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シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

大唐西市博物館 視察31

胡服胡飾

(Xi'an 中国)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月22日 更新:2019年4月~6月 更新:2020年4月1日
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 本稿の解説文は、現地調査や現地入手資料、パンフなどに基づく解説に加え、百度百科中国版から日本への翻訳、Wikipedia 日本語版を使用しています。また写真は現地撮影以外に百度百科、Wikimedlia Commons、トリップアドバイザーさらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビュー、百度地図などを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名を記しています

大唐西市博物館視察31



 胡服胡飾

唐時代の胡服胡飾

撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

唐時代の胡服胡飾 テキスト化

 唐代は全面的に開放された社会であり、あらゆる川がすべて海に帰するが如く全てがここに集まり、その学習精神は中国封建時代屈指のものである。唐人の美しい服装もまた大量の異族によって融合され、形式上極めて特色的で色彩的にも雅やかで美しい。これと同時に、西方人の生活習慣もまた長安の民衆、特に好奇心旺盛な青少年の間に流行した。西市は長安東西文化交流の重要な場所であり、朝の風俗は流行の最先端であった。

唐時代の胡服胡飾

 注)中国において,北方の匈奴,西方のイラン,トルコなど漢民族からみた他民族 (胡人) が着た衣服の総称を意味します。特定の一民族の衣服をさす言葉ではなく,戦国時代にトルコ民族の衣服から取入れた革帯や唐代に流行したイラン系の服装などをいったものを指します。
 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典



撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

上段全8体
  左から5体:彩绘釉陶戴风帽俑=彩絵釉陶風帽俑
       (色絵釉薬の陶製で風除けの帽子をかぶった女性の俑)
  右端の3体:彩绘釉陶戴幞头男俑=彩釉陶帯幞頭男俑
       (色絵釉薬の陶製で帽子を身につけた男性の俑)

  注)幞頭(ぼくとう)
    律令制で、朝服とともに着用する冠。髻(もとどり)を入れてつつむ頭巾
    の類。四つの脚紐のついた中国の被り物にならったもの。

中段全9体:彩绘釉陶戴幞头男俑=彩釉陶帯幞頭男俑
   (色絵釉薬の陶製で帽子を身につけた男性の俑)
  
下段4体(左から)
   釉陶彩绘胡人俑(釉薬をかけた陶製の胡人=ソグド人の俑)
   仆役俑=僕役俑(使用人の俑)
   戴巾帽俑(フードをかぶった女性用)
   内侍俑(ないしよう)(女官:后妃の御殿の事務をする12司の一つである内侍司に仕えた女官)


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

左の馬に乗った女性 :彩絵戴帷帽骑马女俑=彩絵戴帳帽騎馬女俑
    (色絵のたれ絹のある帽子をかぶった女性の騎馬俑)

その左の馬に乗った女性 :彩絵戴笠帽骑马女俑=彩絵戴笠帽騎馬女俑
    (色絵の笠と帽子をかぶった女性の騎馬俑)

一番左の緑色鳥形の壺  :三彩灵龟穿带壶=三彩霊亀穿帯壺(さんさいれいきせんたいつぼ)
    (唐三彩製の神話に登場する亀の穿帯壺)

 注)霊亀(れいき) Wikipedia
  霊亀(れいき)は、古代中国神話等に登場する怪物の一種とされ、四霊
  の一つにあげられている。中国神話等では、背中の甲羅の上に「蓬莱山
  (ほうらいざん)」と呼ばれる山を背負った巨大な亀の姿をしており、蓬莱
  山には不老不死となった仙人が住むと言われている。
  東洋の神話等においては、亀は千年以上生きると強大な霊力を発揮し、
  未来の吉凶を予知出来たのではないかと言われており、霊亀もまた千年
  以上を生きた亀が強大な霊力を得た事で変異・巨大化したのではないか
  と言われている。 



彩絵戴笠帽骑马女俑=彩絵戴笠帽騎馬女俑
 (色絵の笠と帽子をかぶった女性の騎馬俑)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900



彩絵戴帷帽骑马女俑=彩絵戴帳帽騎馬女俑
(色絵のたれ絹のある帽子をかぶった女性の騎馬俑)
三か国語解説

◆Color-painted lady with a bamboo hat riding a horse
The lady is entirely colored with paint. She is wearing a black straw hat, a jacket with tight green sleeves and a round-collar, a half-sleeve short garment, red long skirt and black pointed shoes. The horse is standing with its head lowered down, mouth slightly open, ears pricked, long hair and the tail hanging naturally. The lady is riding the horse,holding the rein, looking forward with a dignified pose and peaceful expression, representing fittingly the ladies on the road in Tang
Dynasty. Museum collection

◆彩绘戴帷帽骑马女俑
女俑头戴黑色帷帽,上身内穿紧袖绿色长衫,外穿圆领半臂,下着红色长裙,足穿 黑色尖头靴。左手持缰,右手下垂,坐于马上,体态端庄,怡然自得;马站立,首低俯,嘴微张,竖耳长鬃,尾自然下垂。女子胡服骑乘再现了盛唐胡风流行的状态。馆藏

◆<日本語訳>彩色帽子とスカーフをかぶり馬に乗った女の陶製俑(像)
 この女性像は完全に色彩で着色されています。彼女は黒い麦わら帽子をかぶり、ぴったりした緑色の袖と丸い襟のジャケット、上には半袖の短い上着、赤い長いスカート、黒い先のとがった靴を身につけています。馬は頭を下げ、口をわずかに開け、耳を立て、長いたてがみと尾が自然にぶら下がっている状態で立っています。女性は手綱を握り、まっすぐ前を向いて堂々としたポーズ、なおかつ穏やかな表情で馬に乗り、唐王朝時代の道を進む女性に相応しい代表的な作品となっています。博物館収蔵。

出典:国連UNESCO世界遺産 シルクロード 



彩绘戴帷帽骑马女
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900



唐墓壁画調鶏戯犬図(複製) 乾陵懿徳太子墓出土
 (唐時代の墓の壁画、鶏を手懐けながら犬と戯れる絵)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

 注)乾陵(けんりょう) コトバンクより
  中国,陝西省乾県の梁山の山上にある唐の高宗と則天武后の陵墓。
  唐の盛運絶頂のとき,則天武后が営建したもので,規模が壮大,選地
  にも明確な特徴がみられる。陵墓の参道の両側に並ぶ石の飛竜馬,石
  馬,石人,石牌,特に 60の蕃酋石像が有名で,西安の北方にある唐朝
  十八陵のうち特に重要。

 注)懿徳太子墓(いとくたいしはか)
  懿徳太子,李重潤は唐中宗の長子であり,高宗の乾陵の南東にその墓
  がある。墓は方形で,南北56.7m,東西55m,高さ17.92mをはかり,土闕
  の南に石の獅子,石人,石の華表がたてられている。墓の内部は墓道,
  前室および石槨のある後室よりなる。唐三彩の人馬の明器が多く発見さ
  れたほか,特に40幅をかぞえる壁画は重要である。壁画には墓道西壁の
  闕楼の図や,馬球(ポロ)をうつ図,また男女の群像がある。李重潤は19
  歳で罪を構えられて則天武后の命により杖殺されたがその後706年(神竜2)
  中宗によって改葬された。



左が男性用、右が女性用の衣装
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900



 左が女性用、右が男性用衣装
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900


視察32へつづく