は170名であつて、昭和58年から用地取得の協議を開始し、平成6年7月現在で約87%の用地取得を完了しているものである。起業者としては、今後とも誠意をもって用地取得の協議を重ね、円満に解決するよう努めるものであるが、今後任意による解決が困難な場合には、速やかに収用委員会の裁決を求められるよう、あらかじめ事業の認定を受け、事業の円滑な進捗を図ろうとするものである。」(同書155頁)

(6) さらに、同書では、事業認定を行う際、起業地の一部の区間について用地取得等が全て完了している場合は、事業認定申請単位を縮小させ、申請事務を簡素化することを推奨している(同書62頁)。これは、収用の対象となる土地以外の部分がすでに任意で買収されている場合と、そうでない場合で、手続自体が大きく変わることを意味している。

(7) 以上見てきたように、土地収用法に基づく土地の収用、使用に対する事業認定の際に、既に用地取得の進ちょく状況は、大きな影響を与えている。特定の起業地内の多くの部分が、事業認可の段階において既に任意買収されているとしたら、そのこと自体が当該事業の適正、適法性を基礎付ける事情になるのであり、起業者は当然そのことを理解しているため、収用のための事業認可の申請のはるか前から、事業予定地の買収を行うよう努力するのである。

(8) 本件においては、現状では任意買収は開始されていない。しかし、今秋にも任意買収に取りかかるとして、既に道路予定地の測量が大規模に実施されている。そして、測量に立ち会った土地所有権者には日当を支払うなどの、買収の事前工作が既に開始されているのである(甲29号証)。このような対応は、原告の提起した山裾ルートの提案が、国会や全国のマスメディアに取り上げられたことに驚愕した事業者が、早期に買収に取りかかり、本件ルートと山裾ルートとを、純粋に経済的に比較し、その適否をフラットに判断できる環境を破壊し、本件ルートを進めるしかない既成事実を積み重ねようとしているものと言わざるを得ない。したがって、道路整備特別措置法に基づく事業許可や高速道路株式会社法に基づく事業計画の認可の適法性を争うことが許されず、土地収用法に基づく事業認定あるいは収用裁決を待ってでなければ、自らの権利が収奪されることの適法性を争えないとすれば、いきなり周回遅れの場所からスタートしろというようなものであり、著しく不合理かつ不利益な結果となることが明らかである。
 
7 都市計画段階での計画取消訴訟を認めるべきこと

(1) はじめに

 事業計画と計画の現段階における進捗度は、本件事業計画は単純な「計画」=「青写真」ではなく、はっきりと場所と構造の確定した、特定性のある計画となっており、会社はこの計画に基づいてルート上の土地の買収を始めようとしていることが明らかである。

(2) 判例の流れ

 判決例では青写真判決(最大判昭和41年2月23日)以来、都市計画段階での取消訴訟については許容性を否定したものばかりが続いてきたのは事実である。

しかしながら、法的拘束力のある行政計画とりわけ具体的な事業計画等は、関係者の将来の権利関係を実質的に決定づける。これを放置しておくと計画を基盤として既成事実が積み重ねられ、後の処分を争おうとしても、これらの既成事実を覆すことは著しく困難であり、実質的に救済の機会を逸することになる。

 計画が公示されただけで、実際には土地の利用の制限などが始まっており、後で争おうとしても、たとえば道路のルートの変更などは、土地の買収が済んだ後では違法判断は著しく困難となる。これまでの行政訴訟法理論は、既成事実の積み重ねに司法が敗退してきた歴史であると総括できる。
 よって、事業計画の違法性が疑われる場合、とりわけ計画案と代替案と適否が争点とされる場合には、既成事実の積み重ねによる利害関係の変更を許さず、直接買収以前の段階で、計画そのものについての争訟を許し、段階的に疑義の解消を図った上で事業を進めることこそが、行政の適正な運営を司法の立場から促す行政訴訟制度の制度趣旨からも適切である。

(3) 最近の処分性を認めた判決
 近年の判決は、こうした点を配慮し、具体性のある事業計画等にはできるだけ処分性を認めて取消訴訟の提起を許容するようになっている。
 事業計画の段階で原告適格を認めた最高裁判所判決として、以下の3つが挙げられる。

ア 土地区画整理組合の設立認可処分の無効確認訴訟について原告適格を認めたものとして、最判昭和60年12月17日民集39巻8号1821頁がある。本判決は、「土地区画整理組合の事業施行地区内の宅地の所有者は、右事業施行に伴う処分を受けるおそれのあるときは、同組合の設立認可処分の無効確認訴訟につき原告適格を有する」と判示した。

イ 都市再開発法に基づく事業計画決定に対する取消訴訟について原告適格を認めたものとして、最判平成4年11月26日民集46巻8号2658頁がある。本判決は、都道府県知事がする設計の概要の認可をもって土地収用法二〇条の規定による事業の認定に代えるものとするとともに、再開発事業計画の決定の公告をもって同法二六条一項の規定による事業の認定の告示とみなすものとしている(都市再開発法六条四項、同法施行令一条の六、都市計画法七〇条一項)ことに着目し、再開発事業計画の決定は、その公告の日から、土地収用法上の事業の認定と同一の法律効果を生ずるものであるから(同法二六条四項)、「公告された再開発事業計画の決定は、施行地区内の土地の所有者等の法的地位に直接的な影響を及ぼすものであって、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると解するのが相当である」と判示している。

ウ 最判平成11年11月25日は、都市計画法事業認可処分等の取消訴訟につき、事業地周辺地域の居住者の原告適格を否定したものであるが、事業用地そのものの住民については原告適格を認めている。

 これらの判決から、計画段階で土地の利用・処分などにどれだけ実質的な影響が及んでいるかを重視して、処分性・原告適格を肯定する傾向を見て取ることができる。

 本件計画についても、土地収用法上の事業認定と同様の効果こそ付与されていないものの、実際にはこの計画を元に現地の杭打ちと買収のための測量が実施されているのであり、行政訴訟の対象としての成熟性を十分に備えているものと評価できる。

8 行政事件訴訟法9条2項の規定の趣旨から、特定された経路上およびその周辺に土地所有権等を有する者は、本件認可および本件事業許可の取り消しを求めるにつき、法律上の利益を有すること

(1) 行政事件訴訟法9条2項が新設されたのは、従前の裁判例の柔軟な判断を前提としながら、なお原告適格を拡大する趣旨であることについては、既に、各種の専門家の見解や、法改正後の最高裁の判断を引用して主張を行ったとおりであり(原告準備書面(4)2頁以下)、さらに、同項が指摘する関係法規とじての環境影響評価法の位置付けや、その趣旨についても具体的に説明を加えている(同7,8頁)。

(2) 国会の審議過程においては、行政事件訴訟法9条2項が新設されたことにより、
新たに、@風俗営業法の規制により周辺住民は風俗営業事業者からの騒音、振動等から保護されることを個別的利益として保護されていると解する余地が生じたこと、A公有水面埋立法や都市計画法等についても、環境影響評価法の規定を「当該法令と目的を共通にする関係法令」と解することにより、各種事業による環境の悪化による影響を受けるものについても原告適格を肯定する余地が生じたこと
等の認識が示されている(山崎潮政府参考人の答弁。第159国会衆議院法務委員会議事録第21号及び22号等)。

(3) 最高裁が鉄道利用者の原告適格を否定した近鉄特急事件(最判平元・4・13裁判集民156・449。特急料金の値上げ認可に対して、鉄道利用者が取消を求めた事件)を念頭において、衆議院の参考人質疑では、検討会の座長であつた塩野宏教授が、通勤に必要な定期券を購入する者の利益等については法令解釈において配慮される余地があることを示唆する発言を行っており(同衆議院法務委員会議事録第23号)、加えて、検討会のメンバーであった法務省の深山卓也氏も、定期券購入者に原告適格が肯定する余地があることを示唆する発言を行っている(「新行政事件訴訟法の解釈」判夕1147一22。以上の指摘につき『改正行政事件訴訟法』小早川光郎・高橋慈編集)。

本来、値上げ認可の根拠となった旧地方鉄道法の目的は、鉄道利用者個々人の権利保護にあるのではなく、適正な料金設定を行うことにより、公共交通機関としての事業の適正を担保しようとすることにある。にもかかわらず、法改正により、このような解釈が出てくるのは、行政事件訴訟法9条2項の、「当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案する」との文言をよりどころに、処分や裁決が違法になされた場合に、現実に不利益を被るものは誰であり、それがどんな不利益であるかを実質的に判断して、争うに相応しい者を訴訟の当事者たらしめようとの配慮があることが窺える。

(4) 本件事業許可および本件認可が適法になされなかった場合に、それによって不利益を被るのは、本件事業認可や本件認可がなければ権利を奪われることがない対象事業地の地権者たる原告らである。本件事業許可や本件認可の適法性について、最も争うのに相応しいのが原告ら地権者である。原告に、本件事業許可および本件認可について、取消しを求める原告適格が存することは明らかである。

9 原告らには少なくとも事業認定の差止の訴訟を提起する資格がある

なお、原告は、現在差し迫っている土地収用法の事業認定に進む前に、「国は、被告に対して、本件事業計画について、土地収用法に基づく事業認定をしてはならない」旨の行政訴訟(差し止め請求)を提起することを検討しているので、この点について付言する。

(1) 平成16年改正による差し止め訴訟の法定

差し止め請求訴訟は、平成16年行政事件訴訟法改正において、はじめて明文で法定された訴訟類型である。行政事件訴訟法第3条7項は、「この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。」と定義している。

 平成16年改正では都市計画段階での訴えの利益について、議論が提起されながら立法的な手当はなされなかった。その理由として差し止め訴訟の新設によって、計画が次のステップに進むことを抑制することで、計画段階での取消訴訟を認めたことと同様の法的な効果を期待したものと説明されている。

(2) 差し止め訴訟の本案前、本案要件

 同法第37条の4は差止めの訴えの要件として、「1 差止めの訴えは、一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合に限り、提起することができる。ただし、その損害を避けるため他に適当な方法があるときは、この限りでない。

2 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分又は裁決の内容及び性質をも勘案するものとする。

3 差止めの訴えは、行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを 求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。

4 前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する。

5 差止めの訴えが第一項及び第三項に規定する要件に該当する場合において、その差止めの訴えに係る処分又は裁決につき、行政庁がその処分若しくは裁決をすべきでないことがその処分若しくは裁決の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分若しくは裁決をすることがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずる判決をする。」と定めている。 

 同条の内容を分析すれば、差し止め訴訟の本案前の要件は、
ア 対象行為の特定性、蓋然性
イ 損害の重大性
ウ 他に方法がないこと
エ 原告適格
であり、本案要件は、
オ 行政庁がそのような処分もしくは裁決をすべきでないことが、根拠法令の規定から明らかに認められること又は裁量権の範囲を超えもしくはその濫用となること
と理解される。
 
(3) 本件に即した検討

 本件に即して、差し止め訴訟の提起が可能であるかどうか、上記の本案前の要件が具備されているかどうかを検討すると、

ア 本件事業計画に基づく事業認定として明確に特定され、原告が本件土地を売却しない意思を表明している以上、近い将来に事業認定に至ることは必至であり、蓋然性があることも疑いがない。

イ 原告は、このような計画を強行され、事業認定、土地収用裁決へと手続きを進行された場合、自らの所有する土地、それも原告が営々として築き上げた日本一のミカン農園のど真ん中に道路を通されることとなり、原告の営むみかん農園事業全体が遂行不可能となってしまうことが明らかである。

そして、原告は本件ルートに対して代替案を提示して、運動を継続してきたが、このまま任意買収がすすめられ、その既成事実の積み重ねの上に立って事業認定がなされた場合、原告の提案している山裾ルートを採用しても、既に投じられた土地の買収コストを考慮すると、山裾ルートの経済的な優位が揺るがされ、また行政の計画的な遂行の観点からも別ルートを採用するとの司法判断は著しく困難とされてしまう。したがって、原告には「重大な損害を生ずるおそれがある」ことは明らかである。

ウ 仮に本件訴訟において原告の訴えの利益、原告適格が万一認められず、原告の取消訴訟の提起が認められないとすれば、原告の提起した買収行為の事前差し止めの民事訴訟・仮処分も認められなかったことからしても、「その損害を避けるため他に適当な方法が」ないと言わなければならない。そのような場合には、本件においては原告の被る損害は極めて重大であり、差し止め訴訟を認める以外に他に適当な方法がないといえる。

エ 原告は計画道路の路線内に土地を所有する者であり、土地収用法上の事業認定、収用裁決について原告適格を有することについては、判例理論の上においても争いがなく、原告が本件差し止め訴訟について原告適格を有することは明らかである。

オ そして、原告の提案する山裾ルートを採用すれば、現在のルートを採用するよりも、遙かに安価な費用をもって、同じ目的を達成することができるのであるから、現在のルートを採用すること、すなわち、原告の所有地を最終的には強制的に収用することは、裁量権を明らかに逸脱し濫用となるべきものであることも、また明らかである。

(4) 以上の次第であり、原告としては上記のような訴訟を道路計画の内外の地域住民に呼びかけ、近日中に提訴し、本訴との併合審理を求めたいと考えている。道路計画が、計画段階ではなく、杭打ち、測量、買収交渉の段階に入った、本件道路事業において、路線内に土地を所有する原告が、本件道路の必要性と代替案との適否について司法判断を受けることができることは、条理上も明らかである。本件道路の必要性とルート選定の合理性については、今や全国民注視の社会問題となっているのであり、このような司法審査の機会を否定するときは司法機関の自殺行為であるとして、強い社会的な非難の対象とされるであろう。裁判所におかれては、原告が近日中に準備している、差し止め訴訟と本件訴訟とを併合審理し、実体審理に入るべきである。


第3 原告が提案する山裾ルートの合理性と現実性について

1 はじめに

 原告は、従前から、現行ルートの代替案としての山裾ルート(2車線)を提案してきた。原告が提案してきた山裾ルートは、甲9号証原告陳述書添付の資料3の緑色のルートであり、本書面末尾にも添付する。
  以下、現行ルートと山裾ルートを比較して、山裾ルートの優位性を述べる。

2 山裾ルートの内容とその優位性

 原告が提案する山裾ルートは、豊前平野の山裾に沿ったルートである。被告の工事計画書(乙4号証)に対応させた形で、山裾ルートの概要を作成したものが甲30号証である。山裾ルートに橋やトンネルはあるが、高い山や深い峡谷ではない。工費は、現行ルートの場合約684億円かかるとされているが、山裾ルートでは約413億円ですみ、約271億円も安価である。用地及び補償費は約53億円ですむので、現行ルート(188億円)よりも、約135億円も安価である。総額ベースでも、541億円であり、現行ルート(1030億円)の53%ですむ。 
 
3 現行ルートとその問題点

 現行ルートは、甲9号証原告陳述書添付の資料3(本書面末尾にも添付)の赤色のルートである。そのルートは、椎田バイパスから分かれて南下し、原告のミカン山の真ん中を通った後、豊前平野を縦断して大分県への県境に出ている。
豊前平野を縦断する部分は、高さ8m幅77mの巨大な万里の長城のような盛土道路となる(それを図示したものとして乙5の3の2枚目)。このような盛土道路が建設されることにより、その左右において土地は分断されてしまい、連続的な利用は不可能となる。また、用地費及び補償費の合計が約188億円とされているのは(甲24号証)、平野部を通るルートであることが原因である。また、すでに供用されている椎田道路についても、椎田南インターから御越掛までの間を転用していないため、その分費用が増加する。
また、現行ルートの工事計画書には文化財発掘調査費として89億円も計上されている。

4 現行ルートの費用はさらに増加する

ところで、現行ルートは1030億円とされているが、その中には、以下に指摘する費用が入っておらず、実際には、さらに工費がふくらむ可能性が高い。
(1) 当局ルートの工事計画書の中に債務引き受け限度額として1235.63億円との記載がある。この債務引き受け限度額とは高速道路債務返済機構が西日本高速道路株式会社に債務保証したものである。この1235.63億円は公表されている1029.53億円の事業費よりも206.1億円も多い。この206.1億円の使途としては、一般管理費60.53億円、利息135.74億円、消費税50.21億円と記載されている。

この点について、原告が訴外西日本高速道路株式会社に「本当に1235.63億円使うのか」と聞いてみたところ、同会社は「全部使う」「足らなければもっと借りる」と述べた。以上からして、現行ルートの真実の事業費は1235.63億円であると言える。

(2) 地元負担について
西日本高速道路株式会社の本体工事とは別に、地元自治体による付帯工事が発生する。
@ 現行ルートの豊前インターや中津インターにはアクセス道路が必要であり、豊前インターは1.4キロメートル、中津インターは2.9キロメートル、国道10号線へのアクセス道路が必要となる。そのために約105億円くらいかかる。これらの費用は、1030億円には入っていない。これに対して、山すそルートのインターは、それぞれ国道に直結しているのでアクセス道路の必要はない。この点でも経済的である。

A また、平野を通る現行ルートは側道の新設、道路水路付け替え工事も多くなりインターチェンジ、パーキングエリアの負担工事もある。これらを少なく見積もっても、現行ルートは80億円以上の負担増となる。

(3) 小括

以上の経費を加えると、現行ルートは1420億円に費用が増加する。
なお、現行ルートは現在暫定2車線の工事であるが、いずれ4車線化の工事が予定されている。その場合、高コストの高架橋やトンネルをもう1列作らなければならず、事業費はさらに600億円の追加となり、暫定事業費と合わせると2000億円を超してしまう。

5 工事概算書と単価表の提出を強く求める

現行ルートの工事計画(乙4号証)には、平野ルートでは欠かせない遮音壁や準備工事費がまったく計上されていない。トンネル費についても疑問がある。

原告は、かかる点を明らかにすべく、被告に対して「概算工事費計画書」の開示を求めてきたが(甲5号証)、現在に至る開示されていない(甲5号証、被告第4準備書面7頁)。

しかしながら、現行ルートと山裾ルートの比較するためには、各単価を含む現行ルートの詳細な工事費が明らかにされなければならないし、また、それを明らかにすることに何の不利益も支障もないはずである。

原告は、あらためて、被告に対して、「5計画路線図」(甲第2号証)に係る概算工事費計画書(単価表を含む)の提出を求める。