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●スコットランドは全能の「否」が支配する国! 繰り返すが、スコットランドは英国の一部でありながら、あくまでも独自性を主張してやまない地域だ。もともとスコットランドは誇り高い独立国家だった! そして、スコットランド、それは偉大な全能なる「否」が支配する場所なのである。 スコットランド気質は、安易に妥協しない、あくまで独自性を主張してやまない、理不尽なことには断固としてノーを突きつけるのである。たとえ100人のうち99人が賛成しようと一人で反対するのだ。 他方、99人が反対しようと、自分たちがいいと思うことは、どこまで自己主張しつづけ、実現させてしまう。 たとえば、こうした気質については、私達が何度もでかけたカナダ東端の小さな州、ノバスコシア州でも散見できる。 スコットランド人が北アメリカ大陸に渡ってつくったカナダの小さな州、ノバスコシア州(ラテン語 Nova Scotia、英語 New Scotland)では、世界の先進諸国が行っていない、ゴミを一切燃やさない、埋め立てないという稀有な政策を提案し、市民、企業の参加を得て実現している! ノバスコシアの循環型廃棄物資源化政策については、青山、池田は、大学の講義や各地の講演会で話してきた。その政策のユニークさは、おそらくスコットランドゆずりなのだろう! 出典:青山、池田の講演パワーポイント 出典:青山、池田の講演パワーポイント まさに、日本とは180度異なる国民性と言っても過言ではない。なんでもかんでもゴミにして、燃やし、煙と灰にして埋めてしまう日本とは全く異なる取り組みだ。 一方、イングランドは、あのアングロ・サクソンが中心の地域であり、また宗教も歴史的にはスコットランドがカソリック、イングランドはプロテスタント(英国国教会)で、水と油の関係にある。 スコットランドは1000年以降、何十回もイングランドの攻撃、侵略、虐殺行為を受け続けてきた。13〜14世紀、やっとのことでイングランドとの戦いに勝利し独立した。 しかし、その後も、イングランドの攻撃、侵略は止まず、メアリースチュアートがスコットランド女王のとき、時のイングランド女王、エリザベスは、イングランドの正規の王位継承権をもつメアリー・スチュアートを19年間も幽閉した後、断頭台に送り込んだ。 ちなみにスコットランドは、人口比でイングランドの1/12程度、面積比で1/3弱だが、歴史を見るとイギリスにとどまっていること自体不思議だったのである。 ●マスコミをほとんど信用しない国民性 スコットランドは、全能なる「否」が支配する国と言われているが、日本はどうだろうか? おそらく、無能なる「翼賛」が支配する国が日本だ。しかも、政官業学報の既得権益と利権が未だ国土全体を支配している。 これらを一掃することなしに、あらたな政策、国づくりは始まらない。 ところで、国民の民度を計る重要な尺度のひとつに、新聞、テレビなどのマスコミの記事、報道をどのくらい鵜呑にするか、すなわち「鵜呑度」が挙げられる。 日本は先進国そして何と世界で一番、国民がマスコミを鵜呑みにする国となっている。 その対極にあるのがスコットランドを含む英国だ。日本人の70%以上がマスコミを鵜呑みとするのに対し、英国はわずか14%、その後の調査では12.5%となっている。おそらくスコットランド人だけを対象にこの調査を行えば、スコットランドの「鵜呑度」はさらに低いはずだ。
今の日本人の多くは思考停止、役所も政治家も機能不全に陥っている。 そんななかで、日本人は、政府の広報機関と化しているマスコミの情報操作による 世論誘導には非常に乗りやすい国民と言える。 おそらく英国内でこの調査をイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドに分けて行えば、スコットランドの鵜呑度は10%を切るはずだ。 圧倒的な観客民主主義、お仕着せ民主主義、お任せ民主主義が支配する私達日本は、今後どうすれば良いか? 実際、私達は今回のスコットランド現地調査から多くのヒントが得られたと思っている。 つづく |