アンコール遺跡群現地調査報告 アンコール・ワット(Angkor Wat) 十字回廊 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 2019年2月24日公開 独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁 |
アンコール遺跡全体目次 <アンコール・ワット> はじめに 東門 第1回廊 第2回廊 第3回廊、中央祠堂 十字回廊 千神経蔵 前庭 経蔵・西門 概要 歴史 修復活動 ◆十字回廊 アンコール・ワット平面全図 アンコール・ワット立体図 出典:グーグルアースより作成 第3回廊、中央祠堂視察後、私たちは、十字回廊を通りテラスに出ます。 <歴史>のところで詳細を説明しますが、この十字回廊の一角には江戸前期、加藤清正の配下でアンコール・ワット訪れた日本人がいます。 その名は森本右近太夫といいます。森本右近太夫は、江戸時代前期の平戸藩士であり、あの加藤清正の重臣森本一久(儀太夫)の次男でもあります。 その森本右近太夫の名前を記した書や、日本人による14もの落書きが十字回廊に残っていると随行学芸員から聞かされました。 以下は、森本右近太夫による落書きの文面一覧です。 ・「寛永九年正月初而此所来 寛永九年正月初めてここに来る ・生国日本/肥州之住人藤原之朝臣森本右近太夫/一房 生国は日本。肥州の住人藤原朝臣森本右近太夫一房 ・御堂心為千里之海上渡 御堂を志し数千里の海上を渡り ・一念/之儀念生々世々娑婆寿生之思清者也為 一念を念じ世々娑婆浮世の思いを清めるために ・其仏像四躰立奉者也 ここに仏四体を奉るものなり ・摂州津池田之住人森本儀太夫 ・右実名一吉善魂道仙士為娑婆 ・是書物也 ・尾州之国名谷之都後室其 ・老母亡魂明信大姉為後世是 ・書物也 ・寛永九年正月丗日」 本稿の<歴史>に森本近右太夫の詳細があります。 以下は十字回廊の写真ギャラリーです。 森本右太夫の絵(落書き)と思しきものを最後に掲載しています。 十字回廊 出典:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 まさに回廊がクロスしています。 十字回廊 出典:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 森本太夫の絵(落書き)は以下の柱の一部にあります 十字回廊 出典:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 以下は十字回廊のそれぞれはずれにあった仏像と仏画です。 アンコール・ワット (トリップアドバイザー提供) 十字回廊と仏画 出典:グーグルマップ・ストリートビュー 十字回廊と仏画 出典:グーグルマップ・ストリートビュー 十字回廊の仏像と仏画 出典:グーグルマップ・ストリートビュー 十字回廊の仏像 出典:グーグルマップ・ストリートビュー 以下はアプサラと言うよりはデヴァタに見えるレリーフです。 アプサラと言うよりはアヴァタに見えるレリーフ 出典:グーグルマップ・ストリートビュー 森本右太夫の絵(落書き)と思しきものです。 出典:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 第1回廊と第2回廊の間の中庭の南西隅と北西隅に、それぞれ独立した石造りの建物があります。この建物は経蔵(ライブラリー)であったとされています。内部には、数体の仏像があるとの報告もありますが、現在は何も残されていないようです。 これらは北千神経蔵及び南千神経蔵です。次に、北千神経蔵及び南千神経蔵を紹介します。 千神経蔵につづく アンコール遺跡全体目次 |