2018年・東日本大震災 復旧実態調査(福島県編) いわき市久之浜・末続 青山貞一・池田こみち 環境総合研究所顧問 掲載月日:2018年7月28日 2020年3月11日第2次公開 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
<総合メニューへ> 久ノ浜・末続 原発立地自治体放射線量 新地町1 新地町2 相馬市松川浦 相馬市大洲松川線 南相馬市沿岸部 飯舘村(放射線量) 久々の会津若松 ◆いわき市久之浜 私たちは2018年6月17日、いわき市の四倉海岸、四倉港を後に、さらにいわき市を国道6号線で北に向かった。向かうは久之浜地区だ。 出典:グーグルマップ 出典:グーグルマップ 国道6号線には、四倉と久之浜の間には下の写真のようにトンネルがある。トンネルを出ると波立薬師など波立地区があり、さらに国道6号線を進み、右折する狭い道に入ると久之浜だ。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 以下の航空写真は、3.11以前、平成22年11月に撮影したいわき市久之浜の一部である。写真上部(東側)に海岸があり、次に住宅地、道路を挟んで二列目の住宅が広がっている。 3.11の地震、津波、火災で二本の道路で囲まれた住宅地は、完全に破壊され、海岸線側には四倉海岸に類似した防波堤が作られ、その背後に道路、住宅地用地、商店用地が区画整理されたものの、帰って来ない市民は多い。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 久之浜は2011年4月16日、はじめて福島県を視察した際、江名走出地区同様、もっとも被害甚大であった地区である。
2018年6月16日 いわき市久之浜現地調査 以下は今回の調査で撮影した写真です。久之浜は地震、津波、火災で焼失した地域を大々的に区画整理し、沿岸部に四倉海岸並みの防波堤をつくり、他地域を公園(空地)、道路などとしていた。 しかし、依然として帰ってこない世帯、住民、商店も多く、3.11以前のような活気ある街並みはない。 下は被災者用につくられた大きなた災害復興住宅。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 なお、平成23年3月11日現在における久ノ浜地区の被害は以下の通りである。死者は68名となっており、浸水区域の全戸数は694戸、大規模半壊以上は465戸であり全体の67%に及んでいる。 出典:被災状況と復興への取り組みについて 「いわき市久之浜地区」 福島県いわき建設事務所 下の写真は3.11以降に沿岸域につくられた久之浜防災緑地の案内図である。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 以下は防災緑地の海岸側である。 海岸の沖には津波を緩衝するためにコンクリート製テトラポッドを積み上げ、細長い島がいくつも連なっていた。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 区画整理地の一角には、奇跡的に破壊を免れた小さなお堂があり、ボランティアでその土地の草取りをしている地域住民と話すことができた。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 特別の土地区画整理事業でできた全59の区画は分譲中だが、帰還者はあまりなく、区画の空きが目立っているという。その理由のひとつには、被災者用の大きな集合住宅に移り住んでいる市民が多いこと、国、県、市からの様々な援助があるものの、高齢者にとっては、新たに戸建ての住宅や店舗に入居することをためらっていること、もとより、若い世帯がいないことなどがあるという。 すでに見た江名走出の沿岸集落同様、久之浜地区も集落全体、コミュニティが破壊されていたのである。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 久之浜地区の放射線量は0.05μSV/hであった。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 3.11で破壊された橋も新たに設置されていた。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900
◆いわき市末続 出典:グーグルマップ 久之浜地区を視察した後、わたくしたちはいわき市をさらに北上し末続地区に入った。
2018年6月17日の現地調査では、遡上する東日本大震災の巨大津波により破壊された末続川がどうなったかについても調べた。 下の写真は全面的につくり替えられた末続川橋からみた末続川である。ほとんど鉄とコンクリートで三面護岸されていた。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 末続川周辺の空間放射線量率は、下の写真にあるように0.07μSv/hであった。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 この後、国道6号線にもどり、下の写真にある広野町から、原発立地近傍自治体の空間放射線量率測定を行うことになる。煙突は広野町にある石炭火力発電所。これらの発電所も津波で被災した。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 つづく |