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◆特集:住民無視で暴走する岡山市北区の火葬場建設問題
図5(建物配置イメージ図2)をよく見ると、手書きでアスベスト(石綿)が埋め立てられている位置について特記されている。 図5 廃止された安定型処分場跡地 石綿(アスベスト)は、それを体内に吸い込んだ人が塵肺、肺線維症、肺癌、悪性中皮腫(ちゅうひしゅ)などの健康被害を起こすことで知られている。アスベストは、耐熱性、絶縁性、保温性に優れ、断熱材、絶縁材、ブレーキライニング材などに古くから用いられ、「魔法の鉱物」と重宝されてきた。しかし、高濃度長期間暴露による健康被害リスクが明らかになったことで、アスベスト含有製品の生産や建設作業(アスベストの吹きつけ)に携わっていた従事作業者の健康被害が問題となった。 日本では、アスベスト含有製品生産や建設作業に携わっていた作業者の健康被害に対する補償が行われてきたが、2005年にアスベスト含有製品を過去に生産していた工場近辺における住民の健康被害が明らかになったことで、医療費等の支給など救済措置のための法律が制定されることになった。また、アスベスト製品がほぼ全廃された現在においても、吹きつけアスベスト、アスベストを含む断熱材などが用いられた建設物から、解体時にアスベストが飛散することが問題とされている。 そのようなことから建築物の解体又は改修工事において石綿が発生する場合は、特別管理産業廃棄物管理責任者の設置が義務付けられている(法第12条の2第6項)。 したがって万一、アスベストが安定型最終処分場に埋め立てられているとすれば、法的に問題になるだけでなく、アスベストの埋め立ての調査さらに除去などをすることなく、用地の盛り切り工事を含め土地の造成工事などできなくなる。 以下は環境省の<廃棄物処理法における廃石綿等の扱い>である。 廃棄物処理における廃石綿(廃棄物アスベスト)についての扱いが書かれている。産廃業者が以下を遵守していたとは到底思えない。
現地で入手した膨大な資料を見ていたら、岡山市市民文教委員会 追加資料 No.2として図7の地図があった。出所は岡山県の生活安全課(平成25年12月18日)である。この時期は、岡山市が産廃処分場跡地を買収するため市議会に資料を出し説明していた時期である。 岡山市が文教委員会で市議らに配布したこの地図を見ると、はっきりと敷地内に「石綿埋設位置」と明記されている。つまり、市役所はアスベストが埋め立てられていることを知りながら宅地並みの高額で処分場跡地を購入したことになる。 図7 岡山市市民文教委員会の追加資料 No.2の主要部分 下は青山が産廃処分場跡地の正面玄関前から撮影したものである。図7の「石綿埋設位置」が写真の正面、法面の下部に相当する。とりたてて「石綿埋設位置」にフェンスなどがないことが分かる。 写真 産廃処分場跡地の正面玄関前から 「石綿埋設位置」を撮影したもの 撮影 青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-6-14 参考(写真1再掲) 処分場跡地の斎場建物予定地前にある正門ゲート 撮影 青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-6-14 岡山市が産業廃棄物最終処分場跡地を宅地並みの高額で産廃業者から買ったことそのものが問題であり、先に見たようにどう見ても現状で環境省の「廃止基準」を満たしているかどうかも疑わしいのだが、何と買った土地のど真ん中に猛毒のアスベストが埋設されていたのである。 岡山の弁護士が私達の研究所を最初に訪れたとき、弁護士は市役所は、敷地のに建物を建ててしまって掘り起こさないから問題ないというような話をしている、とか言っていたようだが、今時、政令指定都市となった役所の幹部がこんな認識しかもっていないこと自体、大問題である。 これだけでも、耳を疑う話しである。 つづく |