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   ウズベキスタン現地予備調査
サマルカンド1日目

アミール・ティムール廟
(グーリ・アミール廟)その2
Amir Temur maqbarasi (Go'ri Amir)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda

掲載月日:2015年3月22日  独立系メディア E−wave Tokyo
無断転載禁  Copyright by T.Aoyama & K.Ikeda


◆アミール・ティムール廟の建築

 ムハンマド・スルターンの墓へと続くイーワーン(入口)には彫刻が施されたレンガや様々なモザイク模様で豊かな装飾がなされています。
 
 このイーワーンの装飾は熟練された職人 (ustad) のムハンマド・ビン・マフムード・エスファハーニー (Muhammad bin Mahmud Isfahani)により作成されています。


アミール・ティムール廟のイーワーンにて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400  2015-3-1

 廟正面のイーワーン外側の壁が小さく設計されているため、ドームの高さが強調されています。

 17世紀には西側に新たなイーワーンの建設が計画されましたが、未完に終わっています。

 アミール・ティムール廟は外部から見るとひとつのドーム状の建築物に見えます。アミール・ティムール廟はその構造の単純明快さと外観の荘厳さで有名な建物でもあります。


アミール・ティムール廟にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


アミール・ティムール廟にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 建物は青色のドームが建物の上部に付属したような構造となっています。壁の外装は青、淡青と碑文を記した幾何学模様の白のテラコッタ製のタイルからできています。

 八角形の母屋の上に、高さ約37mの椎の実型の二重ドームが建っています。ドーム部分に深い溝で凹凸を付けることにより、見事な表現を実現しています。

 ドーム北側の方形の中庭の東西には、メドレセとハーンカーが向かい合う形で建っています。ウルグ・ベクの治世には、霊廟と中庭を繋ぐ東側の通路が作られています。


1910年ごろのアミール・ティムール廟の青のドーム
出典:Wikipedia

 アミール・ティムール廟の内部には下の写真にあるように壁に多様な装飾が施された大広間があります。

 アミール・ティムール廟には私達と同時期にたくさんのおそらくウズベキスタン人の人々が廟の中に入っていました。下は廟の中の写真です。

 壁の地上に近い部分には切りだされた一枚岩のメノウが使用されています。各々のメノウも塗装で鮮やかに装飾されています。


アミール・ティムール廟の内部
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 これらの一枚岩の上には大理石によるムカルナスの装飾があります。壁の大部分は塗装された石膏で装飾されています。

 廟内部の部屋にある凝った装飾の行われた墓石は地下室にある墓の位置を示しているのみで、実際の墓ではありません。黒色の石棺がティムールのものです。実際には地下のこの位置にあります。


アミール・ティムール廟の内部
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下はティムールはじめアミール・ティムール廟にある9つの石棺の平面位置図です。3カ国語で示されています。

 @がティムール、Aがウルグ・ベグ、Bムハッマド・サルタン、Cバラカ.....とあります。


アミール・ティムール廟の石棺位置図
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 ウルグ・ベク統治下に、黒緑色のネフライトがティムールの墓石として安置されました。

 ティムールの墓石は、ウルグ・ベクが1425年に実施したモグーリスタン遠征の帰途で持ち帰ったものだと伝えられています。13世紀末のチャガタイ・ハン国の君主ドゥアが石をカルシの宮殿に運び、モグーリスタン遠征の途上でカルシに立ち寄ったティムールが石を気に入ったがサマルカンドに持ち帰ることはできなかったという伝承が残っています。

 ティムールの墓の周囲には彼の息子であるミーラーン・シャーとシャー・ルフ、彼の孫であるムハンマド・スルターンとウルグ・ベクの大理石の墓が置かれています。

 アミール・ティムール廟内にはティムール朝の王族だけでなく、ティムールの精神面の師であったミール・サイード・バラカと他のサイードたちもまた眠っています。
 
 ティムールが眠っている廟ということからか、なぜかぴりっとしたものを感じました。


 アーチ型の部分とドーム内部はカルトゥーシュのような形式で深く文字が刻まれ、周りに装飾がなされています。


アミール・ティムール廟の内部(壁)
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下はアミール・ティムール廟の壁の文字を撮影する池田こみちです。


アミール・ティムール廟の壁の文字を撮影する池田こみち
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下はドームの下側となる天井です。


アミール・ティムール廟の内部(天井)
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下は天井から壁を写した写真です。


アミール・ティムール廟の内部(天井及び壁)
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下は天井の下部と壁です。


アミール・ティムール廟の内部(天井及び壁)
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下はその拡大です。魚の鱗のような装飾が施されていることがよく分かります。


アミール・ティムール廟の内部(天井と壁)     出典:Wikipedia


つづく