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本コラムの分類<世界紀行>
◆円高を生かし世界を旅しよう! (1) (2) (3) (4) (5) 世は円高である。日本の新聞、テレビのニュースだけを見ていると「円高=悪」という論調ばかりだ。しかし、何も世の中、輸出産業、企業だけでない。 私たち一般人にとって、これだけの円高は外国製品を買ったり、海外旅行に行く上でまたとないチャンスでもある。 またいくら日本政府や日銀が円高に介入しても、おそらく円高は今後も進むだろう。 ※ 円急伸、一時1ドル83円台 介入後の高値更新(日経新聞)1ドル=70円、1ドル=60円と進む可能性がある。同志社大学の浜 矩子教授は、ごく最近、テレビ番組で最終的には1ドル=50円まで行くのではと述べていた。 浜教授の専門は国際経済のマクロ分析である。1ドル=50円はまだしも、1ドル=80円、1ドル=75円になる可能性は十分ある。 もちろん、浜教授が予想するような円高になれば自動車や家電製品など加工貿易で輸出が中心となっている日本企業は壊滅的な打撃を受けることは想像に難くない。 今、政府や経団連が円高を忌み嫌っているのは、あくまで輸出産業、企業だけを重視しているからである。経団連などまさに上場の輸出産業の利権団体にすぎない。 もちろん、日本の産業、企業が輸出が中心であることは間違いなく、これ以上円高が進めば、もとの大企業だけでなく、下請け企業、孫請け企業などが大変な影響を受けることになる。さもなくとも深刻化している日本の雇用がさらに厳しい状態にならざるを得ない。 かといって、グローバル化した今の世界で、円高を日本政府や日銀の介入で抑制することは非常に困難である。実際、最近2−3兆円規模で行った日銀などの介入では、一時2円ほど円安になったものの、すぐにもとの水準に戻っている。 今の円高が本当に日本の経済力の実態を表しているかという問題はあるにせよ、かといって自分たちの都合だけで為替レートをどうにかできる問題ではないのだ。 したがって、私たち一般市民、消費者は自分たちなりに、この円高状況に対して自衛措置をとらなければならない。自衛措置などと言うと大げさだが、円高メリットをいかに活用するかがその場合のポイントとなる。 当然のことだが、円高となれば、私たちの生活に関連する電気代やガス代はじめ輸入品の価格は下がることになる。電気もガスももとは石油、天然ガスを輸入しているからだ。自動車や家電も、欧米諸国や韓国などが製造しているから日本製品以外で良ければ、LGやサムスンのテレビやアウディ、ヒュンダイの自動車は今よりさらに安く買える。アップルのコンピュータもそうだ。 今後、輸出産業、企業ばかりの日本の産業構造、企業体質を変えてゆかなければならない。また円高に強い企業や第三次産業を大いに起業すべきときに来ているとも言える。今までは、あまりにも輸出企業ばかりが幅をきかしてきたことのツケがでてきたとも言える。 現在アジアでは日本自身がたどってきた道をたどっている。アジア諸国は安い人件費と習得した高度技術を武器に、良いものを安く先進国市場に輸出している。日本がいつまでもワンパターンの加工貿易立国で生きて行けるはずもないのである。そもそも、日本の家電メーカーにしても、パソコンメーカーにしても、食品メーカでもアジア諸国に生産の場を移しているではないか。 政府やエコノミスト、評論家はデフレ、デフレと騒いでいるが、そもそも上記のような状況ではアジア諸国からそこそこ高品質で廉価な製品が洪水のように流れ込み、また航空運賃一つとをっても国際競争にさらされるサービス分野では競争が激しくなるから、サービスもリーズナブルにならざるを得ない。流通革命も低価格に貢献している。 本来これも消費者にとっては大いに歓迎すべきことといえる。 つづく |