シルクロードの今を征く Now on the Silk Road 現代トルコ1 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
| 総合メニュー(西アジア) トルコ・歴史 オスマン調文化 トルコ1 トルコ2 トルコ3 第四回十字軍 次は現代トルコです。 ◆現代トルコ 文化 メヴレヴィー教団の旋回舞踊 トルコの国土は、ヒッタイト、古代ギリシア、ローマ帝国、イスラームなどさまざまな文明が栄えた地であり、諸文化の混交がトルコ文化の基層となっている。これらの人々が残した数多くの文化遺産、遺跡、歴史的建築が残っており、世界遺産に登録されたものも9件に及ぶ(詳しくはトルコの世界遺産を参照)。トルコの伝統的な文化はこのような基層文化にトルコ人が中央アジアからもたらした要素を加えて、東ヨーロッパから西アジアの諸国と相互に影響を受け合いながら発展してきた。 近現代のオスマン帝国、トルコは、ちょうど日本の文明開化と同じように、西洋文明を積極的に取り入れてきたが、それとともにトルコ文学、演劇、音楽などの近代芸術は、言文一致運動や言語の純化運動、社会運動などと結びついてトルコ独自の歴史を歩んできた。こうした近代化の一方で、歴史遺産の保全に関しては立ち遅れも見られる。無形文化財ではオスマン古典音楽の演奏者は著しく減少し、また剣術、弓術などいくつかの伝統的な技芸はすでに失われた。有形の遺跡もオスマン帝国時代以来のイスラム以前の建築物に対する無関心は現在も少なからず残っており、多くの遺跡が長らく管理者すら置かれない事実上の放置状態に置かれてきた。近年は、いくつかの有名なギリシャ・ローマ時代の遺跡やイスラム時代の建築が観光化されて管理が行き届くようになったが、依然として多くの遺跡は風化の危機にさらされている。このような状況に対する懸念も表明されているが、その保全対策は財政事情もありほとんどまったく手つかずの状態である。 食文化 詳細は「トルコ料理」を参照 トルコ料理は伝統的に世界三大料理とされ、ギリシャ料理やシリア地方の料理(レバノン料理など)とよく似通っている。またイスラム教国ではあるが飲酒は自由に行われており、ブドウから作られアニスで香りがつけられたラクが有名である。ワインやビールの国産銘柄も多数ある。コーヒー粉末と砂糖を入れた小さな容器を火にかけて煮出すトルココーヒーはユネスコの無形文化遺産に登録された。 文学 21世紀の小説家、オルハン・パムク。2006年にノーベル文学賞を受賞した 詳細は「トルコ文学」を参照 ハリデ・エディプ・アドゥヴァル ナーズム・ヒクメット ヤシャル・ケマル オルハン・パムク - ノーベル文学賞(2006年) 音楽 詳細は「トルコ音楽」を参照 伝統的なトルコ音楽のひとつ、オスマン古典音楽はアラブ音楽との関係が深く、現代のアラブ古典音楽で演奏される楽曲の多くはオスマン帝国の帝都イスタンブールに暮らした作曲家が残したものである。 オスマン帝国とトルコ共和国で行われてきた伝統的な軍楽メフテルは多くの国に脅威と衝撃を与え、音楽家は着想を得ていくつものトルコ行進曲を製作した。 建築 建築は、イランとギリシャ双方の影響を受け、トルコ独自の壮麗なモスクやメドレセなどの建築文化が花開いた。その最盛期を担ったのがミマール・スィナンであり、スレイマン・ジャミィなどに当時の文化を垣間見ることができる。 俗に「トルコ風呂」などと呼ばれている公衆浴場文化(トルコ本国においては性風俗店の意味はなく、伝統的浴場の意である)は、中東地域に広く見られるハンマーム(ハマム)の伝統に連なる。逆に、中東やアラブの後宮として理解されているハレムとは実はトルコ語の語彙であり、多くの宮女を抱えたオスマン帝国の宮廷のイメージが、オリエンタリズム的な幻想に乗って伝えられたものであった。 世界遺産 詳細は「トルコの世界遺産」を参照 トルコ国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が11件、複合遺産が2件存在する。 祝祭日 日付 日本語表記 現地語表記 備考 1月1日 元日 Yılbaşı 法令上は祝祭日ではなく休日 4月23日 国民主権と子供の日 Ulusal Egemenlik ve Çocuk Bayramı 5月19日 アタテュルク記念、 青少年とスポーツの日 Atatürk’ü Anma ve Gençlik ve Spor Bayramı 8月30日 戦勝記念日 Zafer Bayramı トルコ革命の祖国解放戦争 10月29日 共和国記念日 Cumhuriyet Bayramı 移動 断食明けの祭り(砂糖の祭) Ramazan Bayramı 初日の13時から3日半 移動 犠牲祭 Kurban Bayramı 初日の13時から4日半 メディア インターネット 「トルコにおける検閲(英語版)」および「2017年トルコのウィキペディア閲覧制限」を参照 トルコでは政治的な理由でネット検閲が行われている。2014年には裁判所の命令がなくてもウェブサイトを遮断したり、インターネットを通じて個人の閲覧記録を収集したりすることを首相に認める法律(インターネット法に関する5641改正法)が可決されている[32][33]。 そのため、YouTubeなどGoogle関連を含む約3,700の外部サイトへのアクセスは政府によってブロックされており[34]、反政府運動の抑え込みや言論統制を理由にFacebookやTwitterなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)もたびたびブロックされている[35][36]。 2017年4月29日、トルコ政府は国内からのウィキペディアへの通信を遮断したと発表。運輸海事通信省(英語版)はウィキペディアに政府がテロ組織と連携しているような記事が書かれていることを非難し、「トルコに対して中傷作戦を展開する情報源の一部になっている」と主張している。当局はウィキペディアに対して削除を要請したが、ウィキペディア側は拒否したという。ウィキペディア側が要請に応じた場合、遮断解除を行うとしている[37]。 スポーツ ヤールギュレシ トルコにおいて国民的なスポーツとしては、まずサッカー(トルコ語でfutbol:発音フトボル)が挙げられる。トルコ国内には、18のプロクラブが参加するスュペル・リグ(Süper Lig)を頂点に2部リーグ、3部リーグ、さらにその下部の地域リーグが置かれ、プロ・アマ合わせれば膨大な数のクラブが存在する。また、サッカークラブの多くは総合スポーツクラブの一部であり、バスケットボール・バレーボールなど、他種目のスポーツチームを同じクラブが抱えることも多い。 トルコはUEFA加盟国であるため、スュペル・リグ上位クラブはUEFAチャンピオンズリーグ・UEFAヨーロッパリーグに参加可能である。その中でもイスタンブールのフェネルバフチェ(Fenerbahçe)・ガラタサライ(Galatasaray)・ベシクタシュ(Beşiktaş)とトラブゾンのトラブゾンスポル(Trabzon Spor)は4大クラブと呼ばれ、テレビ・新聞などでの報道量もほかに比べ抜群に多い。これらのクラブは実力的にも上位にあるため、UEFA主催のリーグに参加することも多い。UEFA主催のリーグに参加するクラブは、半ばトルコ代表として扱われることもあり、これらの強豪は地域にかかわらず全国的に人気がある。また、イスタンブールのフェネルバフチェ・ガラタサライ・ベシクタシュの3クラブはイスタンブール証券取引所に上場する上場企業でもある。2004-05シーズンのUEFAチャンピオンズリーグの決勝はイスタンブールのアタテュルク・オリンピヤット・スタドゥで行われ、イスタンブールの奇跡が起こった。サッカートルコ代表は2002 FIFAワールドカップで3位に入るなど健闘した。この大会では開催国の日本と韓国に勝利しており、同一大会で2つの開催国に勝つという珍しい記録を達成した。また優勝したブラジルには2回敗北している。 ほかにプロスポーツとしてはバスケットボール・バレーボールのプロリーグが存在する。特にバスケットボールはNBAでのトルコ人選手の活躍や2010年に世界選手権が開催されたこともあり、近年人気が上昇している。 また2005年から2011年まではF1トルコGPが開催されており、WRCのラリー・オブ・ターキーとあわせてモータースポーツにおける発展も期待される。 650年の歴史を持つ伝統格闘技としてヤールギュレシ(オイルレスリング)があり、トルコの国技となっている。アマチュアスポーツとしてはレスリング、重量挙げなど人気がある。またトルコ人の気風を反映してか、柔道・空手道の道場も非常に多い。 競馬や競走馬の生産も行われており、日本産馬ではディヴァインライトがトルコで種牡馬として供用されている。 写真 ボスポラス海峡に浮かぶ「乙女の塔」(イスタンブール) オルタキョイ・モスクと夕暮れのボスポラス海峡(イスタンブール) ユルドゥルム・バヤズィド・モスク(ブルサ) セリミエ・モスク(エディルネ) アヤソフィア(イスタンブール) パムッカレの石灰棚 タフタル山(オリンポス山) オリンポスのダイバー マナヴガットの滝 脚注 [ヘルプ] ^ a b c d e “World Economic Outlook Database, October 2014” (英語). IMF (2014年10月). 2014年10月18日閲覧。 ^ 大村幸弘「和平条約と粘土板が物語ること」/ 大村幸弘・永田雄三・内藤正典編著『トルコを知るための53章』明石書店 57ページ ^ トルコ:国民投票賛成多数、改憲承認 軍・司法の権限縮小 毎日新聞 2010年9月14日[リンク切れ] ^ トルコ、国民投票で憲法改正を承認 首相が勝利宣言 CNN 2010年9月13日 ^ トルコ、国民投票で憲法改正承認 世俗派との対立先鋭化も EUは歓迎 産経新聞社 2010年9月13日 ^ “Turkey Renews Plea to Join Shanghai Cooperation Organization”. The Diplomat. (2013年11月1日) 2015年7月1日閲覧。 ^ “Turkey aspires to be full member of Shanghai Cooperation Organization: Turkish president”. China Central Television (CCTV). (2015年7月7日) 2015年8月2日閲覧。 ^ “Sino-Turkish Strategic Partnership: Implications of Anatolian Eagle 2010”. The Jamestown Foundation. (2011年1月14日) 2016年9月9日閲覧。 ^ “The Anatolian Eagle Is Looking Eastward”. The Daily Signal. (2010年10月15日) 2016年9月9日閲覧。 ^ “Growing Ties Between Turkey, China, Iran Worry Israel and US”. ハアレツ. (2010年10月7日) 2016年9月9日閲覧。 ^ “トルコ軍、イラクとシリアで越境空爆「テロ準備」主張”. 朝日新聞デジタル. (2017年4月25日) ^ “イラク トルコと対立/モスル奪還作戦、参加を拒否”. 毎日新聞朝刊. (2016年10月25日) ^ 「新オスマン主義」『読売新聞』朝刊2017年4月26日 ^ [1] ^ [2] ^ 日本・トルコ協会 ^ (社)大阪・トルコ協会 ^ 九州・トルコ協会 ^ 北海道日本トルコ友好協会 ^ 日本トルコ友好協会 ^ (NPO)日本ガレノス協会 ^ 日本トルコ文化協会 ^ 串本トルコ文化協会 ^ 気象の極値 トルコ気象庁 Archived 2011年7月3日, at the Wayback Machine. ^ 「トルコ、外国人客戻る/18年に4000万人、過去最高に/治安回復・通貨安で」『日経産業新聞』2018年5月29日(グローバル面) ^ “トルコ、ヨーロッパの GDP 成長を上回る”. トルコ共和国首相府投資促進機関 - Invest in Turkey. 2013年9月1日閲覧。 ^ TRT6(クルド語チャンネル)、ロジンさんらのコンサートで正式にスタート - 2009年1月2日付 Zaman紙の翻訳(東京外国語大学のページ) ^ 平成23年度 トルコ共和国における身分関係法制調査研究 法務省/エァクレーレン・たんぽぽのなみだ:世界の夫婦別姓 ^ "Prohibiting married women from retaining only maiden names a violation: Top court", Daily News, January 8, 2014. ^ 創造論は、人権への脅威 - 関連案件を欧州委員会議員会議が可決 - 2007年10月07日付 Radikal紙の翻訳(東京外国語大学のページ) ^ "Turkish scientists claim Darwin censorship" Nature 2009 doi:10.1038/news.2009.150 ^ “ネット検閲に突き進むトルコのエルドアン首相―ユーザーやネット企業との果てしなきいたちごっこ”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2014年5月6日) 2017-0501閲覧。 ^ “〔トルコ〕インターネット法によりさらに表現の自由が制限される恐れ”. 日本ペンクラブ (2014年2月6日). 2017年5月1日閲覧。 ^ “トルコ大統領、自国のネット規制をツイッターで非難”. ロイター (2010年6月14日). 2017年5月1日閲覧。 ^ “イスタンブールの反政府抗議運動勃発で、政府がFacebookとTwitterを利用制限か”. Tech Crunch Japan (2013年6月3日). 2017年5月1日閲覧。 ^ “Facebook, Twitter, YouTube and WhatsApp shutdown in Turkey”. Turkey Blocks (2016年11月4日). 2017年5月1日閲覧。 ^ “トルコ、ウィキペディアへの接続遮断 「同国中傷の情報源に」”. CNN (2017年4月30日). 2017年5月1日閲覧。 参考文献 新井政美『オスマンvs.ヨーロッパ : 「トルコの脅威」とは何だったのか』講談社〈講談社選書メチエ〉、2002年。ISBN 4-06-258237-6。 新井政美『トルコ近現代史 : イスラム国家から国民国家へ』みすず書房、2001年(改訂版2008年)。ISBN 4-622-03388-7。 大島直政『遠くて近い国トルコ』中央公論社〈中公新書〉、1968年。ISBN 4-12-100162-1。 小島剛一『トルコのもう一つの顔』中央公論社〈中公新書〉、1991年。ISBN 4-12-101009-4。 小島剛一『漂流するトルコ 続「トルコのもう一つの顔」』旅行人、2010年。ISBN 4-947-70268-0。 『トルコ』鈴木董 編、河出書房新社〈暮らしがわかるアジア読本〉、2000年。ISBN 4-309-72468-X。 鈴木董『図説イスタンブール歴史散歩』大村次郷写真、河出書房新社、1993年。ISBN 4-309-72421-3。 パット・イエール / リチャード・プランケット / ヴェリティ・キャンベル『トルコ』メディアファクトリー〈ロンリープラネットの自由旅行ガイド〉、2004年。ISBN 4-8401-0864-1。 松谷浩尚『現代トルコの政治と外交』勁草書房〈第三世界研究シリーズ〉、1987年。ISBN 4-326-39872-8。 デイヴィド・ホサム 『トルコ人』 護雅夫訳、みすず書房、1983年 国交樹立以前の文献からよみとく トルコ人の日本観 - 川原田喜子、東京外国語大学、2009年 関連項目 トルコ関係記事の一覧 トルコの城・要塞一覧(ドイツ語版) ターキッシュアンゴラ(トルコ原産の猫) テュルク評議会 アタテュルクのCM (トルコ興業銀行) ゲジェコンドゥ - トルコの私有地などに勝手に作られた違法建築で法律で撤去出来ないため、増加している。 高野あゆ美 - トルコで活躍する日本人女優 トルコ行進曲 (モーツァルトの曲) トルコ行進曲 (ベートーヴェンの曲) 言語 テュルク諸語、オスマン語 外部リンク ウィキペディアの姉妹プロジェクトで 「トルコ」に関する情報が検索できます。 ウィクショナリーの辞書項目 ウィキブックスの教科書や解説書 ウィキクォートの引用句集 ウィキソースの原文 コモンズでメディア(カテゴリ) ウィキニュースのニュース ウィキバーシティの学習支援 ウィキデータのデータ ウィキボヤージュには、トルコ(英語)に関する旅行情報があります。 トルコ政府 トルコ共和国大統領府(トルコ語) 日本政府 日本外務省 - トルコ(日本語) 大使館 在トルコ日本国大使館(日本語) 駐日トルコ共和国大使館(トルコ語)(日本語)(英語) 後援組織 ユヌス・エムレ インスティトゥート東京 トルコ文化 センター(日本語) 東京ジャーミィ・トルコ文化センター(日本語) 日本・トルコ協会(日本語) (社)大阪・トルコ協会(日本語) 九州・トルコ協会(日本語) 北海道日本トルコ友好協会(日本語) 日本・トルコ婦人クラブ(日本語) 日本トルコ文化経済交流支援協会(日本語) 日本トルコ友好協会(日本語) 砺波市トルコ友好交流協会(日本語) 柏崎トルコ友好協会(日本語) / 日本ガレノス協会(日本語) 日本トルコ文化協会(日本語) 神戸・トルコ友好協会 トルコーべ(日本語) 和歌山トルコ文化協会(和歌山)(日本語) 串本トルコ文化協会(日本語) その他 JETRO - トルコ(日本語) JCCME - トルコ(日本語) entry at The World Factbook - Turkey(英語) トルコ(英語) トルコのウィキメディア地図(英語) トルコに関連する地理データ - オープンストリートマップ 地図 - Google マップ 観光 トルコ政府観光局(日本語) ウィキトラベル旅行ガイド - トルコ (日本語) モスクへつづく |