新刊紹介・書評 
 
独立系メディア E-wave Tokyo Book Review 
  事務局に一冊ご寄贈いただければ、ご新刊紹介あるいは書評を致します。
   152−0033 
東京都目黒区大岡山1−31−9−401 環境総合研究所気付 青山貞一
 
                                      
クリントン・キャッシュ
ピーター・シュヴァイツァー著 日本語版監修 あえば直道

 本書は、アメリカでは2015年5月に発行された。著者のピーター・シュバイツァー氏は米国のベストセラー作家だが、J.W.ブッシュ大統領のスピーチライターを務めるなど政界に深く関与し、これまでも著書『Throw Them All Out』や『Extortion』の中で、ワシントンの政治家の金と権力にまつわる裏の実態を鋭く暴くドキュメンタリーを発表し注目されてきた人物である。

 その彼が、今回の大統領選のさなか、2015年5月に発表した『Clinton Cash』は、全米を揺るがす大ヒットとなり大メディアがこぞって取り上げ、著名な学者、評論家などが高く評価した。トランプ氏が選挙戦終盤のディベイトで「ヒラリーは拘置所に行くことになる」などと強気の発言をした背景にはこの本があったことは間違いない。

  もちろん、発表当初からクリントン陣営は「でっち上げ」として非難したが、未だに法的手続きも取っていないことからして、シュヴァイツァー氏とその調査チームの綿密な裏付けが、提訴を阻んでいるのだろうとの見方が専らである。 本の出版に引き続き、映画も発表され、YouTubeで見ることが出来る。また、今年に入ってからは漫画本も発売され、今やトランプ陣営だけでなく、全米がクリントン夫妻にまつわるお金の問題に注目しているといっても過言ではない。

  さて、本書の日本語版が発売されたのは2016年2月のことである。監修に当たられたあえば氏は、シュヴァイツァー氏の発表済みの著作の内容、評価、などを見極めて日本語版の出版を決めた、と出版に至る経緯を話されていたが、まさに日本でも主要なメディアこそが本書の内容を取り上げ報道するに値する内容だったと思う。アメリカではAmazonで何ヶ月も売り上げ第一位、書評コメント数も膨大な数に上っていたという。

  しかし、日本のメディアでは英語版発表以降、現在に至るまでほとんどまともに取り上げられず、話題にもなっていなかった。そればかりか、各メディアともクリントンの圧勝を予測し、トランプ氏の暴言や詭弁にばかりスポットを当てるというお粗末な米大統領選挙報道に終始した。

書評は以下です!

書評  評者:池田こみち


◆日本が”核のゴミ捨て場”になる日
   沢田 嵐著  旬報社  1600円

もくじ

はじめに
 「事件」は琵琶湖で起きた
 「事件」や「震災がれき広域処理」の底流で
 愛知県、半年で受け入れ断念
 環境省のプロパガンダ
 がれき総量の見直し以後

第1章 「震災がれき広域処理」とは
 川崎市、十分な検討もなく受け入れ表明
 愛知県も「受け入れ」表明
 2011年7月、愛知県で運動始まる
 「未来につなげる・東海ネット」結成
 市民放射能測定センター(Cラボ)も立ち上がる
 地方議員との面談が始まる
 国会議員に会う 要望は国政に届くか

第2章 「広域処理」という名の公共事業
 災害廃棄物の広域処理、開始迫る
 廃棄物の受け入れ調査、全国で「強引」に
 愛知県では反発さらに
 住民の力、「受け入れ」にブレーキ
 家庭ゴミの処理場でがれきを処理するとどうなる
 複合汚染された震災がれき
 ほんとうの狙いは「がれきのリサイクル」
 広域処理を予算から見たら

第3章 広域処理の必要性を検証する
 政府の「要請」、さらに強まる
 愛知県のがれき受け入れ計画とは
 「総量」の見直し問題で揺れる
 処理が必要な「総量」はいったいどれくらい?
 破綻した広域処理の必要性
 愛知県の東三河地域、「広域処理より、物的・人的支援を」
 「受け入れノー」へ向け、愛知県で再び住民活動活発に
 愛知県議会で「がれき処理予算」を審議
 環境省、なおも「広域処理」実現に動く
 愛知県、ついに広域処理計画を断念
 ひと区切り付いて、住民たちは

がれき広域処理の本質的な問題−−池田こみち

第4章 ”絆”の陰で流用される復興予算
 被災地がほんとうに望んでいたもの
 復興予算の流用が明らかに
 自治体による受け入れ、強行の狙いは
 高岡市ががれき受け入れを強行した経緯
 新潟県五市の不可解ながれき受け入れ決定
 広域処理は環境省の予算消化が目的
 震災復興特別交付税も被災地「以外」に九割を使用
 会計検査院が環境省の広域処理に「ダメ出し」
 岩手県がれき処理事業費住民訴訟
 愛知県にがれき受け入れ検討経費を交付
 がれき受け入れ検討経費を交付するため省令を改正
 結局、「がれき」の話は「お金」に行き着く

第5章 震災がれきから「核のゴミ」の全国処理へ
 放射性廃棄物のすそ切り
 福島県田村市における除染廃棄物不法投棄問題
 福島県鮫川村における実証実験用仮設焼却炉問題
 震災がれきから「核のゴミ」の全国処理へ

 市民として当たり前のことを求めて−大関ゆかり
 環境省と“特別な絆”で利を得た富山県−宮崎さゆり
 手探りで始めた私たちの反対運動−永田雅信
 浮上したのは「民王主義の機能不全」−石川和広
 2つの“震災がれき”訴訟−本多真紀子
 東北から九州に運ばれた震災がれき−脇義重

あとがき
 市民による“執念”の記録−本害を読むにあたって−高田昌幸




































































































































































































































カレン・グレイ・ルエル+,
デボラ・ダーランド・デセイ:絵と文
池田 真里:訳
発行:彩流社 この版元の本一覧
四六判 56ページ 上製
定価:1,500円+税

ラルフ・グロイブとアーネスト・スターングラス著
「The Petkau Effect」(ペトカウ効果)

人間と環境への低レベル放射能の脅威
―福島原発放射能汚染を考えるために―/あけび書房
肥田 舜太郎 (翻訳), 竹野内真理 (翻訳)


 以下は訳者

 
本書は、ラルフ・グロイブとアーネスト・スターングラスの著書「The PetkauEffect」(ペトカウ効果)の初の邦訳出版である。

 詳細は後述するが、「ペトカウ効果」とは、約20年間、カナダ原子力公社の研究所で医学・生物学・物理学主任だった、アブラム・ペトカウ博士が発表した、低線量放射線による生体レベル、細胞レベル、分子レベルでの影響のことである。(一部の研究者からはノーベル賞に値すると言われている)。

 本書は、「ペトカウ効果」を詳細に紹介すると同時に、原爆、核実験、そして原子力発電所がもたらす様々な放射線被害、および今日までの政府当局による放射線防護基準の欠陥を、世界各国の数多くの研究者の論文と当局側からの発表という双方からの視点を交え、膨大な量の貴重な資料をもとに記している。

 ところで、奇しくもこの本の下刷りにかかろうとしていた2011年3月11日、マグニチュード9.0という東日本大震災が発生し、東北では地震と津波により多大な犠牲者を生みだした。

 悲劇に追い打ちをかけたのが、福島原発の大事故である。外部電源喪失、水素爆発、燃料棒破損、核燃料プール冷却不能という尋常でない事態に至っている。そのうえ、余震により、原発の何十倍以上もの放射能があるという六ヶ所村再処理工場まで外部電源喪失という、一歩間違えれば日本全体が壊滅状態になるところまで一時期達してしまった。今回の事故はなぜか「想定外の津波」のせいにばかりされているが、これは事実と異なる。

 そもそも今回の電源喪失の直接の原因は「地震」であり、津波の及ばなかった場所に立っていた受電鉄塔の倒壊によって引き起こされた。そして電気系統も破壊されたため、電源車が来ても役に立たなかった。さらに、1号炉では、地震発生の夜、原子炉建屋内に高濃度の放射能漏れがあり、配管か重要機器いずれかの破損の可能性が高く、3号炉でも、圧力の激減から冷却系の配管が破損したと見られている。両方とも水素爆発の前の話だ。地震による重要配管の破損は、全国の原発すべての耐震安全性にかかわる緊急課題である。

 それでも政府と電力会社は、国の原子力政策を続行する予定である。東京電力は、柏崎刈羽原発のうち、1、5、6、7号機を、3月11日以降もそのまま動かしている。2007年に中越沖地震で地盤自体が変形し、しかも原発の機器そのものへの応力や塑性変形が危惧されているにもかかわらずである。

 伊方原発は世界有数の大活断層「中央構造線」の目の前であり、敦賀、もんじゅ、美浜、六ヶ所再処理工場はなんと敷地内に活断層が見つかっている。まともな感覚であれば、これらの原発および再処理工場は、冷却以外の運転をすべて停止し、さらには現存する使用済み核燃料の安全性をいかに高めるかの対策を早急に練るのが常識だと思う。これでは運転中だた1から3号炉、そして運転中でなかった4号炉の事故から何も学んだことにならない。

(ラルフ・クロイブ、アーネスト・スターングラス著 肥田舜太郎、竹野内真理訳『人間と環境への低レベル放射能への脅威』(あけび書房・2011年)1〜2ページより訳者(肥田舜太郎、竹野内真理)による序文「福島原発事故のさなかに−−本書の概略と意義」から)




原発訴訟

著者 海渡雄一


第一章 原発の安全性を問う

第二章 原発は大地震に耐えられるか

第三章 福島原発事故と東京電力

第四章 被曝した労働者、住民たち

終章   脱原発のための法的課題 

岩波新書 820円+税





◆原発のウソ

著者 小出裕章


第一章 福島第一原発はこれからどうなるのか

第二章 放射能とはどういうものか

第三章 放射能汚染から身を守るには

第四章 原発の常識は非常識

第五章 原子力は「未来のエネルギー」か?

第六章 地震列島・日本に原発を建ててはいけない

第七章 原子力未来はない


扶桑社新書

740円+税
  



◆原子力マフィア
原発利権に群がる人びと

著者 土井淑平



第一章 脱原発の政治学

第二章 原子力マフィア総批判

第三章 A級戦犯の戦後思想家

第四章 市民科学者たちの仕事

あとがき


編集工房 




◆脱原子力社会の選択

著者 長谷川公一

プロローグ 1989年6月の稲妻

第一部 サクラメント電力公社の危機と再生 

第一章 われらが電力公社

第二章 ランチョ・セコ原子力発電所の悲劇

第三章 よみがえるサクラメント電力公社

第二部 カリフォルニア、ヨーロッパそして日本

第四章 新エネルギー革命の時代

第五章 日本の選択すべき道

エピローグ 原子力時代の暗い影


新曜社

3500円+税




◆中村敦夫著 簡素なる国
 
  
帯の言葉 「日本人よ!今こそ強欲から「少欲知足」へ、
   災と原発事故のあとを考える」


 
出版社名:講談社
  発行年月:2011年4月6日 第1刷発行
  ページ数:335ページ/19cm
  価  格:1785円(税込)
   ISBN:978-4-06-216960-8

【目次】始業チャイム(まえがき)
    第一時限  時代と個人史
    第二時限  戦乱の拡大
    第三時限  環境破壊
    第四時限  人口爆発
    第五時限  近代経済の崩壊
    第六時限  日本の権力
    第七時限  政界の実情
    第八時限  スモール・イズ・ビューティフル
    第九時限  仏教とエコロジー
    第十時限  みどりの政治思想
    第十一時限 南方熊楠の生き方
    第十二時限 究極の幸福とは
    第十三時限 食は地産地消
    第十四時限 自然エネルギー
    終業チャイム(あとがき)


<紹介>

 
本書は、東日本大震災の直後に出版された。中村さんによれば、本書は、60代も終わりにさしかかり、役者、報道番組キャスター、小説家、政治家、大学講師など多様な仕事にその都度懸命に取り組み、世界を見てきたものとして、人生を振り返り、これまで経験してきたことを総括し、次世代に残すべきことをまとめたものとのことである。同志社大学大学院での講義録の形式でわかりやすく簡潔にひとつひとつの大きなテーマがまとめられている。

 地震・津波・原発事故のトリプル災害に見舞われた今、日本人の多くがまさに価値観、パラダイムの転換の必要性を身にしみて感じている時でもあり、どの講義も深く読者の心を打つに違いない。 筆者ら環境総合研究所は、中村さんが国会議員として活躍されている頃には、情報公開法制定前だったが、魚介類のダイオキシン類濃度(地点別、種類別)の情報公開を水産庁に迫るなど、多様な連携で環境行政・環境政策の改革に取り組んだ。

 中村さんには、せっかく講義録をまとめられたことでもあり、今後も筋の通ったご意見番として大いに活躍していただきたい。

 「終業チャイム」(あとがき)から中村さんご自身のことばを引用しておきたい。


 
・・・私の授業内容は、「実現不可能の理想主義」と一笑に付す向きもあるでしょう。しかし、これ以外に直面している危機を脱出する方法があるでしょうか?
 問題は実行です。健全な共同体を作る運動ですから、個人では無理です。数人の同志と始めるか、既に機能しつつあるグループに参加するか、それも困難であれば、そうした運動をサポートするだけでもよいと思います。・・・


 
まさに観客民主主義ではなく、一人ひとりが出来ることを発信し、行動し、動くことから社会を変えるうねりが始まるということに他ならない。若者が震災のボランティアに多く駆けつけている姿は心を打つが、是非、中村さんの講義録を片手に、若者からも社会・政治を変革するうねりをつくって欲しいものである。

評者:池田こみち(環境総合研究所 副所長)




◆谷間の虚構
真相・日本の貌と八ッ場ダム

ジャーナリスト
杉 晋吾 [著]

四六判並製/240ページ/本体価格1,500円
ISBN 978-4-88320-496-0

以下は出版社の公式Webより

◆八ッ場ダムに隠された驚愕の真相
 2009年、民主党の前原誠司国交大臣が「八ッ場ダム建設中止」を宣言し、政権交代の象徴として大きな話題となりました。2010年に入ってからも建設推進派と反対派の間で意見が応酬し、前原国交大臣もその間で揺れ動いているようです。

 著者・杉晋吾氏は断固反対の姿勢を表明していますが、その論拠は「税金問題」はもちろん、さらに切実な問題です。八ッ場ダム問題において、推進派・反対派双方の人物や地元住民、そして町や県の役人への体当たり取材を通して、八ッ場ダムを絶対建設してはならないとんでもない真相を見つけ出したのです。

真相1 八ッ場ダムに流れこむ水には大量のヒ素が含まれる。
真相2 しかもその水はコンクリートを溶かす強酸性。
真相3 建設予定地の岩盤はダムの水圧に耐えられない脆さ。
 →八ッ場ダム崩壊

 たとえ周知の事実であっても、マスコミなどを通して伝わらない情報というものはいくつも存在するのでしょう。その一例が上記の真相なのかもしれません。フリージャーナリスト、部外者としての利点を活かしたからこそ、開示できた情報なのです。

 「八ッ場ダム」を建設するか中止にするかは、日本が変わるか変わらないかの"踏み絵"。ダム建設を推進して旧態依然とした日本のままでいるか、真相を知ることで中止するか、選択肢は二つに一つ。

 本書は、有権者が曇りのない目で選択できるよう、大切な情報を提供します。

◆著者紹介
杉晋吾(たかすぎしんご)
1933年、秋田県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
人権、教育、環境問題等をフィールドとし、強者に媚びずに真実を書きつづけてきたジャーナリスト。社会問題として表面化する前から世の中に警鐘を鳴らす先見の明と着眼点に定評がある。本書は三〇年以上にもわたるダム政策取材の集大成であり、いつまでも衰えを知らないフットワークと執念の取材力で書き上げた。著書は共著も含め約60冊におよぶ。


以下は評 青山貞一
 今年の夏、高杉さんが環境総合研究所にこられ3時間以上じっくりお話しした。高杉さんには今どきのチャラチャラとしたや自己顕示欲ばかりのインチキジャーナリストや、原稿料稼ぎでろくにまともな現場取材しないジャーナリストとは100%異なる、凄みがある。

 研究所に来られたのは、朝日新聞の品木ダムに関連した記事(下参照)のなかで、私がコメントをしていたことに関連してのことだ。高杉さんは相当前からこの問題に傾注され、単に取材して記事や著作を書くにとどまらず、より積極的に国や自治体の担当者に問題の深刻さ、責任を現場で追及している。

◆八ッ場ダム上流で国交省、基準の370倍のヒ素汚泥を投棄 
朝日新聞

 これらは本書にもあちこちに出てくる。行政、立法はもとより司法すら頼りにならない、また腰が据わっていない市民団体ばかりの今の日本にあって、高杉さんの淡々とした語りや行動のなかに、本当のジャーナリスト魂を見る重しがした。

 八ッ場ダム問題について、高杉さんはいわゆる計画高水に象徴される治水論や公金の不正使用問題では国土交通省など行政に勝つことはできないと公言する。

 pHが2前後の強酸性を草津の湯川や大沢川などで膨大な量の石灰を使い中和したあと、国土交通省の品木ダムに流入させている。その品木ダムの浚渫土砂に国の基準を数100倍超える有害物質ヒ素が含まれる。それを浚渫し、ダムの北側にある土捨場に処分しているのだが、そこは管理型最終処分場ではないただの素ぼりの安定型処分場である。そこに超高濃度のヒ素を含む浚渫土砂を国が群馬県の許可を得て処分している。まさに国と自治体が違法行為をしている。

 早期から国、自治体の明白な違法行為を現場から告発し続けている!

 私たちも高杉さんに刺激され、今ま20回近く現場に言っている八ッ場ダム工事現場を別の角度から見ることが出来、この夏以来、白砂川水系、吾妻川水系、万座川水系や品木ダムなどに対する本格的な河川水質の現地調査を敢行している。


◆参照:青山貞一、池田こみち:群馬県西部の強酸性河川水とその処理方法に関する研究〜白砂川水系と吾妻川水系を対象として〜、環境行政改革フォーラム論文集第3巻第1号 2010年9月




◆『ダムが国を滅ぼす』
今本 博健 (著), 「週刊SPA!」ダム取材班 (著) ¥ 1,470
扶桑社 (2010/8/18)


▼目次 
第一章 日本にもうダムは要らない
第二章 “世界最悪のダム”北海道・二風谷ダム
第三章 マスコミが報じない八ッ場ダムの意外な真実
第四章 全国各地の“ムダなダム”を歩く
第五章 民主党は“ムダなダム”を止められるか
第六章 対談「今こそ“官治”から“民治”への転換を!」 田中康夫×今本博健
第七章 狭い日本は“ムダなダム”だらけ


内容(「BOOK」データベースより)
「ダムが必要」なんてウソだった!現在計画中のものはすべてムダ!
治水の専門家がついに“激白”。

◆著者
今本 博健(いまもと・ひろたけ)
1937年大阪市生まれ。水工技術研究所代表、京都大学名誉教授。1975年より京都大学教授、2001年に定年退官。京都大学防災研究所所長、淀川水系流域委員会委員長などを歴任。専門は実験水理学・河川工学・防災工学。

今本氏は京大防災研究所長など、この分野本流の第一線の研究者。国、都道府県の河川行政が必要性、妥当性、正当性のないダムをつくりつづけることに憤慨し、第三者としてその実態を発言しつづける闘う研究者。評 青山貞一

『週刊SPA!』ダム取材班
横田一(ジャーナリスト)、佐々木奎一(ジャーナリスト)、北村尚紀(『週刊SPA!』編集部)

取材班のメンバーは、いずれも気鋭の現場突撃ジャーナリスト。横田一氏は東京工大工学部化学科卒、環境行政改革フォーラムのメンバーでもある。北村氏は週刊金曜日の編集部にもいた。評 青山貞一



翻訳者の池田真理さんからの献本です。


<本書の紹介>
 1940年から44年にかけ、パリはナチス・ドイツに占領されていた。ポーランドなど欧州諸国同様、ユダヤ人はいつ拘束され強制収容所に送られるかと恐怖のうちに暮らしていた。ユダヤ人だけでなく、ドイツ人以外のすべての人々の自由が制限される中で、ユダヤ人を助けようと危険をおかすような人はほとんどいない。
 そのような日々に、ユダヤ人をかくまい危険なパリから脱出させるため力をつくした人々がいた。パリのどこで、そんなことが可能だったのか。当時も今も聞いた人の誰もが意外に感じ驚くであろう場所、それは――
 本書は、これまでほとんど語られることのなかったイスラム教徒のユダヤ人救出活動に光をあて、その勇気と信念、献身を讃えるために書かれました。

<前書きなど:日本の読者のみなさんへ>
  ひとりの人間のいのちを救うならば、それは全人類を救ったのと同じ。
 イスラム教とユダヤ教、そのどちらにも、この同じ教えがあります。きびしい対立関係にあると多くの人が信じこんでいる、この二つの宗教のどちらにも。ムスリム(イスラム教徒)とユダヤ人の不和は長いあいだ続いていて、ともすれば、これまでずっとそうであったかのように思いがちです。
 しかし、この本を書こうと調べていくうちに、北アフリカのムスリムとユダヤ人は、お互いを兄弟姉妹として、いく世もともに平和に暮らしてきたことを知りました。ユダヤ教とイスラム教はもともとはおだやかに共存していた――これがこの本で伝えたかったことの一つです。ふたたびそのようになったら、どんなにいいでしょう。
 この本が遠く日本でも読まれることを、とてもうれしく思っています。日本にはムスリムもユダヤ人も少ないと思いますが、それでもなおここに語られた事実は、つよく心をうつことでしょう。パリの大モスクで、ムスリムが他の人の苦しみを思い、勇気をもって行動した――実際にあったこのお話が、世界を友愛でむすぶ助けになることを願っています。

                  カレン・グレイ・ルエル

<訳者の池田真理さんから一言>
 第二次大戦中、北アフリカには、ユダヤ人を強制収容した強制労働キャンプが100箇所以上あったと、Robert Satloff が書いています。ナチ・ドイツとその協力者が実行した残虐きわまりない行為と計画は、近年その多くが明らかにされたといわれますが、明らかになっていないことは、まだまだ多くあることでしょう。
 また、第二次大戦で対ドイツ戦争を戦った植民地出身兵が、その後のアルジェリア独立戦争で、たいへんつらい立場に立たされたこと、そしてさらに、独立後のアルジェリアでカビール人の反政府活動が続きまたも血が流されていること、これらとあわせて、日本の朝鮮や沖縄の問題を思うと、植民地主義の悪しき遺産を清算し克服することがいかに困難か、思い知らされます。
 このような歴史にあって、パリのモスクを中心とするレジスタンスを、単なる美談として受けとめてはならないと思い、その気持ちをあとがきに書きました。そこをおくみとりいただいて、書評サイトにその部分を掲載いただきましたこと、心からお礼を申し上げます。
 パリのモスクでのムスリムの行動は、これから幾多の困難や暴虐に立ち向かわなければならない私たちにとって、立ち戻っては勇気づけられる、いくつもある埋もれた歴史の一つと思います。 そのような埋もれた歴史、忘れられている言葉が語り伝えられることを願っております。


                  デボラ・ダーランド・デセイ
<版元から一言>
 いま、なぜこの歴史を伝えるのか。「訳者解説」より以下をご紹介します。
 ホロコーストが滅ぼした生命はおよそ600万人といわれる。いまこの瞬間も戦争の中で滅ぼされる生命がある。しかし、それでも希望はある。
 この本に書かれているような出来事は、60余年前のパリで移民のイスラム教徒、フランス人、ユダヤ人の間にだけ起こったのではない。これまで世界のいたるところで、戦争や災害や権力の重圧に痛めつけられた人々のあいだにあったことだと思う。語り継がれなかった幾多の物語があり、今このときも苦しみの中にある人々に人知れずさしのべられている手があるはずだ。ひとりの人間のいのちを救う人々がいる。この本をはじめ、ベルカーニの映画、アネットさんの文章はそのことを確信させてくれる。


<青山貞一より>
 私たちは第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人らの強制逮捕・連行、強制収容、殺害の現場をポーランドを中心に求め、ここ数年現地を視察し、論文や論考化してきた。今年はバルト3国、デンマークにも足を運んだ。だが、いうまでもないことだが、ナチス・ドイツがしたことは全欧州そして北アフリカなどの諸国全土に及んでいる。
 昨日、大学からの帰り、電車の中で一気に「パリのモスク」を読み上げた。パリにおいてユダヤ人などをどうやってナチス・ドイツの追っ手からかくまってきたかが坦々としかし臨場感を持って語られている。
 あるとき、友人の坂本博之弁護士の奥様(イタリア語の先生)からイタリアにおける反ナチレジスタンスの御本が送られてきた。これはまさに、イタリアにおける反ナチレジスタンスのドキュメントタッチの記録であった。
 「パリのモスク」は、絵本でありドキュメントである。しかも子供に焦点を当てているだけあって、絵も言葉も大変分かりやすい。
 ナチスが欧州でしてきたことは、アウシュヴィッツ博物館やホロコースト博物館に展示されている写真で知ることが多いが、絵本あるいは日本的にいえば紙芝居で子供やお母さんに史実を分かりやすく伝えることの大切さをこの本から学んだ。
 私自身、インド洋のイスラム諸国(たとえばコモロ・イスラム共和国、もとはここもフランス領)、マヨット島(フランス領)やトルコなどでイスラム文化にじかに接してきたが、恥ずかしならムスリムとユダヤがこのような形でナチスに静かに、そして熾烈に抵抗した歴史があることを
この本を読んで初めて知った。しかも舞台がパリというのも意外であった。この分野の貴重な一冊として本棚に入れさせていただきたい!

===

谷口茂、産業社会論(T)科学技術社会と人間、名古屋工業大学学報 第35巻、1983


本書は編者の山本佳世子さんからの寄贈です。

本書の目次

序章 市民参加からの地域環境学   山本佳世子
第一部 地域協働による地域環境活動   
 第一章 環境運動の目的と参加者の変遷   香川雄一
 第二章 公共事業を巡る状況と住民運動   伊藤達也
 第三章 官学民の協働による自然再生活動 作野広和
 第四章 地域資源の発掘・利用における地理学者の貢献 松野薫
 第五章 格付けシステムとしての世界遺産と地域の現在  井関崇博

第二部 環境学習による人材づくり
 第六章 水辺空間のための地域協働のしくみづくり  奈良朋彦
 第七章 スコットランドにおける市民参加の森づくり〜森林とラストを中心として〜 木元浩一
 第八章 子供の遊び場をとおした環境学習 木村美智子
 第九章 未来市民を対象とした公害・環境問題からの学習 山本佳世子

結章 市民からの地域環境学の発展可能性〜地域環境学は市民のためのサステイナブル・サイエンスとして発展できるるか?〜  
山本佳世子

 
以下は編者の山本さんからのメッセージです。

 この書籍は、環境市民活動について一緒に研究している仲間と一緒に執筆したものです。

1章(滋賀県立大学・香川先生)では、川崎臨海部の市民運動
2章(法政大学・伊藤先生)では、長良川河口堰、徳山ダムなどの公共事業
3章(島根大学・作野先生)では、宍道湖・中海の公共事業が取り上げられています。

私の担当章(9章)でも、本題ではありませんが、公害や公共事業を取り上げております。
ご一読いただけると、ありがたく思います。







吉田みさをさんの渾身の二冊目をお薦めします!


 バルト三国に出かけている留守中、吉田さんから二冊目の著書が届いていた。

 2010年2月25日全国発売に先駆けて送って下さったものだった。ご主人を亡くされてから丸10年、お子さんのいない吉田さんは、常々私にこう言っていた。

 「私は、幸か不幸か子供がいない。その分、お父さんと終の棲家として移り住んだ伊賀の自然や環境を守ることが私の仕事であり、生き甲斐」と。今闘っておかなければ、次世代の子供たちに明るい未来を残してやれない、と元気いっぱいの吉田さんはちょうど私の母の世代より少し若い昭和一桁生まれの大先輩である。

 女だてらに自治会長を務め、地域の男性諸氏との闘い・協調も彼女にとっては大きな仕事であるとともにストレスでもあったようだ。

 時には長電話でいろいろ積もり積もった思いを聞いた。そして最後には、「あー、すっきりした。話せて良かった。またがんばろう」と電話の向こうで再び息を吹き返す吉田さん。女同士のおしゃべりに花が咲いて私もおかげで元気を分けて頂いた。

 今回の二冊目の奮闘記は、裁判に勝利した後の地元での闘いの日々をまとめたものだ。あの細い体のどこからこれほどのエネルギーが出てくるのだろう、と思うほど。

 決断力、判断力、行動力がありそしてやさしい包容力のあるおばあちゃんでもある。お庭にはご主人の愛したひまわりをたくさん育て咲かせている。

 男性でもここまで戦い抜くのは難しい産廃業者、不法投棄業者、そして県行政との闘いのそれぞれの局面で、彼女はあきらめず、ぎりぎりまで努力して地域や仲間や支援者との協力態勢を自ら築きながら前に進んだ。

 物腰柔らかくやさしい村田弁護士とのコンビが絶妙のようでもあった。私自身、吉田さんの闘いの一端を担えたことをとても誇りに思うとともに、多くのことを学ばせていただいた。ここに改めてお礼を申し上げ、全国のがんばる女性たちにこの奮闘記を紹介していきたいと思う。

(池田こみち:環境総合研究所)


著 者:
吉田みさを(78歳)
    伊賀市・上野ニュータウン自治会会長
    NPO法人廃棄物問題ネットワーク三重代表理事
書 名:「おとちゃん 見ててな」
副 題:木津川上流の里山を守った独居ばあちゃん奮闘記
出版社:合同出版
装丁等:四六判、199ページ建て
定 価:1470円(税込み)

<目 次>
第1章 新たなる闘いの始まり
第2章 黒鬼との闘い
第3章 古畳不法投棄事件の勃発
第4章 山林への木くず大量不法投棄事件
第5章 ついに念願の上水道が引かれる
第6章 古畳不法投棄事件の顛末
第7章 産廃処分場増設反対運動の高まり
第8章 県の「処分場増設不許可」が出る
第9章 今度は墓石が不法投棄された
第10章 バングラデッシュから来た隣人
最終章 美しいふるさとを残すために
あとがきにかえて
刊行に寄せて 弁護士 村田正人














































国会議員としてごみ問題や環境問題に取り組んできた著者が市民の意識を変えるための読本としてごみ問題をわかりやすく解説したもの。ごみ問題の現状と向かうべき方向を示しながら廃棄物政策の本来のあり方を考える。生産者責任を明確にし、行政や住民に求められる役割を提案する。

書名:考えてみませんか?ごみ問題
著者:岩佐恵美


出版社名:新日本出版社
発行年月:2009年7月
ページ数/版型:222ページ/19cm
ISBNコード:978-4-406-05266-5(4-406-05266-6)
定価:1575円(税込)

「はじめに」より抜粋
みずからが出したごみによって、みずからの安全、健康、いのち、環境、地球の未来がおびやかされることだけは、絶対に避けなければなりません。 本書では、そのような愚かな行為を回避するために、私たちは、ごみ問題にどのように向き合っていけばよいかについて、できるだけつっこんで明らかにするように努力しました。

目次:
T 地球規模で広がる異変
  1 「縮みゆく地球」
  2 すすむ温暖化
  3 CO2削減は地球的課題
  4 「ごみの問題」は「資源の問題」

U 私たちの町からごみを減らす
  1 ごみの焼却と温室効果ガス
  2 日本のごみは出し放題!?
  3 大型ごみ処理施設の実態
  4 プラスチックごみは燃やしてもいい?
  5 リサイクルをめぐる課題
  6 ごみ処理手数料の有料化を考える
  7 「事業系ごみ」はどうなっているか

V これでいいのか!?食品廃棄物の現状
  1 年二〇〇〇万トン超を廃棄
  2 やっと一歩ふみだした食品リサイクル
  3 法「改正」で何が変わったか
  4 「家庭系ごみ」のリサイクルのとりくみ

W 産業廃棄物をどう考える
  1 曖昧にされてきた事業者の責任
  2 産業廃棄物の現状はどうなっているか
  3 施設建設をめぐる問題
  4 産廃に対する考え方の基本

X どんな町をつくるか
  1 自らの生活スタイルの改革を
  2 拡大生産者責任制度の確立を

 補 注目される韓国のごみ事情-見たまま、聞いたまま
  1 資源化の徹底
  2 韓国のごみの実態
  3 生ごみ資源化政策と今後の方向
  4 活発な活動と行政の役割


ストップ! 風力発電
巨大風車が環境を破壊する


鶴田 由紀著
アットワークス刊

「地球環境にやさしいクリーンエネルギー・風力発電」として、伊豆(静岡県)・青山高原(三重県)・大平山(和歌山県)など各地で建設が続く巨大風車。その実態は、建設地域の森林伐採や野鳥の衝突死などの自然破壊、地域住民の同意のない建設工事、低周波・超低周波音による健康被害の拡大、不安定な電力供給と多発する事故。そして今、EUをはじめ、風力発電の問題に気づいた世界の人たちは、「反風力発電」「反風車」のネットワークづくりをすすめ、「ストップ! 風力発電」の声が広がっている……。

目次
第1章 東伊豆(静岡県)で起きていること
目を見張る自然破壊/天然記念物の湿原にも風車が/住民不在の計画/アセスもいいかげん/隣町に移動した計画/地元に支払われる承諾金
第2章 南伊豆(静岡県)で起きていること
ストロボ効果の恐怖/頭上をヘリコプターが/地権者の同意もなく/何の説明もなく工事が/騒音予測値をごまかす業者
第3章 青山高原(三重県)で起きていること
風車の近くは鳥がいない/止まってばかりの風車/アセスにも問題/自然公園なのに/保安林でもお構いなし
第4章 大平山(和歌山県)で起きていること
「作らんといたらよかった」/折れたブレード/地元では騒音被害も/大平山で起きていること/増える反対派/物言わぬ住民/現金が配られていた!/反対されても再申請/「国際ターミナル」日高港/自然破壊に警鐘
第5章 巨大風車がもたらすもの
とにかく大きい、現代の風車/事故の多い風力発電/安全対策もおざなり/野鳥とコウモリへの脅威/官僚と事業者の本音/
第6章 低周波・超低周波音による被害
イギリスでの調査/大反響を呼んだテレビ放送/騒音は問題なし?/周波数帯のスーパーパワー/ポルトガルでの研究/業界団体の反論/地元説明会では捏造呼ばわり/低周波・超低周波音はどのように発生するのか/熱川の被害者/アメリカでの研究/スウェーデンとニュージーランドでの調査
第7章 風力発電は温暖化防止の役に立たない
定格出力にだまされないで/こんなに不安定な風力発電/デンマークがうまくいっているというウソ/CO2削減量のまやかし/非効率なバックアップ発電/真実を報道するヨーロッパのマスコミ/ひとりごと/蓄電池があれば安心?/将来有望なCCGT、そして省エネ!
第8章 世界が共闘しはじめた

EU諸国での動き/地方差別の中で



市民団体としての自治体

     Municipality as Civic Organization

著  者:岡部一明(Okabe Kazuaki)
愛知東邦大学経営学部教授(NPO論)
 1950年栃木県生まれ。カリフォルニア大学バークレー校自然資源保全科卒。サンフランシスコ在住のジャーナリストとしてNPOやインターネット社会の取材の後、2001年より愛知東邦大学で教鞭をとる。2009年4月より現職。著書に『サンフランシスコ発:社会変革NPO』 (お茶の水書房、2000年)、『インターネット市民革命』(お茶の水書房、1996年)、『社会が育てる市民運動−アメリカNPO制度』 (社会新報ブックレット、1993年)、『日経アメリカ人:強制収容から戦後補償へ』(岩波ブックレット、1991年)、『多民族社会の到来』(お茶の水書房、1990年)、『パソコン市民ネットワーク』(技術と人間、1986年)がある。

表紙の写真はアメリカで住民自治が最も成功したと言われるポートランド市(オレゴン州)のパイオニア・スクエア。市民生活の中心であり、かつての「アゴラ」のようであった。この日は移民コミュニティーのお祭りが行われていた。
(第9章参照、2006年著者撮影)

発  行:お茶の水書房
定  価:税別4200円
頁  数:350頁(A5判 148×210、厚さ25mm)
目  次: 第1章 アメリカ―自治体は市民団体
  第2章 政府(自治体)とは何か
  第3章 カリフォルニア―自治体形成と財政
  第4章 街づくり団体としての自治体
  第5章 ヨーロッパ―EU統合下の自治体
  第6章 ニュージーランド―小さな政府下の住民自治
  第7章 東アジア―専制国家の伝統から
  第8章 香港―東アジア的自治の可能性
  第9章 ポートランド自治モデル



日隅一雄翻訳、青山貞一監修

「審議会革命」

英国の公職コミッショナー制度に学ぶ
 現代書館 発刊!


<みんなのメディア作戦会議 第2弾>の開催をめどに日隅一雄さんと現代書館が発刊準備してきました「審議会革命」英国の公職コミッショナー制度に学ぶ が刊行されました。一冊1000円で書店にて購入可能です。ぜひご一読ください。

日隅一雄さんご紹介(Wikipediaより)

元産經新聞記者で弁護士。インターネット新聞「News for the People in Japan」の立ち上げの中心人物及び編集長。元マスコミ出身の弁護士として「ヤメ蚊」と名で知られる。弁護士としては、東京第二弁護士会所属。グリーンピース宅配便窃盗事件ではグリーンピース側の代理人(顧問弁護士)、NHK番組改変問題の裁判では原告(VAWW-NETジャパン)側の代理人を務める。著書に『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか』。

◆公職任命コミッショナー概略(pdf)
◆青山貞一:みんなのメディア作戦会議第2弾参加記


監修者(青山貞一)あとがき
   

 日本は明治維新以降、一貫して脱亜入欧を旗印に、欧米に追いつけ追い越せと科学技術や経済だけでなく、法制度や行政機構を次々と導入してきた。だが、よくみると導入したのは欧米の制度や機構の「うわべ」であって、それらを実社会でしっかりと機能させるための「たましい」や「しかけ」は根付いていない。

 たとえば民主主義の基本となる情報公開、行政手続、公文書管理、行政不服審査、環境アセスメントなどの制度・手続はその典型である。いずれも先行する欧米諸国に30年〜40年遅れて導入したものの、どれも例外規定が多かったり、行政機関や官僚の裁量が多く、結果として社会経済的弱者の救済ではなく、行政や事業者など強者の既得権益擁護に活用されているといってよいだろう。

 民主主義の基本は立法府が行政府をコントロールすることだが、日本はここでもうまくいっていない。その結果、「政」「官」「業」が強固な利権の構造を構築し、さらに「学」「報」、すなわち御用学者と御用メディアが加わり、民主主義がまったく機能せず、いつも市民、国民は蚊帳の外におかれている。

 本来、GO(国、自治体)やPO(企業)を監視すべきNPO・NGO(非営利、非政府組織)も、日本ではGOやPOの補完物となり本来の社会的役割を果たしているとは言い難い。

 本著が主題としている公職任命コミッショナーは、英国で生まれた制度・手続である。日本は政治制度として大統領制ではなく英国同様、議院内閣制を導入したが、ここでもよく見ると同じ議院内閣制でも日本と英国では著しく異なることが分かる。

 日本では大部分の立法が議員立法ではなく、通称閣法、すなわち霞ヶ関の官僚が法案の骨子から肉付けまでをつくっている。そのうえ国会審議でも議員はその内閣法案を追認するだけだ。与野党で法案について一字一句まともな審議をしている英国とは異なるのである。

 さらに日本では行政改革や民営化の一環としてサッチャー首相時代のエージェンシーをもとに独立行政法人(独法と略)制度を導入した。だが、これまた日本と英国では全く様相が異なる。日本では独法や国立大学法人は特殊法人などの看板の掛け替えに過ぎず、相も変わらず省庁の天下り再就職先、そして高級官僚のいわゆる「渡り」の温床となっている。

 また省庁や自治体の審議会、審査会、委員会なども同様だ。行政組織や官僚に都合の良い御用学者や御用メディアを委員に選任しており、役所のシナリオ通りの「出来レース」が横行している。そこではまともな審議、審査はされず、「政」「官」「業」「学」「報」のペンタゴンの権益が追認されている。

 「審議会革命」公職任命コミッショナー〜市民のための行政を実現する方法〜は、その題にあるように、日本の行政を市民の手にとりもどすための政策提言である。独法や審議会委員などを選ぶための方法が提案されている。基本は情報公開によるプロセスの透明性の確保であり、それとともに独立性、第三者性、実力本位、清廉潔白、機会均等などをどう確保するかがポイントである。

 翻訳を含め執筆に当たられた日隅一雄弁護士は、NHKの経営会議委員などメディアを重視している。しかし、当然のこととして本著で提起していることは国、自治体のあらゆる行政に関連するものである。

 本著の刊行がきっかけとなり、日本社会で公職任命コミッショナー制度が議論され導入され御用学者の温床となっている審議会が本来の役割を果たすようになることを切望するものである。



■プラスチックごみは燃やしてよいのか
 〜温暖化を進めるサーマリリサイクル
 

                 青木泰著
                 発行:リサイクル文化社

書 名:プラスチックごみは燃やしてよいのか
    −温暖化を進めるサーマルリサイクル−
著 者:青木泰
発 行:リサイクル文化社
発 売:星雲社
値 段:1500円(税込)
装 丁:ソフトカバー A5半(148×210)全259頁 縦書き2段組
ISBN番号:ISBN978-4-434-12046-6でご予約ください。

<目次>
まえがき
第1章 地球温暖化を進めるサーマルリサイクルがなぜ行われるのか
 1.廃プラ焼却で増大する温室効果を偽装報告
 2.間違いだらけの廃プラ焼却計画
 3.東京23区の廃プラ焼却−サーマルリサイクルを検証する
 4.サーマルリサイクル提案の背景
 5.サーマルリサイクルQ&Aに「異議あり」
 第1章の解説
第2章 廃プラ焼却をなぜ社会がチェックできないか
 1.日経「プラスチックを可燃ごみ指定」の大誤報を訂正せず
 2.廃プラスチック焼却提案は時代錯誤
 3.廃プラごみ発電への交付金支給は京都議定書破りです
 4.廃プラ焼却のための諸説の真偽
 第2章の解説
第3章 廃プラ焼却の危険性
 1.廃プラ焼却によるダイオキシン汚染とその調査
 2.それでもプラスチックを燃やしますか
 3.高濃度の重金属汚染−プラスチック焼却の禁止
 4.役所が出すダイオキシンデータは仮装の数値
 5.環境省が重金属の排ガス規制を行わない根拠と文献の驚く内容
 6.学者が指摘する廃プラ焼却の危険性
 第3章の解説
第4章 日本の焼却主義の流れ
 1.「不燃ごみ」焼却の裏切り
 2.ダイオキシン汚染を広げる「一部事務組合」
 3.過大な焼却施設が建設される仕組み
 4.焼却炉解体は封印・凍結しかない
 5.ごみ焼却炉の運転管理でも贈収賄事件
 6.いつまでごみを燃やすのか
 第4章の解説
第5章 循環型社会形成に向けて
 1.日本のごみ環境問題の常識とその真偽
 2.容リ法改定運動への実践的提案
 3.循環型社会に向けての市民の視点
 4.山形「蔵王の焼却炉建設」白紙撤回
 5.食品リサイクル法と乾燥処理−大都市圏自治体における有機性廃棄物の再利用
 6.広がる廃棄陶器のリサイクル活動と課題−費用対効果を踏まえたリサイクルの取り組み
第5章の解説
第6章 まとめとごみ問題基本ノート(案)
あとがき
注釈・用語解説
参考文献・著者出典
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書評

 本書は、サーマルリサイクルの美名のもとに全国的に進められようとしている廃プラスチックの焼却処理について、市民的な素朴な疑問から出発しながらも、きわめて科学的なアプローチを取り、法制度的な側面からもつきつめてその課題を明らかにしている。そのため、非常に読み応えのある内容となっている。

 著者が事務局長を務めるNPO法人は、地元のごみ焼却施設「柳泉園」に関する問題に真摯に取り組んで来られた。その活動にはプロ集団の「仕事ぶり」を見せつけられる思いである。ひとつひとつの取り組みに改めて拍手を送りたい気分になる。そうした地元での徹底的な活動を踏まえ、廃プラ焼却の問題点をひとつひとつ明らかにしている。

 まさに公共政策の徹底的なチェックである。なぜこの事業が必要なのか、事業を実施した場合の財政的、環境的、社会的な妥当性はあるのか、事業者として行政としての説明責任を果たしているのか、そして、その合意形成におけるプロセスに正当性はあるのか、といった点について実にしつこく調査、解析し、行政や御用学者、一部事務組合など事業者側の主張の矛盾と不合理を明らかにしている。

 折しも、温暖化対策の議論が盛り上がる中、とかく影においやられがちな廃棄物政策に鋭くメスを入れている。そして日本の政府・自治体の掲げる温暖化政策と、実際に日本中で進められている「焼却主義」的なごみ政策の間にある矛盾・不整合を徹底して追求している。

 「政」「官」「業」の癒着だけでなく、これに加えて「学」(学者)「報」(報道)の果たすマイナスの役割にも切り込み、現状追認のペンタゴンをごみ問題の分野で明らかにしている点は特筆に値する。

 最後に、随所に、環境総合研究所と、全国の市民グループが共同して実施してきた市民参加型調査(松葉ダイオキシン調査、土壌重金属調査、大気拡散シミュレーション調査等)の成果もご紹介いただいたことにお礼を申し上げたい。

池田こみち(環境総合研究所)






■冤罪File
          2008年6月7日、東京都港区三田で開催された「仙台・北陵クリニック事件の再審決起集会」に参加した。北陵クリニック事件では、さしたる物証もないまま、薬学、医学、化学などの世界ではおよそ考えられない不可思議なロジックと、大阪県警科学捜査研究所による血液、尿などに含まれるとされる筋弛緩剤の分析とその鑑定をもとに、守大助さんの無期懲役刑が確定してしまった。

 三審制のどの審議でも、判事は弁護側が執拗に指摘した杜撰な捜査を見抜けず、未来ある若者を無期懲役に陥れてしまったのである。 この事件が教えるところは、冤罪は何も警察、検察の専売特許ではなく、裁判所もトライアングルの一部であるということだ。我が国の司法には、いまさらながら憤懣やるかたない。 同様に、警察や検察情報だけで世論を操作、誘導するマスメディアの恐ろしさを今更ながら感ずる。

 ところで2008年2月、その名もずばり、「
冤罪File」と言う季刊雑誌が発刊された。冒頭の集会にいらした今井さんという方から第2号(左の表紙写真参照)をいただいたのだが、大学と自宅を行き来する田園都市線の車内でしっかり読んでみた。 さすが、どの記事もずっしり重く秀逸だ。しかも、記事はどれも「冤罪が起こる日本の警察、検察、裁判の核心の現場」に鋭くせまっている。あっという間に全ての記事を読んでしまった。

 私自身、大学の教え子が昨年の今頃、危うく冤罪となるところを、川崎市の小山弁護士らの献身的な尽力で初審の横浜地裁で勝訴した。しかも、横浜地検は何と控訴を断念した。ということは、いうまでもなく物的証拠がなにもない事件で、警察と検察がいかに取り調べの自白、それも当初、思い描いたシナリオにそって事件をでっち上げているかを如実に示すものである。

 本「冤罪File」には、実際にあった冤罪あるいは冤罪に類する事件を全国からくまなく集め、弁護士や当事者に直接インタビューするなど、高見の評論ではない、現場に密着した記事で構成されていて、大変読み応えがある。

 450円も手頃だ。 今後に大いに期待したい!


                                
評者:青山貞一


■山の手大空襲:「表参道が燃えた日」
   37人の体験集め出版 /東京


   ◇過去の惨禍、若者に伝え−
   港区と渋谷区の小学校などに寄贈
   http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20080426ddlk13040253000c.html

   毎日新聞 2008年4月26日 地方版

 1945年5月25日、米軍の爆撃機B29の編隊が都心部を焼いた山の手大空襲。25日深夜から26日未明にかけて3300トンもの焼夷(しょうい)弾が降り注ぎ、3600人余りが亡くなった。63年を経た今年、港区と渋谷区の表参道周辺で被災した住民37人の記憶をまとめた本「表参道が燃えた日」が完成した。

 編集した長崎美代子さん(77)らは「ファッションの街で過去にあった惨禍(さんか)を多くの若者に知ってほしい」と願っている。

 昨年1月、表参道交差点(港区北青山3)の歩道に空襲犠牲者の慰霊碑が建った。建立に向けて地域住民が区への署名を集めた際、一緒に寄せられた手記を残そうと動き出したのが出版のきっかけ。長崎さんら6人の編集委員は同級生らにも声をかけ、体験記を集めた。中には家族全員を空襲で失い「どうしても書けない」と涙ながらに断った人もいたという。

 「私の五月二十五日」の題で書いた泉宏さん(78)は当時、15歳。必死に火の手を避けて倉庫に走り込んで助かったが、父親を失った。空襲後、交差点に面した銀行前ではビル2階の高さまで焼死体が山積みになっていたという。

 「イラクやアフガニスタンでの空爆のニュースを見ると、あの下で何人亡くなっているのだろうといつも思う」と話す。どの体験記からも、人の命を簡単に奪う戦争のむごさが伝わってくる。

 若い世代の理解を助けるため、戦争に至った経緯や用語解説、略年表も盛り込み、イラストも添えた。両区の図書館や地元の小学校には既に寄贈した。

 B6判193ページ。700円。購入や問い合わせは同書編集委員会
  (アグネ技術センター内、03・3409・0371)まで。
【真野森作】〔都内版〕


◆関連ブログ:山形美智子:昭和20年5月25日の記憶(投稿)


東京新聞2008.5.20朝刊に掲載された「表参道が燃えた日」の紹介記事。











■著者:横田一
 「クレジット・サラ金列島で闘う人びと」 
 岩波書店


 「行政はいまだに多重債務問題は個人責任の問題だとして積極的な取り組みは行っていません。多重債務者に対してまで「借金は返済するのが当たり前」とい うような無茶苦茶なことを言うのはもういい加減にしてもらいたいものです。」 「行政は、どうすれば彼らを正常な日常生活、健全な家庭生活に立ち戻らせる ことができるのか、よく見極めて必要な公的援助をしてほしいと思います。」 −−−本文より

    横田一さんからのひと言>

                                
 このたび、た『クレジット・サラ金列島で闘う人びと』がようやく刊行 の運びとなりました。一昨年のグレーゾーン撤廃法の成立とその攻防を柱に、行政の現場 で、政治の現場で、それぞれ闘い続けてきた人びとを追ったノンフィクションです。

 莫大な利益を稼ぎ出していたクレジット・サラ金業界に闘いを挑んだ人たちは、挫折を乗り 越えて社会正義の実現に奔走するようになった人生遍歴がありました。弁護士から金融庁 職員を経て参院議員となった森雅子さんは、中学生の時に一家が破産、借金取りに恫喝 される絶望的な日々を経て、金利規制強化の最前線に立つことになりました。

 サラ金問題の第一人者として金利引き下げ運動をリードした宇都宮健児弁護士も、若き イソ弁時代に二度の弁護士事務所追放を経験していました。そんな人たちを追いかけてい るうちに、世界的な規制緩和の流れに対する反転攻勢(金利規制強化)という歴史的快挙に 遭遇したのです。

 しかしながら、今年は貸金業界の反転攻勢が予想され、サンデープロジェクトに竹中平蔵 氏と木村剛氏が出演して金利規制強化を批判するなど、再び、闘いは激しさを増す兆候を みせています。その前に、ぜひ、多くの方に読んでいただきたいと思い、また取材でお世話に なった方々へのお礼の機会として、出版記念会を開くことになりました。お気軽にご参加して いただけますと、幸いです。



■ドラマとしての住民運動


 本書の著者、早川氏とは現在、滋賀県が主催する「RD最終処分場問題対策委員会」で委員としてご一緒している。気鋭の社会学者である。

 地元住民として、地元に起こった産廃問題に取り組んできた経験を社会学という視点からまとめた本書は、各地で起こっている同様の運動に取り組む市民に多くの示唆を与えてくれるものと思う。

 また、同時に、専門家としてそうした事案に関与するものにも示唆に富んでいる。環境関連の学部をもつ大学(特に理学、工学系)では是非学生にお勧めいただきたい図書である。

 是非、多くの方々にお読みいただきたい。(紹介者 池田こみち)
http://www.pref.shiga.jp/shingikai/rd/

<図書紹介>

タイトル:ドラマとしての住民運動−社会学者がみた栗東産廃処分場問題
著者 : 早川 洋行著

税込価格 :\2,100 (本体 : \2,000)
出  版 :社会評論社
サイズ  :B6判 / 232p
ISBN   :4-7845-1461-9
発行年月 :2007年2月25日 初版
利用対象 :一般

内   容:
琵琶湖の南東、滋賀県栗東市小野に持ち上がった産廃処理場問題。
対策委員会が設置され、その中心メンバーのひとりとして参加をす
ることになった著者が、社会学者の視点から産廃処理場問題を事例
に住民運動について論じる。

目   次:序章  有機的連帯をこえて
      第1章 方法
    1 研究と実践の狭間で
    2 住民運動の語られ方
    3 環境社会学の貢献と限界
    4 住民運動をドラマとしてみる
第2章 舞台・アクター・シナリオ
    1 事件の舞台
    2 住民運動の発生と展開
    3 各主体の相関と時期ごとの特徴
第3章 被害の諸相と制度上の要因
    1 自然への被害
    2 人間への被害
    3 処分場における不法投棄
第4章 自治会による住民運動
    1 自治会と市民運動団体
    2 自治会という地域集団
    3 ボランタリーアソシエーションと官製アソシエーション
    4 自治会が闘うために
第5章 マスメディア
    1 社会学、新聞、そして社会運動
    2 住民運動の見取り図
    3 新聞報道の量と質
    4 アクターとしての新聞
第6章 行政の論理
    1 行政の組織文化
    2 議会と調査委員会
第7章 歴史的位相
    1 公害と環境問題
    2 市場の限界と行政の怠慢
    3 生活者と住民運動
    4 ガバメントとガバナンス
終章  いやいやながらの民主主義
    1 社会の大切さと人間の尊厳
    2 偏在する言葉
    3 行政不信と住民不信
    4 メディアの問題
    5 住民運動とは
栗東RD問題の歴史
あとがき

著者紹介:1960年静岡県生まれ。横浜市立大学文理学部卒業。中央大学大学
院文学研究科博士課程満期退学。名古屋大学より社会学博士取得。現在、滋賀大
学教育学部教授。社会学博士。著書に「流言の社会学」「ジンメルの社会学理論」
など。





■青木茂著:
  
偽満州国に日本侵略の跡を訪ねる

書誌データと注文先】
書名 『偽満州国に日本侵略の跡を訪ねる』
著者 青木茂
発行 日本僑報社
判型 A5判248頁 並製
定価 2500円+税
発売 2007.2.28
注文 171-0021東京都豊島区西池袋3-17-15日本僑報社 TEL  03-5956-280803-5956-2808
 FAX 03-5956-2809
【内容紹介】 日本の侵略の実態を現地で学ぶ
                                青木茂

 日本の侵略の実態を知るには、侵略の現場を訪ね現地で学ぶことも大切です。そういう思いで、二〇〇〇年から二〇〇五年の間に五回私は訪中し、中国東北部「偽満州国」に残る日本の侵略の跡を訪ねました。その訪中の記録をまとめたのが本書です。
 その五回の訪中で、侵略の残酷さを極限まで凝縮して示すと思われる万人坑(人捨て場)も六カ所訪ねました。そのうち一カ所は日本軍が直接関わったものですが、他の五カ所では日本軍は直接には関与していません。それらは、日本の「民間企業」が、炭鉱での石炭採掘やダム建設工事などの「通常の企業活動」の中で、強制的に徴用した中国人を日常的に使い殺し続け、殺した中国人を捨てたところが万人坑になったものです。
 吉林省の遼源炭鉱では、採炭作業の強制労働で八万人以上が殺されて近辺に捨てられ、山全体が万人坑にされており、完全な姿の遺骨が累々と並ぶ現場には言葉を失います。
 中国人を膨大に殺したのは日本軍だけではないのです。資本家・企業家は、中国の資源を略奪し巨利をむさぼるため、日常の企業運営の中で道具以下の扱いで消耗品として中国人を使い殺し続けたのです。万人坑の実態を知ると、日本の中国侵略の実像が見えてきます。暴虐な日本軍も、しょせんは資本家の「用心棒」にすぎないのではないか・・・。



■不都合な真実

地球温暖化の問題に熱心に取り組んできたアル・ゴアのスライド講演の様子を、アル・ゴアの生い立ちを辿ったフィルムを交えつつ構成したドキュメンタリー映画。過去の豊富な気象データや、温暖化の影響を受けて衝撃的に変化した自然のフィルムを数多く使いながら、この問題を直視しない政府の姿勢を批判し、人々が生活の中で環境を守る努力を続けることの重要さを訴えている。第79回アカデミー賞において長編ドキュメンタリー映画賞・アカデミー歌曲賞を受賞した。またこの映画が契機となり、環境問題の啓発に貢献したとしてゴアのノーベル平和賞授与が決定した。

特にアメリカ合衆国内では、ブッシュ政権が「地球温暖化など単なる学問上の仮説で、現実にはそんなことは全く起きていない!」という公式見解を出して温暖化を否定し続け、国内のメディアもほとんどがそれに追従してきたため、この映画を見て地球温暖化問題について初めて知ったアメリカ人は非常に多く、合衆国内に強い影響を与えたとの評もある[1]

一方で内容について、事実誤認やデータを誇大化し「センセーショナリズムに走っている」等の批判があり、イギリスでは同作を学校で公開しようとしたところ政治的活動であるとして保護者から告訴され、裁判所が「9ヶ所事実誤認している場所がある」として「是正措置を取るように」といった判決が出された[2](ただし、地球温暖化について問題提起した『不都合な真実』のメッセージそのものは妥当であるとして、保護者による「上映差し止め」の請求は退けた。→アル・ゴア#環境問題の項も参照のこと)。

さまざまな論者によって話題にされた『不都合な真実』であるが、上映後、新たに判明した事実も踏まえてその妥当性を判断する必要がある。例えば英高等法院は「西南極とグリーンランド(の氷床)が融解することにより、“近い将来”海水準が最大20フィート上昇する可能性がある」としたゴアの主張に対して「これは明らかに人騒がせである。グリーンランド(氷床)が融解すれば、これに相当する量の水が放出されるが、それは1000年以上先のことである」と判断した。[2]

しかしながら、「約12万年前の前回の間氷期の際、氷床の崩壊が原因で、わずか数十年間で海面が3メートル程度上昇した」とする研究結果が、2009年4月16日発売の英科学誌ネイチャーに掲載されている。


出典:Wikipedia




■司法政策の法と経済学




■ごみを喰う男
行動派俳優が放つ社会派ミステリー

以下は保坂典人氏談

 中村敦夫さんとは、年に数回お話をする間柄だ。年明け早々にお話する機会があった。中村さんは、昨年の1月に『ゴミを食う男』(徳間書店)を上梓していて、未だ入手していなかった私は、直接に本を頂いた。国会の仕事に入ってから、小説・フィクションを読む機会が激減した。国会の質問などをする前に、数冊の本を読んで準備をすることになり、雑誌や論文、新聞記事など時間が許す限り、資料を読んでいる時間が多い。逆に言うと、その時間が多すぎて小説や文学にひとときを委ねる余裕がなくなってしまっているのだろう。ということで、久しぶりにサスペンス仕立ての推理小説『ゴミを食う男』を読んだ。文句なしに、面白かった。「環境文学」という新ジャンルを開拓したいと中村さんは言っていたが、ぜひ本ブロクの読者に一読を進めたい。まずは、中村敦夫さんのHPから『ゴミを食う男』の内容を覗いてみよう。

[引用開始]

第6作目の小説「ごみを喰う男」を1月24日に出版します。政界で環境主義を唱えて活動した中村が、豊富な資料を駆使し、1年がかりで、ごみ問題をめぐるミステリー小説を書き上げました。日本ペンクラブ環境委員会副委員長としても、環境文学の登場を提唱し、自らの筆で新ジャンルへの挑戦を開始しました。

【内容】
 主人公の探偵は、野鳥観察が趣味の禅僧・柳沢法舟です。ある朝、多摩川上流で助手の三休とバードウォッチングをしていると、渓谷から男 の死体が流れてきます。
 警察に通報するのですが、逆に容疑者扱いを受けて窮地に追い込まれます。この地域では、ごみ処分場建設をめぐって行政と住民が対立しており、トラブルが絶えません。そのうち、第二の殺人事件が発覚します。おりしも、国政選挙の真っ只中で、この地は大混乱に陥ります。
 法舟は、事件の渦に巻き込まれ、自らの手で事件の解決に取り組むことになります。そのうち、法舟自身にかかわる45年前の迷宮入り殺人事件まで蘇ってきます。物語は、スリルとサスペンスたっぷりで、独特の文体でスピーディーに展開します。

 発売日:2007年1月23日
 出版社:徳間書店
 ネット販売:Amazon



仙台筋弛緩剤、点滴混入事件
守大助勾留日記
刊行しました!!



■僕はやってない! 守大助・阿部泰雄著

 仙台市の北陵クリニックでおきた筋弛緩剤点滴混入事件で逮捕・起訴された元准看護士・守大助被告(30)の勾留日記・勾留手記を全面公開した書籍を緊急出版いたしました。

  守大助氏は逮捕直後から大学ノートに日記を書きとめ、過酷な取り調べや無実の訴え、また家族や恋人への想いをつづっています。本書で阿部泰雄弁護士がのべているように、鑑定資料の信憑性もなく、冤罪の可能性が高まっています。被告本人が公判前に自らの無実を訴える本書。

 是非ご一読を!!

 
四六判/上製  ◎本体1,400円+税
 明石書店編集部からののメッセージ 




発行所=金曜日
横田一 佐高信
 『週刊金曜日』編集部

1,050円(本体1,000円+税)
2006年6月
4906605133


■トヨタの正体

 以下は著者の横田一氏が私(青山)が代表を務めるNPO環境行政改革フォーラムのメーリングリストに投稿された内容を横田氏の承諾を得て転載したものです。

 横田一さんは政策学校一新塾一期生(青山は一新塾の代表理事です)。

  トヨタの工場が集中する豊田市と名古屋港を結ぶ「伊勢湾岸道路」(地元では”トヨタの荷出し道路”と呼ばれています)が、愛知万博に間に合わせるために急速に整備されたこと(政府自民党からトヨタへの一種の利益供与)、その一方、去年の総選挙では、奥田会長(当時)の号令でトヨタグループをはじめ名古屋財界が自民党候補を応援したことなど両者の癒着関係(ギブアンドテイクの関係)を紹介しました。その他には、以下のことを取り上げました。続編もやりたいと思っていますので、トヨタ関係の話がありましたら、ご一報いただけますと幸いです。

・ハリウッドスターがアカデミー賞授賞式にプリウスに乗ってきたのは、トヨタが車を無料貸与した環境団体の仕掛けだった。しかもLCA(ライフサイクルアセスメント)をすると、走行距離が短いとハイブリッド車はガソリン車よりも「環境に優しくない」こと

・トヨタがGMなどと一緒にカリフォルニア州の厳しい環境規制が違法(州政府が決めるべきこと)と訴えたこと(環境のトヨタのイメージとギャップ有)

・レクサスはマークXと同じ車体構造だが、内装を豪華にして高級車として高く売っていること・トヨタマンが圧死したプレス機からは安全装置が取り外されていたこと(人間の確認に頼る方式に変更)

・トヨタ関連の部品会社では日系外国人が昼夜二交代(12時間労働)で勤務、労災事故で亡くなった日系ブラジル人に対して支払われた見舞金は30万円。

 現在この本は、5万8千部が発売されたそうです。トヨタ方式は日本の学校教育に悪影響を与えていると思います。トヨタなどが出資する中高一貫校は授業料が年間300万円で、教育格差を広げるものだと思います。「愛知県は学校もトヨタ方式と呼べそうなくらい管理が厳しく、置き去り・切捨て御免」という話は、トヨタ研究の第一人者の猿田正機教授も本の中で指摘していました。














■パブリック・アクセスを学ぶ人のために




新刊紹介:東京新聞社会部編:
あの戦争を伝えたい(岩波書店)

 
本書は、東京新聞社会部の佐藤敦総括デスクと社会部の記者たちが足を使ってアジア、太平洋地域を歩き回り、今なお戦争体験を持つひとびとに直接インタビューした非常に貴重な記録である。

 現地で直接本人に取材。帰国後記事を執筆し、東京新聞に連載した。それら57本の記事を、「あの戦争と伝えたい」という題で一冊にまとめたものである。

 社会部にいる友人の佐藤直子さんから届いたメールによれば、本著は、「戦後60年の取材で沖縄、韓国、インドネシアを旅しました。戦時下のメディアの責任を考えるシリーズでは、当時記者だった東京新聞のOBにもインタビューしました。それらは連載として57本の記事になりましたが、このたび、それを一冊にまとめましたので、お送りさせていただきました」というもの。若い世代にこそ、ぜひ、一読して頂きたい一冊だ。(青山貞一)




■新刊紹介:一新塾 編著「一新力」 
 発行:文屋
 

 あなたは自分をALL CLEAR、すなわち一から出直す 勇気、ありますか?

 
一新力は、多くの政治家や起業家を世に送り出している政策学校「一新塾」のメンバーや講師が書いた貴重な人生記録です!

 あなたも、ぜひ、自分をご破算にして、人生を一からスタートして下さい。この本は、あなたの人生のバイブルとなります。

 一新塾は政策コースと起業コースの2つのコースがあります。私(青山貞一)は代表理事として、主に前者を担当しており、すでに多くの国会議員、県議会議員、市区町村議員を輩出しています!




■新刊紹介:山本佳世子著 古今書院

GISによる環境保全のための
土地利用解析〜環境情報の共有化〜

 本著は地理情報システム(GIS)をりようすることによりどのようなことが可能となるのか、GISの応用研究とはどのようなものであるかという点について、筆者が勤務していた滋賀県琵琶湖研究所周辺の琵琶湖とその集水域など環境的要因と都市地域における土地利用規制の解析、評価を事例として、研究した成果をとりまとめたものである。

第一章 GISによる土地利用解析の意義
第二章 ケーススタディエリアの概要
第三章 土地利用及び土地利用変化の特性把握
第四章 土地利用基本計画における土地利用規制の評価
第五章 都市地域における土地利用規制の評価
第六章 市街化予測結果をもとにした土地利用規制の改善策の提案
第七章 結論とGISの今後の発展可能性

 現在、国、自治体はじめ各所でGISが調査、研究、プランニング、政策立案等に援用されている。しかし、現実にはかなりの投資をしてシステムを導入しても、さまざまな要因、課題により所期の目的を達成できない場合が多い。そのひとつの理由は、関係する部署での情報の共有化がうまくゆかないことにある。 本書では、主として環境情報と土地利用情報の2つの分野を
事例にして、情報を共有化する具体例を示そうとしている点に着目したい。(青山貞一、GIS学会会員)