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イスタンブル(Istanbul、トルコ)

地下宮殿


青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月
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 次はトルコのイスタンブルの地下宮殿です。

◆地下宮殿 イスタンブルIstanbul、トルコ)


地下宮殿(イェレバタン貯水池) の位置
出典:グーグルマップ

 地下宮殿(ちかきゅうでん)の通称で知られるバシリカ・シスタン (Basilica Cistern) は、トルコ共和国のイスタンブールにある東ローマ帝国の大貯水槽です。

 トルコ語では「地下宮殿」を意味するイェレバタン・サラユ (Yerebatan Sarayı) 、あるいは「地下貯水池」を意味するイェレバタン・サルヌジュ (Yerebatan Sarnıcı) という名前で呼ばれています。

 現存する東ローマ帝国の貯水池としては最大のものです。現在は一般にも公開され、イスタンブール歴史地域として世界遺産にも登録されています。

概説


イスタンブル 地下宮殿
CC BY-SA 2.1 es, リンク
Source:Wikimedia Commons

 この大会堂規模の大きさを持つ貯水池は、東ローマ帝国の皇帝ユスティニアヌスによって建設されたものです。かつてここには柱廊によって囲まれた中庭を有するフォルムのような空間があり、裁判や商業活動に利用されていました。ユスティニアヌス帝はこれを解体し、最も南にあった柱廊の部分を掘り下げて、この貯水槽を設置しました。

 貯水槽は長さ138m・幅65mの長方形の空間で、高さ9m、1列12本で28列、合計336本の大理石円柱を備え、それぞれが煉瓦造の交差ヴォールトを支えます。

 これによって78,000m3の水を貯えることができます。円柱のうち、98本は5世紀に流行したアカンサス柱頭を備えたもので、おそらく流行遅れの在庫処分品であったと思われます。このほかにも、目玉飾りで覆われた柱身や、メデューサの顔が彫られた古代の石塊を土台にするなど、特に美的効果を必要としなかったために半端な材料が用いられました。

 壁体は、水を通さない特殊なモルタルでおおわれた厚さ4mの耐火レンガの壁に囲まれています。コンスタンティノポリスの給水については不明な点が多く、この貯水池の水がどこからやってきたのかについては明確ではありません。おそらく街の北19kmにあるベルグラードの森から供給されたと考えられていますが、現在残る水路はオスマン帝国によって作られたもので、「ユスティニアヌスの水道橋」と呼ばれるものも16世紀に創られたものです。

 この貯水池は、ジェームズ・ボンドの映画『007 ロシアより愛をこめて』の撮影場所として使われました。その後、補修作業を行った後に1980年から一般公開されています。


イスタンブル 地下宮殿
CC BY-SA 2.1 es, リンク
Source:Wikimedia Commons



Column and corinthian capitol from the Cistern Basilica (Yerebatan Sarayi) in Constantinople-Istanbul. Photograph taken by Marsyas 19:26, 10 December 2005 (UTC).
コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、Marsyasだと推定されます(著作権の主張に基づく) - コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、投稿者自身による作品だと推定されます(著作権の主張に基づく), CC 表示-継承 3.0, リンクによる
Source:Wikimedia Commons


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