<総合メニューへ>
大槌1 大槌2 大槌3 大槌4 大槌5 大槌6 大槌7 大槌8
宮古市1 宮古市2 宮古市3 宮古市田老地区1 宮古市田老地区2
宮古市田老地区3 参考:宮沢賢治
◆宮古市田老沿岸3
出典:東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に
関する専門調査会配付資料
◆大槌町沿岸1
出典:東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に
関する専門調査会配付資料
私達は、2018年7月1日の現地調査で釜石市鵜住居町から大槌町に向かった。
釜石市の鵜住居から大槌町までは、以下のグーグルマップにあるように、わずか5km足らず車で約10分で大槌町の入り口まで到着する。
出典:グーグルマップ
大槌町は大槌湾に面する地域と、下の2つのグーグルマップにあるように、それ以外に北部に吉里吉里(キリキリ)地区とその北にある浪板海岸地区もある。
本報告では、これら2つの地域についても概要を報告したい。
出典:グーグルマップ
出典:グーグルマップ
◆大槌町の過去の津波被害の実態
大槌町は以下の表にあるように、3.11前の全町民の10分の1に相当する1,450人もの人的被害を出しており、3.11津波被害のなかで、これほど甚大な被害を出した自治体は他にないはずである。
市町村名 |
死者数A |
行方不明者数B |
死者+行方不明者数A+B=C |
大槌町 |
797 |
653 |
1,450
|
このように、3.11で甚大は人的、物的被害を出した岩手県大槌町だが、この大槌町は1896年の明治三陸津波でも以下の旧内務省資料にあるように、900名もの死者と500戸を超える流失倒壊戸数を出している。また1933年の昭和三陸津波でも27名の死亡者、222戸が流失倒壊している。
★大槌町 |
明治三陸津波(1896) |
|
昭和三陸津波(1933) |
波高:3.8m* *3.8m(C1934)
死者:900人(大槌町)
流失倒壊戸数:500戸(同上)
再生形態:分散移動 |
|
波高:2.3m* *2.3m(C1934)
死者:* *27人(大槌・小槌)(C1934)
流失倒壊戸数:* *222戸(C1934)
家屋流失倒壊区域(坪):* *8.66ha(C1934)
浸水家屋:* *135戸(大槌+小槌)(C1934) |
★赤浜(現在、大槌町) |
明治三陸津波(1896) |
|
昭和三陸津波(1933) |
波高:4.2m* *4.20m(C1934)
死者:900人(大槌町)
流失倒壊戸数:500戸(同上) |
|
波高:3.9m* *3.90m(C1934)
流失倒壊戸数:* *4戸(C1934)
家屋流失倒壊区域(坪):* *0.29ha(C1934)
浸水家屋:* *26戸(C1934) |
★浪板(現在、大槌町) |
明治三陸津波(1896) |
|
昭和三陸津波(1933) |
波高:8.85m* *8.85m(C1934)
死者:900人(大槌町)
流失倒壊戸数:500戸(同上)
再生形態:分散移動 |
|
波高:4.75m* *4.75m(C1934)
流失倒壊戸数:* *6戸(C1934)
家屋流失倒壊区域(坪):* *0.09ha(C1934) |
★吉里吉里(現在、大槌町) |
明治三陸津波(1896) |
|
昭和三陸津波(1933) |
波高:8.5m* *8.5m(C1934)
死者:900人(大槌町)
流失倒壊戸数:500戸(同上)
再生形態:分散移動 |
|
高:4.2m* *4.2m(C1934)
死者:10人* *6人(C1934)
流失倒壊戸数:107戸 * *97戸(C1934)
家屋流失倒壊区域(坪):21466坪*
*7.09ha(C1934)
浸水家屋:170戸* *10戸(C1934)
再生形態:集団移動
移動戸数:100戸
達成面積(坪):4932坪 |
★安渡(現在、大槌町) |
明治三陸津波(1896) |
|
昭和三陸津波(1933) |
波高:3.0m* *3.0m(C1934)
死者:900人(大槌町)
流失倒壊戸数:500戸(同上) |
|
波高:2m* *2.00m(C1934)
死者:22人* *14人(C1934)
流失倒壊戸数:171戸(安渡・惣川・小枕) * *151戸(C1934)
家屋流失倒壊区域(坪):*
*3.69ha(C1934)
浸水家屋:218戸* *20戸(C1934)
再生形態:集団移動
移動戸数:20戸
達成面積(坪):930坪 |
★小槌(現在、大槌町) |
明治三陸津波(1896) |
|
昭和三陸津波(1933) |
死者:900人(大槌町)
流失倒壊戸数:500戸(同上) |
|
死者:29人* *27人(小鎚・大鎚)(C1934)
流失倒壊戸数:* *222戸(小鎚・大鎚)(C1934)
家屋流失倒壊区域(坪)* *12.40ha(C1934)
浸水家屋:561戸* *135戸(小鎚・大鎚)(C1934)
再生形態:集団移動 |
★小枕(現在、大槌町) |
明治三陸津波(1896) |
|
昭和三陸津波(1933) |
死者:900人(大槌町)
流失倒壊戸数:500戸(同上) |
|
流失倒壊戸数:171戸(安渡・惣川・小枕)
家屋流失倒壊区域(坪):
再生形態:集団移動
移動戸数:40戸
達成面積(坪):1782坪 |
★惣川(現在、大槌町) |
明治三陸津波(1896) |
|
昭和三陸津波(1933) |
死者:900人(大槌町)
流失倒壊戸数:500戸(同上) |
|
流失倒壊戸数:171戸(安渡・惣川・小枕)
家屋流失倒壊区域(坪):
移動戸数:20戸
達成面積(坪):790坪 |
参照・引用文献の出典:
・明治大学 建築史・建築論研究室著の「三陸海岸の集落 災害と再生」
・青山・池田:三陸海岸 津波被災地現地調査 過去の津波被害(詳細)
大槌町の沿岸域は、3.11時の大津波の高さは最低でも、TPから12m、最高で30mを超す遡上高が生じていたと推定される。
出典:東京大学地震研究所 都司嘉宣氏らによる「三陸南部の調査結果」
大槌2へつづく |