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初秋の

「信濃の鎌倉」を行く

(8)龍光禅院

青山貞一・池田こみち

掲載日:2014年9月20日
独立系メディア E-wave Tokyo
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初秋の「信州の鎌倉」を行く
(1)はじめに (4)別所温泉 (7)中禅寺薬師堂 (10)塩田城跡
(2)信濃国分寺 (5)常楽寺 (8)龍光禅院
(3)北向観音 (6)安楽寺 (9)前山寺 日本史年表

 中禅寺・薬師堂の次は、龍光禅院です。下の地図を見れば分かるように、龍光禅院は、中禅寺薬師院と前山寺の丁度間に位置しており、車なら5分足らずで行けます。
 

中禅寺・薬師堂の位置   出典:グーグルマップ 


塩田平の「信州の鎌倉」史蹟案内図。龍光院はまんなかにあります

  塩田北条氏の菩提寺です。

 格式ある門が見事です。鐘楼の棟には北条氏の紋である寺紋「三ツ鱗」が飾られています。黒門は享保17年(1732)の火災からも逃れており、本堂へ続く参道はたいへん趣があります。

 第一印象は、繊細さのある塩田北条氏の菩提寺です。

 下の写真は門が夕日を浴びて一層その繊細さが光っています。


格式ある龍光禅院の黒門
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

 黒門を入ったところで一枚。門の外に赤いアクアが見えます。


格式ある龍光禅院の黒門
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

 樹齢600年のケヤキが見事です


見事な樹齢600年のケヤキ
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

 この龍光禅院では、予約をすると3月から11月の間、精進料理の山菜膳(1,600円と2,000円の2種類)を味わう事もできます。



龍光禅院の沿革

 龍光院の創建は弘安5年(1282)塩田北条国時が父である義政の菩提を弔うため、月湲和尚を招いて開山したのが始まりと伝えられています。

 龍光院は塩田北条氏の菩提寺として庇護され、寺運も隆盛します。しかし元弘3年(1333)、新田義貞に組した為一族が滅びその後衰退します。

 慶長6年(1601)萬照寺六世瑞応が中興開山し当初の寺号だった仙乗寺を龍光院と改め曹洞宗の禅寺としました。

 参道には初代義政の墓が、塩田城跡には国時、俊時父子の供養塔が建立され、寺宝には狩野永琳の手による花鳥人物図屏風があります。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

 下は門をくぐりすぐの所にある八角をした羅漢堂です。

◆羅漢堂


八角をした羅漢堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日


八角をした羅漢堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日



八角をした羅漢堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日


 羅漢堂の内には、釈迦如来を中心に阿難尊者,迦諾迦伐磋損者,迦葉尊などが安置されていました。


羅漢堂の内の釈迦如来、阿難尊者、迦諾迦伐磋損者、迦葉尊など
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

 次に出会うのが以下の鐘楼です。

◆鐘楼


龍光禅院の鐘楼
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日


龍光禅院の鐘楼
撮影:池田こみち スマホ  2014年9月16日


◆本堂

 下は本堂です。入り口上部には立派な扁額があります。また本堂の中央には祭壇があり、その周りにはすばらしい屏風絵や襖絵があります。


龍光禅本堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

 時間は過ぎていましたが、自由にお入りくださいとあったので、本堂内部にはいりました。


龍光禅本堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日


龍光禅
本堂内部中央
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日


龍光禅本堂内部
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

 本堂内の左側に、狩野派の画家による寺宝の紙本花鳥人物屏風がありました!

 ここには寺宝の紙本花鳥人物屏風があります。上田市の指定文化財である狩野永琳の描いた屏風です。永琳は1787年に前山の保科弥惣右ヱ門の二男として生まれ江戸に上ったあと、狩野高信の門に入りました。

 その後、師の信頼も厚く師に代わり京都御所の龍を描き、その完成間近に同僚にねたまれ1806年にに毒殺されたといいます。41歳で非業の最期をとげています。 四季折々の花鳥それじ七賢人が六曲一双、十二枚に描かれた大作です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

◆龍光院本堂と狩野永琳筆屏風

 龍光院は、塩田北条氏の菩提寺といわれ本堂屋根棟にある北条氏の定紋「三ッ鱗」がその由緒を物語っている。

 寺宝の中に狩野永琳筆の屏風があり、上田市の指定文化財である。永琳は明和4年(1767)前山の保科弥惣右ヱ門の二男として生まれ、絵が得意であった。江戸の狩野法眼永徳の門に入りその上達が速かったので、師の信頼が厚かった。

 師に代り京都御所の龍を描き、その完成間際に同僚にねたまれ、文化5年(1806)に毒殺されたと伝えられている。この屏風は、六曲一双に12枚画かれており、四季の花鳥と七賢人を描いた大作で、江戸後期の狩野派の画風をよく現している。写真は龍光院本堂。


出典:上田市市指定文化財解説


◆座禅堂


座禅堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日


座禅堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2014年9月16日

 予想に違わず、龍光禅院は、コンパクトではありますが、稠密でひとつひとつの文物が精緻で精魂込めて建造されておりました。

 この時点ですでに、午後6時少し前となりました。


つづく