シルクロードの今を征く Now on the Silk Road アルメニア3 (Armenia) 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月、2020年7月31日公表予定 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
総合メニュー(西アジア) アルメニア1 アルメニア2 アルメニア3 エレバン 世界遺産1 世界遺産2 世界遺産3 次はシルクロードの中間点にあるアルメニア3です。 ◆アルメニア3 気候 気候の特徴としては、日照時間が多いことが挙げられている。アララト盆地(首都エレバン)では年間2,711時間で、40度を超える時もある。ケッペンの気候区分によると、低地はステップ気候(BS)、高地は亜寒帯湿潤気候(Df)である。低地は雨が少なく、高地は多い。高地特有の大陸性乾燥気候で、四季がある。年平均降水量は地域によって差があるが200 - 900ミリである。 首都エレバンの平均気温は11.4℃、年降水量は318ミリ。1月の平均気温は氷点下5.5℃、8月は25.5℃である。しかしながら高地に位置すること、冬季に前線が停滞することなどから天候は変化に富んでおり、エレバンに限定しても氷点下25℃から40度まで気温が変化する。 主な都市 エレバン - アルメニアの首都であり、世界最古の都市のひとつでもある。北緯40度10分、東経44度31分に位置する。人口約106万人(2004年)。 クマイリ - 第2の都市で、人口は21万人。 ヴァナゾール - 人口17万人の第3の都市。 経済 首都エレバン Source:Wikimedia Cmmons I MFの統計によると、2013年のアルメニアのGDPは104億ドルである。1人あたりのGDPは3,173ドルで、南コーカサス3国の中ではもっとも低く、世界平均の約30%の水準に留まっている[2]。 主要産業は、農業、工業、宝飾品加工業。都市人口率が65%と高く、農林水産業従事者は国民の8%に過ぎない。農業では綿、ぶどう、野菜の栽培が盛ん。穀物としては小麦と大麦を産する。 アルメニアは新生代、中生代の造山帯の中央に位置し、国内に多数の火山性塊状硫化物鉱床が点在する。このため、規模は小さいものの貴金属を産する。鉱物資源は金(2003年時点の採掘量は1.8トン)、銀(同4トン)、銅(同1.8万トン)である。 アルメニアはエネルギー資源を産出せず、地域紛争で近隣諸国から孤立していることから、国内電力需要の40%以上を老朽化したメツァモール原子力発電所に頼っている。メツァモール原子力発電所は1988年のアルメニア地震のあと、独立後の1995年まで6年半にわたって閉鎖されたが、その間、国内は深刻な電力不足に陥った。メツァモール原子力発電所で使用されているロシア型加圧水型原子炉440は格納容器を持たず、また既に設計寿命を終えているため、2012年から2016年完成をめどにロシア型加圧水型原子炉1000が建設される予定である。 国民 民族構成(アルメニア) Source:Wikimedia Cmmons 住民の大半はアルメニア人(98.1%)。ほかにロシア人(0.3%)、クルド人(0.1%)、アッシリア人(0.1%)。公用語はアルメニア語。旧ソ連の構成国であったこともあり、ロシア語も幅広く通用する。ほかに少数民族として、アゼルバイジャン人も存在する。 アルメニアの賃金は安いため、就労年齢に達した男性は、国外、特にアルメニアの3倍の賃金を得られるロシアに、季節労働者として出稼ぎに行くことが多い。アルメニア人男性の9割が職を求めて外国に出ていく。就労先の国で家庭を持つ男性も多く、そのためアルメニアは人口が減っており、1991年のソ連崩壊時に350万人だった人口は2017年時点で290万人となっている[11][12]。 宗教 宗教では、非カルケドン派のひとつであるアルメニア教会の信者が大部分を占める。ほかにギリシャ正教やカトリックの信徒がいる。301年に世界で初めてキリスト教を国教化したことで有名。 少数民族であるクルド人やアゼルバイジャン人の多くはイスラム教を信仰し、クルド人の中にはヤズディ教の信者も存在する。なお、イスラム教に改宗したアルメニア人であるヘムシン人と呼ばれる民族が、隣国トルコなどに存在する。 婚姻 婚姻時、そのままの姓を用いること(夫婦別姓)も、どちらかの配偶者の姓に統一することも、複合姓を用いることも可能である[13]。 教育 詳細は「アルメニアの教育(英語版)」を参照 教育制度は、5 - 6歳までの幼稚園や保育園、6 - 7歳から中等教育(10 - 11年制。小学校にあたるのが1 - 3年生、中学校にあたるのは4 - 8年生、高等学校にあたるのが9 - 10年生、高校とは別に2、3年制の専門学校があり、2年で卒業して専門技術職に就くなり、3年で卒業して専門職あるいは大学に行く)、その上は大学である。義務教育期間は中等教育の8年生まで。授業料は無料で、全国に1,439校ある(2003年現在)[14]。 2011年には小学校でのチェス学習を義務化している。 文化 伝統的なアルメニアンダンス Source:Wikimedia Cmmons ゲガルド修道院 Source:Wikimedia Cmmons 古くからワインの製造が盛んで、特にブランデーは有名。アルメニア・コニャックと呼ばれる。 アルメニア語は、インド・ヨーロッパ語族の仲間で、印欧祖語から派生したといわれている。 石の建造物 石が古くから使われてきた。紀元前9 - 8世紀以降、多くの要塞、城市、防備用建築などを石で作り上げてきた。エレバンのバザールやトゥマニヤン記念館はアルティクで産出した凝灰岩でできている。 スペンディアリアン記念オペラ・バレー劇場や共和国広場にかつてあったレーニン像の石は、パンバク地方産の花崗岩である。マテナダラン(メスロプ・マシトツ記念古文書収蔵館)、ジェノサイド犠牲者碑のモニュメント、共和国広場の水飲み場「七つの泉」などは、淡灰色の玄武岩でできている。地下鉄駅の入り口ホールは多彩な大理石で飾られている[15]。 音楽 伝統音楽 Source:Wikimedia Cmmons 食文化 世界遺産 世界遺産として3か所の文化遺産が指定されている。991年に創建されたハフパット修道院とサナヒン修道院、4世紀に創立したゲガルド修道院とアザト川上流域、4世紀に建立されたエチミアツィンの大聖堂と教会群およびズヴァルトゥノツの考古遺跡がある。 エレバンへつづく |