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メアリー・ステュアートの足跡を追って
スコットランド
2200km走破


ニュー・ラナーク7

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
2017年12月10日公開予定
独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁

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  メアリーの生誕地、リンリスゴー  リンリスゴー城 
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Source:New Lanark Visitor Center


Source:UNDISCOVERED SCOTLAND 知られざるスコットランド


居住状況

 19世紀半ばには家族全員が一部屋の中で暮らしていました。そんな居住条件の感覚は、ブランタイア(Blantyre)のデイヴィッド・リヴィングストン・センター(David Livingstone Centre)を訪れることでいくらか掴むことができます。

 ニュー・ラナークを設立したデヴィッド・デイルも、ブランタイアの工場に関わりを持っていました。ブランタイアには居住ブロック(tenement row)が一棟だけ現存しており、博物館として使われています。博物館は専ら1813年にブランタイアで生まれたデイヴィッド・リヴィングストンに捧げられたものですが、子供用の脚輪付きベッドなども含めて一部屋での居住状況が再現されているのです。

 この状況はリヴィングストンも知っていたものであり、ニュー・ラナークにも見出されていたものです。デヴィッド・リヴィングストン・センターは、ニュー・ラナークからは道沿いに 30 km ほどのところにあり、グラスゴーとハミルトン(Hamilton)の間にあたっています。

  ※ デイヴィッド・リヴィングストン(David Livingstone、1813年3月19日 -   
      1873年5月1日)は、スコットランドの探検家、宣教師、医師。
     ヨーロッパ人で初めて、当時「暗黒大陸」と呼ばれていたアフリカ
     大陸を横断した。また、現地の状況を詳細に報告し、アフリカでの
     奴隷解放へ向けて尽力した人物でもある。

 1971年からスコットランドでのポンド紙幣発行権を持つ銀行の一つ、クライズデール銀行が発行する10ポンド紙幣に肖像が使用されていた。

 ニュー・ラナークでの生活状況は次第に改善していき、20世紀初頭までには複数の部屋に住まうようになって行きました。1933年までは室内に給水栓や流し台は備わっていなかったのですが、その年を境に屋外にあった共用トイレも室内のものに取って代わられました。

 1898年からは村の経営者は全戸に無料の電力供給を行うようになりましたが、それは各部屋の蛍光灯一本を点けるのにやっとだった上、毎晩10時には切れました(土曜のみは11時まで)。1955年にニュー・ラナークは英国の送電網(National Grid)に接続されました。


今日のニュー・ラナーク


復元された教室

 オウエンの時代にはおよそ2500人がニュー・ラナークに住んでいましたが、その多くはグラスゴーやエディンバラの救貧院の出身者でした。労働者たちは群を抜いて過酷な境遇にあったというわけではなかったのです。オウエンはその環境に満足せず、労働者たちの改善を決意しました。彼は子供たちに格段の注意を払ったのです。

 ニュー・ラナークを訪れる観光客は、毎年40万人を超えていると見積もられています。これには、2007年時点でスコットランドには4つしかない世界遺産のひとつと認められていることが大きい理由です。

 ニュー・ラナークにはおよそ200人が今でも暮らしています。居住用の建造物の中ではマンティラ・ロウとダブル・ロウのみが修復されています。修復の中にはニュー・ラナーク組合や保全トラストが引き受けたものもあります。

 ブラックスフィールド・ロウ全体とロング・ロウの大半の修復は、廃屋と化していましたそれらを買い取って個人宅として修復した私人たちによるものです。村には20軒の持ち家に加えて、ニュー・ラナーク組合から見逃されている45軒の借家があります。組合自身も村にはいくつかの建物を保有しているが、ダブル・ロウの修復とマンティラ・ロウの再建をしなかったことを批判されています。

 歴史的な真正性を維持するためには多大な労力が投入されています。

 村内にはテレビアンテナもパラボラアンテナも設置を認められておらず、電話、テレビ、送電といったサービスは埋設ケーブルを通じて行われています。


 一貫した外観を呈するために、全ての外装は木造の白塗りで、ドアや窓も一貫したデザインに沿うものとなっています。かつて世帯主は犬を飼うことも禁止されていましたが、この規制はもはや強制力を失っています。

 保全トラストは広告看板を導入したほか、第三工場とエンジン・ハウスをつなぐガラス製の橋を設置しましたが、こういった代物には批判も寄せられています。村の広場に1924年型の赤い電話ボックスがあるのにも、不適切ではないかと議論があります。現在、工場群、ホテル、非居住型の建造物の大半は保全トラストが保有・運営しています。

 下は2018年の7月の第二週からから9月第一週に開催される夏季ツアープログラムのポスター(ツイート)です。


ニューラナーク−UNESCO世界遺産センター
New Lanark - UNESCO World Heritage Centre
Source: https://twitter.com/newlanarkwhs


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