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◆特集:住民無視で暴走する岡山市北区の火葬場建設問題
本論考(ブログ)をここまで読み続けてこられた方々は、疑問に感ずることがあると思う。仮に岡山市が産廃業者と何らかの理由で癒着し、火葬場建設の場所を岡山県岡山市北区富吉地区の安定型処分場跡地に使用としたとしても、自民党系議員が60%を超す市議会はまだしも、地元が賛成するわけはないと思うであろう。 おっしゃるとおりである。 いくらなんでもこれほど理不尽で不透明な用地買収について、市議会や地元町内会が反対しないはずは無いと思うのは当然である。 青山もその点が一番気になっており、現地では執拗に住民や非自民系市議会議員にその経緯について聞いた。 私の6月14日夜7時から9時に開催された講演会には、岡山市議会から4名の非自民党系議員が参加された。無所属2名以外に公明党、共産党の市議も参加され、始まる前に議論した。さらに現地到着後から東京に帰る直前まで多くの関係者と議論した。 まず市長だが、平成に入ってから新たに市長となったひとは、以下の通り4人いる。現在の市長、大森雅夫氏は国土交通省の官僚をしていたひとである。おそらくこの大森雅夫市長は本件のキーパーソンではないと思える。新火葬場の用地問題が具体的に地域の問題となったのは、平成24年9月であることからも、谷茂男氏が市長だったときの事案であることは間違いないところである。この谷茂男前市長は多くの人が何を考えているかよく分からない、存在感のないひとだったと述べている。現職市長とともにプロフィールを以下に示す。 表 近年の岡山市長
新火葬場の用地問題は、間違いなく谷茂男前市長と大森雅夫現市長に関わる問題であるが、多くの方々と議論した上で率直に感じたことは、キーパーソンが岡山市側の前市長や現市長ではなく公園や火葬場などの建設を所管する市民局の関係者ではないかということだ。 これは会って話した大部分のひとの一致した意見であった。ただ、調べれば市民局は火葬場設置準備室の役割を持っているので、当然、この部署が市議会対応はじめ事業者対応、市民対応をしてきたことは間違いないところである。ただし、実際は産廃業者(事業者)の意向を受け動いた市議会議員がいるという情報もあった。 岡山県市民局 さらに会った市議や冨吉地区の住民からは、岡山市役所は複数の立地代替案を検討したが、冨吉以外は住民の反対があったから外したとしている。また岡山市は条例で県道沿いに火葬場を立地する場合には道路から200m以上奥に建設することとしているが、岡山市は自分たちがつくった条例を反故にし、県道に面し火葬場を計画したと述べている。 一方、現地市民団体が平成26年4月6日に作成した「富吉地区 斎場建設に関するこれまでの経緯」という資料を見ると、立地選定などでの市民合意がいかに杜撰で虚偽に満ちていたかが分かる。以下を見れば、冨吉地区が立地や計画に賛成しているというのは真っ赤なウソであることが分かる。町内会長らを使い情報操作の世論誘導をしていることがよくわかる! 火葬場建設をめぐっては、岡山市北区の4つの地区が関係している。結論から言うと、安定型処分場跡がある富岡地区はじめ三和地区そして田原地区の3地区は、平成25年1月18日に立地反対の陳情署名を出している。 4つの地区のうち3つの地区が反対、残りの1地区も半分の世帯が反対しているとのことである。 第二回 反対の陳情書・反対署名 富吉地区 80世帯 175名 三和地区 34世帯 103名 田原地区 36世帯 80名 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 合計 150世帯 358名 さらに平成25年11月16日に富吉町内会臨時総会が開かれている。その結果は以下の通りである。 出席者 34名 委任状出席 26名 合計 60名 立地に賛成 3票 立地に反対 53票 白票 1票 として反対を決議している。 地元地区はじめ4つある地区の3地区の世帯、住民の多くが反対なのに、なぜ、富吉町に立地がきまったのであろうか? 最大の謎はそこにある。 その最大の問題は、4つある関連町内会会長の暗躍である。 周知のように呼び名はいろいろあるものの町内会、自治会などは、いずれも法的には何の根拠、権限もない組織なのである。 これについては、過去、他県ではあるが町内会と会員の間でいくつか訴訟が起きているが、いずれも町内会側が敗訴している。しかも最高裁判例となっている。以下にそのうちの2事例を示す。
にも関わらず、どの地区でも町内会長が岡山市の意向を受け、地区の住民を臨時集会と称して集め、会長など何ら法的根拠も無いのに、本来、岡山市役所の担当者が説明すべき公共施設(火葬場)に関する立地選定地の概要について述べる。そしてこれに賛成すれば地区にとって、今後あれこれ市役所が便宜を図ってくれるというような、何ら根拠のないことで、はじめて集まった住民に条件付き賛成を迫る。 永年、大きな問題を抱えていなかった地区の多くの世帯は、詳細を知らされぬまま、とりあえず条件付き賛成となる。 たとえば、処分場跡地がある富吉地区の場合、「富吉地区 斎場建設に関するこれまでの経緯」に次のように記載されている。 平成24年9月29日 富吉臨時総会 出席者 60名、委任状出席 12名 合計 72名 賛成37票、委任状(賛成)12名= 49名 反対 23票だが、議事録に反対者数の記載なし。 平成24年10月15日 4地区町内会連名の意見書提出 平成24年11月28日 町会長、斎場建設承諾書を岡山市に提出 平成24年11月29日 第一回 富吉地区 反対の陳情書・署名提出 何と、市役所の説明会は、この後開催される! 平成24年12月13日 第一回 馬屋上学区説明会 その一ヶ月後には、以下にあるように、4地区のうち3地区が反対の陳情書を出し、反対署名を市役所に提出することになる。 平成25年1月18日 第2回 反対の陳情書・反対署名 富吉地区 80世帯 175名 三和地区 34世帯 103名 田原地区 36世帯 80名 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 合計 150世帯 358名 「富吉地区 斎場建設に関するこれまでの経緯」では、上記のような経過が延々とつづくことになる。要するに、本来最初に市役所が説明会を開くべきであるのに、市役所職員らが町内会長を集め、何はともあれ承諾書をとって欲しい旨を町内会長伝え、まともな説明をしないまま、条件付き賛成という承諾書を勝手に市役所に出しているようだ。 これは3つの地域の住民からほぼ、同じ内容の話しを聞いた。その後、住民が町内会長にいくら反対の署名簿などを出しても受け取らず、何の返事も回答もないとのことで、これも3地区とも同じである。 その後、市役所に上記の経緯、事実を伝えても、町内会内部の問題なので市役所としては関わりの無いことの一点張りとのことである。これも3地区ともに同じ対応である。 要するに上述のように法的には何んら行政の下部組織でもない町内会の会長が、いいように市役所やおそらく議員らに使われ、町内会長は都合の良いことを並べ立て、早期段階に条件付き賛成を得ると、その後は町民に対し何ら説明責任を果たさず、逃げ回っているというのが実態である。 「富吉地区 斎場建設に関するこれまでの経緯」はA4で3頁に及び、富吉小畑地区では、平成25年12月1日、富吉小畑地区住民に、「新自治会設立準備趣意書」を配布、新町内会設立に向け賛成を得、まとまる、とある。 町内会長があまりにも酷いので従来の町内会から抜け出て新たな町内会を設立することまで記されている。 つづく |