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下北・津軽半島の風力発電ファーム

C外ヶ浜町(旧三厩村)


青山貞一

環境総合研究所(東京都目黒区)

掲載日:2014年5月31日
独立系メディア E-wave Tokyo
無断転載禁


速報1(17日)   速報2(18日)   速報3(19日)

@野辺地町・横浜町   C外ヶ浜町(旧三厩村)
A岩屋・風間浦村・佐井村   D五所川原市
B東通村・六カ所村   総括コメント



 下図は 青森県内にある主な風力発電ファームである。青森県内には約200基の風力発電施設があるとのことだが、今回の現地視察では、そのうち「おいらせ町」、「深浦町」以外の風力発電ファームのすべてを視察することが出来た。


青森県内にある主な風力発電設備(基礎自治体別)

 下の表は、字が小さく見づらいが、1997年5月から2012年12月までの間に青森県内に設置された風力発電設備の一覧である。

表  1997年5月から2012年12月までの間に青森県内に設置された風力発電設備の一覧

出典:http://www.nedo.go.jp/library/fuuryoku/case/pref_02.html


2014年5月19日

 翌日の5月19日(月)は、下図の黄線にあるように、青森駅前から津軽半島の東岸を北上し、津軽半島の突端、龍飛岬(外ヶ浜町)、その後、三月湖(五所川原市)、五所川原市、つがる市、弘前市を通り、夕方、青森空港に向かった。


黄線が現地視察ルート  起点:青森市   終点:青森空港

◆2014年5月19日 晴れ
  外ヶ浜フェリー乗り場
□ 平館海岸灯台
○ 平館道の駅
□ 高野岬灯台
□ 竜飛岬
○ 吉田松陰記念碑など
  竜飛岬展望レストラン
☆ 竜飛フインドファーム
△ 竜飛岬新幹線基地
□ 竜飛岬漁港
○ 太宰治記念碑
☆ 五所川原風力発電
☆ つがる風力発電

□ 小泊
□ 十三湖
○ 太宰治記念館「斜陽館」
□ 弘前城・公園
□ 岩木山
  この後、青森空港に向かい夕食後JAL最終便で帰京  

◆外ヶ浜町 

 朝8時半に青森駅前のホテルを出発した私達は、青森駅から津軽半島東海岸を海に沿って北上し外ヶ浜町に入る。外ヶ浜町は市町村合併で飛び地となった龍飛岬がある旧三厩村も含んでいる。この旧三厩村にウインドファームがある。

青森県内市町村地図  出典:マピオン

◆外ヶ浜町(そとがはままち)

 青森県北部、津軽半島の北東部に位置する町である。2005年(平成17年)3月28日に蟹田町・平舘村・三厩村が新設合併して誕生した。町域は旧蟹田町・旧平舘村の部分と旧三厩村の部分に二分されており、今別町を挟んで飛地となっている。

 前者は陸奥湾の入口にあたる平舘海峡に面しており、後者は津軽海峡北端部を占めており津軽海峡に面する。隣接している自治体は、五所川原市、東津軽郡今別町、蓬田村、北津軽郡中泊町である。

龍飛岬

出典:Wikipedia

 龍飛岬がある旧三厩村まで行く途中、平舘浜、高野崎などの景勝地を走る。津軽半島の東岸に一機も風力発電機がないのは、岩木山、十二湖、深浦海岸、十三湖などを含む津軽国定公園指定のためだろうか? 何しろ東海岸には一機もなかった。

 今回の青森現地視察でまわった下北半島、津軽半島の突端、岬はどこもすごく風が強かった。この外ヶ浜町や今別町も強い風が吹いていたことからすれば、間違いなく津軽半島の東端、北端も風力発電適地のはずである。


平舘灯台にて
撮影:斎藤真実


津軽半島高野崎にて  何しろ風が強い!
撮影:斎藤真実

 そうこうしているうちに、石川さゆりの歌、「津軽海峡冬景色」で一躍,全国区となった龍飛岬に到着する。"よしだたくろう & かまやつひろし" 名義の歌でそのまま「竜飛崎」というタイトルの曲もあるほど有名な岬であり景勝地だ。曲と歌を聴いていると、冬の寒々とした津軽海峡、龍飛岬の光景が浮かんでくる。


龍飛岬  出典:Wikipedia

 龍飛岬は青森県内でも最も風が強い岬だそうで、歩くのがやっとであった。


龍飛岬にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-5-19

 実際,下の写真にあるように龍飛岬は「風の岬」で有名である。この日は龍飛岬で一番高いところにある展望レストランで食事をとる。何でも、龍飛岬にはあの吉田松陰も来ているとかで、吉田松陰が龍飛岬を訪れた際のコメント(笑)も残っていて、レストランのおばさんがわざわざカラーコピーした吉田松陰のコメントを持ってきてくれた。


龍飛橋の欄干にある龍の彫像
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-5-19


風の岬 龍飛岬にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-5-19

 上述したように龍飛岬がある地も、外ヶ浜町である。

 龍飛岬で休憩を取った後、私達は、龍飛岬漁港に降りた。下は龍飛岬漁港から撮影した津軽海峡先に見える半島は下北半島。その先に大間岬がある。
 

龍飛岬漁港から見た津軽海峡
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-5-19
 
 この後、外ヶ浜町で唯一風力発電所がある日本海側の旧三厩村方面に向かう。天気も良くすばらしい景観が眼前に展開する。


龍飛岬と旧三厩村の龍飛ウィンドパーク
出典:グーグルマップ

 行く手に大きな風力発電機が見えてきた。これが龍飛ウィンドパークの風力発電機である。


竜飛ウィンドパーク
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-5-19


龍飛ウィンドパーク
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-5-19

◆外ヶ浜町(旧三厨村)の風力発電

2003年 3月  三厩観光開発(株)  外ヶ浜町(旧三厩村)
         定格:750kW、 1基、総出力:750kW、
         メーカー;Lagerwey、売電事業

2010年12月  (株)津軽半島エコエネ 外ヶ浜町(旧三厩村)
         定格:1675kW 2基  総出力:3350kW
         メーカー:日本製鋼所、売電事業

 当初一機しか見えなかったが、展望台に上ったら3機が見えた。自然景観と相まってすばらしい光景である。

 調べたところ、ここにある3機と最初に見えた1機は別もののようであり、最初の一機は竜飛ウィンドパークの名残であり、後の3機は旧三厩村のウィンドパークであることが分かった。下の解説を参照のこと。

◆竜飛ウィンドパーク(たっぴウィンドパーク)

 青森県東津軽郡外ヶ浜町(竜飛崎)にあった集合型風力発電所である。1992年(平成4年)3月に、東北電力がNEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)と共同で設置した風力発電実証研究設備である。設置当時は国内最大規模の集合型風力発電基地であった。現在はほとんどの風車が撤去されており、ホテル竜飛のそばに建つ1基が残るのみである。

 運営当時は、4種類11台の風力発電装置(合計設備容量3,375kW)で、風車の保守合理化や、効果的雷対策などの実証研究を行っていた。また、施設内には風車の模型や風力への体験装置を備えた「展示館」があり、4月25日?11月10日の期間開放されていた。

 同所の風車は小型であるため効率が悪く、また老朽化が進んでいたことから、2007年(平成19年)3月末日に実証試験を終了することが決まり、同日廃止された。なお、展示館は同年9月まで営業を継続した。土地及び変電所設備については、外ヶ浜町と第三セクター津軽半島エコエネに譲渡することで基本合意し、2008年にほとんどの風車が撤去された[1]。同社は跡地に2基の風力発電装置(合計設備容量3,350kW)を建設、2010年(平成22年)10月に竜飛風力発電所として運転を開始した。
 
 ホテル竜飛にも風車が1基あり、ホテルで利用する電気を太陽光発電と併用して供給している。また、展示館は隣接する青函トンネル記念館と廊下でつながっており、閉館となった現在も記念館の展示室を経由して入ることはできる。しかし、展示設備の中には既に正常に稼働しないものがある。

出典:Wikipedia


外ヶ浜松(旧三厩村)のウィンドパーク
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-5-19

 この辺は外ヶ浜町から中泊、五所川原と続く津軽半島の一大景勝地である。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-5-19

つづく