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先に示したようなまちづくりを行うためには、言うまでもなく、新たなリーダーが必要となります。リーダーは同時に社会変革者でもあります。 私は長野県知事の政策顧問をしていたとき、田中康夫さんとリーダー論を議論していました。下のミッション、パッション、アクションは社会変革者が具備すべき要件と言えます。 これは、政策学校一新塾でこれから首長や議員になる塾生にも絶えず助言、指導しているものです! 政治家、首長など、地域社会のリーダーにとって最も必要なことは、ミッションであることは言うまでもありません。しかし、いくら崇高な理念、哲学、使命感をもっていたとしても、それがまちづくりの現場で発揮されなければ何にもなりません。 理念を実行に移すためには、間違いなくパッション、すなわち情熱が不可欠となります。ひとはパッションによって、困難を乗り越えミッションを実行に移すことができるのです。 政権交代を果たすころの民主党には、覇気がありましたが、実際に政権を奪取した後は、次々に公約を反故にしたり、蔑にしていました。 次に、リーダーはさまざまな困難に対し、逃げてはいけません。当然、恐れず、怯まずの精神が必要となります。 今の巷の政治家を見ていると、ミッション、パッション、アクションがないだけでなく、困難に遭遇すると恐れ、逃げています。これでは政治家失格です。 さらに、議員と首長が決定的に異なるのは、首長はまちづくりのヴィジョン、シナリオ、プログラムを持たなければならないことです。ヴィジョンは、いうまでもなくまちづくりの目的・目標(将来の望ましい姿)を意味します。 シナリオは、方針、筋書きを意味します。ヴィジョンを具体的プログラムにするために必要な方針、筋書きです。誰がどうやって動くかも含まれます。何から先に予算を付けて実行すべきかといった優先順位も重要となります。 いくらすばらしいヴィジョンがあっても、それを絵に書いた餅とさせないためには、しっかりとしたシナリオが必要なのです。 そして、具体的に行うべきプログラムです。プログラムは個別具体に行う施策、事業を意味します。大切なことは、同じヴィジョンを達成するにも、プログラムはひとつではないということです。複数の案、代替案が必要です。 一つがうまくゆかなくても、それに代わる案があれば、それにトライすることが大切です。日本ではとかく案がひとつである場合が多く、それに挫折するとおしまいとなります。 しかし、一つ目の案がだめでも、二つ目、三つ目の案をあらかじめ考えておけば、すぐにそれらにとりかかることができるのです。 もちろん、それらの案をつくるには、町民への情報公開と町民の参加が不可欠であることは言うまでもありません。 さらに言えば、当然のこととしてリーダーには、主体性、正義感、自立性、自律性そして強い精神力と責任感が必要です。 同時に、まちづくりには首長の強いリーダーシップとともに、町民の参加が不可欠です。町民の意識が変わり町民がまちづくりに参加しなければ、決してまちは変わらないのです! これは議会についても言えます。 町長や役場任せ、議会任せではなく、町民が主権者として行政や議会を常に監視し、一人一人が自分の問題として新たな町造りに参加することが不可欠なのです。 つづく |