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シルクロードの今を征く

Now on the Silk Road


大唐西市博物館 視察17

金銀細工・装飾品

(Xi'an 中国)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月22日 更新:2019年4月~6月 更新:2020年4月1日
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 本稿の解説文は、現地調査や現地入手資料、パンフなどに基づく解説に加え、百度百科中国版から日本への翻訳、Wikipedia 日本語版を使用しています。また写真は現地撮影以外に百度百科、Wikimedlia Commons、トリップアドバイザーさらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビュー、百度地図などを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名を記しています

大唐西市博物館視察17



 金銀細工装飾品ベルト

西市の金銀食器・金銀装飾品・独特の工芸文化

撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



中央:金蹀躞带と銀製の台  (金製の輪飾をつけた革製の帯)
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 注)蹀躞帯
  騎馬民族の伝統的な皮製の帯。帯に蹀躞(小さい輪)を垂らし、そこに日常の
  小物を差し込む。垂らした蹀躞が多ければ多いほど身分が高い。隋の皇帝の帯飾
  りは13個の蹀躞が付いていたが、唐代の皇帝は9個に改めた(新華社)



金蹀躞带と銀製の台のアップ
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 金蹀躞帯
 
 注)中国の衣冠は胡服 
  帯に鞢しょうを垂らすのは、弓や剣・手拭・数取り棒を入れる袋・刀の砥石の
  類を身につけておくためである。のちに鞢しょうを取り去るようになってからも、
  その環だけは残っている。環は鞢しょうを吊るすためのもので、馬における鞦根
  (しりがい)のようなもの、すなわち今の帯銙(おびがね)である。天子は必ず
  十三の環をつけるのを定めとしていた。唐の武徳・貞観年間〔618~649年、すな
  わち初唐の頃〕がそうであった。
  開元〔713~741年、すなわち盛唐の頃〕以後は、やはり旧俗を保ってはいるが、
  少し華美になってきている。とはいっても帯鉤(おびがね)はもともと帯そのも
  のに穴を空けて留めているのに、わが宋朝では順折〔意味不明〕を加えるなど、
 手を加えすぎている。



三か国語解説 
月舞人物纹白玉带銙

◆White Jade Belt Buckle with engravings of musicians and dancers The gilt bronze buckle is carved with tangled flowers and curved grass.The jade plate depicts 9 events in total, 4 on the Kua, 4 on the Wan and 1 on the tail. The jade is white, smooth and translucent. Every plate is engraved with well-dressed musicians and dancers. The musicians are holding Dabu drums, curved-neck Pipa, Paixiao, flute, Konghou, etc. The dancers are dancing happily with arms raised and stomping on the dancing blanket. Concluding from the dresses and instruments, this seems to be a vivid reflection of Huteng dance. What’s more important is that the material is tortoise shell which was very scarce in Tang Dynasty, reflecting the owner’s wealth. Wan: bottom diameter 4.5cm, height 3.4 cm Kua: 4.7cm long, 4.4cm wide Buckle:11.6cm long, 5.8cm wide

◆月舞人物纹白玉带銙
鎏金铜带扣 ,上錾刻宝相花和卷草纹。玉带板共计九事,銙四,刓四,铊尾一。玉质洁白,晶莹温润。每件带板上以浅浮雕与阴线刻手法饰有不同的披帛乐舞人物纹,分伎乐和舞人。伎乐分持:达卜鼓、曲颈琵琶、排箫、笛、竖箜篌、羯鼓等;舞人双手高举,脚踏舞毯,热烈舞蹈。从人物服饰和所持乐器考证,应为唐代西市所流行的胡腾舞的真实写照。更可贵的是以唐代稀有的玳瑁做鞓的底料,可见拥有者富贵逼人,世间难觅。 刓:底部直径4.5厘米,高3.4厘米
銙:长4.7厘米,宽4.4厘米
带扣:长11.6厘米,宽5.8厘米

<日本語訳>楽器演奏者と踊り子の彫刻をほどこした白玉製の帯飾り(バックル)
 金箔の青銅製バックルには、唐草の草花紋が刻まれています。翡翠のプレートは4つの銙(か)、4つの刓(がん)、1つの鉈尾(だび)からなる合計9つで構成されています。白玉は白く、滑らかで半透明です。すべてのプレートには、身なりの良い楽器奏者や踊り手が刻まれています。楽器奏者は太鼓、首が曲がった琵琶、パンフルート、笛、竪琴などを持っています。踊り子は腕を上げて足を力強く踏みつけて熱烈に踊っています。彼らの衣装と楽器から推察すると、これは唐時代の西市で流行していた胡騰舞(ことうぶ)を鮮やかに映し出したものと考えられます。さらに重要なのは、材料が所有者の富を反映して、唐王朝では非常に不足していた鼈甲であるということです。

刓(がん・うゎん):底部直径4.5cm,高さ3.4cm
銙(か・くゎ)  :長さ4.7cm,幅4.4cm
帯留(バックル) :長さ11.6cm,幅5.8cm

注)かたい【銙帯】 コトバンクより
 金・銀・玉・石の装飾板(銙)や垂飾を革帯または布帯にとりつけ,尾錠で締める腰帯の総称。本来は中央アジアや北方胡族の間に行われた服飾具であった。六朝の頃に中国に伝わり,動物や植物文様を透し彫した銙板を装着したものが盛行する。隋・唐時代には官人,貴族の服制として整い,品級や位階によって玉・金・銀・銅・鉄の5種の銙が定められた。日本では古墳時代の4世紀末に,竜文・心葉文をあしらった金銅製銙帯があらわれる。

注)刓(がん・ウヮン)
 彫刻する、刻むという意味があり、彫刻を施した石の飾りを意味すると思われます。

注)鉈尾(だび)
 帯金具の一。金属製の帯の飾り。

注)胡旋舞(こせんぶ)
 唐代頃に、中国に伝わったサマルカンド地方に住むソグド人の舞踊。唐代に流行し、ソグド人ばかりでなく、多くの人々によって、好まれた。安禄山や楊貴妃もこの舞踊の名手であったことで知られる。他に、ソグド地方から伝わった踊りとして、胡騰舞(ことうぶ)、柘技舞(しゃしぶ)などがある。

西市場の遺跡跡地から出土



金帶 (楽器を奏で舞を舞う人物の模様を描いた白玉製の帯と銙)
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 注)銙(か)、銙帯(かたい) コトバンク、三省堂大辞林
  銙は、古代の革帯(かくたい)・石帯の表面に配列されている飾り金具。
  金属または玉石製。銙帯は、腰帯の一種。金・銀・玉・石の装飾板や
  垂飾を革帯または布帯にとりつけたもの



金の彫り細工を施した白玉製の帯飾り
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



鎏金伎乐纹銀盏托=鍍金伎楽紋盃托
(金メッキで伎楽の模様をあしらった銀製茶托の縁)
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


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