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増上寺・寛永寺の灯籠

世田谷区の実相院に17基 (2)

青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
December 26 2017
独立系メディア E-wave Tokyo
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1.はじめに        2.ハードな歴史修正主義?  3.実相院紹介 
4.実相院の歴史      5.実相院の境内、伽藍   6.灯籠現地調査  
7.刻印確認調査@   8.刻印確認調査A    9.刻印確認調査B  
10.刻印確認調査C  11.調査結果    12.全体コメント           


増上寺にある徳川家の紋章 
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-11-12


実相院本堂外観の上部にあった豊臣家の紋章
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2017-12-22

2.ハードな歴史修正主義?

 灯籠問題は金銭的利権もさることながら、今時の言葉で言えば、ハードな歴史修正主義と言えます。受ける寺院も寺院です。
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 さらに、西武堤氏側は、灯籠や門だけでなく、増上寺にあった著名な六代家宣正室の天英院、近衛熙子の宝塔、十一代家斉正室廣大院、近衛寔子の宝塔、それに江戸幕府三代将軍、徳川家光の側室で五代将軍・綱吉の生母、桂昌院、通称は「お玉の方」の宝塔を、縁もゆかりもない東京都多摩部にある長命寺や埼玉県所沢市の堤氏がつくった狭山山不動寺に移設しています。


桂昌院お玉の方の宝塔 出典:、J桂昌院宝塔 狭山山不動寺
  撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-11-24
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 桂昌院は側室ではあれ五代将軍・綱吉の生母です。徳川将軍家では、正室で男子を生んだのは、二代将軍の秀忠の正室、崇源院(通称、お江の方)くらいであり、他は側室が将軍を生んでいるのです。その崇源院のためにつくられた「丁子門」(もともとは増上寺にあった国の重要文化財)まで自分がつくった寺に移築しています。これもまさにハードな歴史修正主義と言えます。


丁子門の前で
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2014-11-12


丁子門 背面
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2014-11-12


狭山山不動寺にある旧台徳院霊廟の御成門(重要文化財)  
  撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-11-24


狭山山不動寺にある台徳院霊廟の勅額門
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-11-24

 最もひどいのは、天英院、近衛熙子の宝塔と廣大院、近衛寔子の宝塔です。これらは東京都清瀬市にある長命寺の本堂の前に、ありあわせの台座の上に、何の説明もないまま移設されています。


長命寺本堂と本堂の前に鎮座する2つの宝塔
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-22

 なお、上記の台徳院、崇源院、天英院、広大i院、桂昌院の多宝塔がもともとあった場所は、以下の戦前の増上寺御霊屋図にその位置規模などを見ることができます。


昭和20年の繊細以前の増上寺霊廟図  出典:増上寺配付資料


つづく