パソコンによる環境情報システムのさきがけ環境総合研究所のSuperシリーズ 2023/07/14更新
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固定発生源大気拡散予測システム Super AIR 環境アセスメント標準モデル

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Super AIRとは

 固定発生源の大気汚染濃度の短期・長期平均の予測を標準モデルを用いて行えます。工場、機械、工事現場等の個別発生源、複数発生源を対象とします。

 煙突高さ、排ガス量、排ガス温度、排ガス濃度、吐出速度、煙突口径、稼働日数、夜間排出条件、気温の高さ勾配等を考慮します。

 Super HIWAYと合わせて活用することにより、固定発生源と自動車の複合影響を考慮できます。Super SPLINE/GISで作成した地形による有効煙突高の補正(ERT PSDMモデル)が可能です。

予測モデルの概要

 環境アセスメントでは以下の指針(マニュアル)等に掲載されている大気拡散予測モデルが用いられています。
 Super AIRではこれらや関連するその他のマニュアルに掲載されているモデルを組み合わせて活用できます。


窒素酸化物総量規制マニュアル[新版]

  • 窒素酸化物総量規制のための大気汚染予測の方法等を示したものです。
  • 多くの部分は環境アセスメントでも用いられています。

廃棄物処理施設生活環境影響調査指針

  • 廃棄物焼却施設、最終処分場など廃棄物処理施設計画にあたって実施される生活環境影響調査の簡易アセスメントの指針です。
  • 「ごみ焼却施設環境アセスメントマニュアル」と基本的な部分は同じ内容です。
  • フュミゲーションの計算式も示されています。

道路環境影響評価の技術手法(平成24年度版)

  • 道路事業の環境アセスメントのためのマニュアルで、建設機械の大気汚染予測式も示されています。
  • 前記の2マニュアルと同じ有風時:プルーム式、無風時:パフ式ですが、拡散幅に関わる項等が一部異なる、長期平均と短期平均予測式が分けられていない、有風時が1m/s超であることなどが異なります。

予測対象時間

  • 1時間平均濃度
    • 特定の風向、風速(無風を含む)、大気安定度を考慮した予測です。
    • 特定の気象条件を対象とした予測、特に高濃度が出現しやすい気象条件の予測等に用いられます。
    • 高濃度が出現しやすい気象条件は、煙源の高さ、周辺の地形の高さ等によっても異なります。煙源と計算地点が同じくらいの高さの場合には大気が安定している方が濃度が高く、煙源と計算地点の高さが大きく異なると大気が不安定な方が濃度が高くなります。また風速が弱いと濃度が高くなりますが、煙突から排出される煙が高くまで上昇するため濃度が低くなる影響もあります。
    • Super AIRでは気象条件を総当たりすることで最大着地濃度が最も高くなる気象条件を検索する機能があります。

  • 長期平均濃度(年平均濃度等)
    • 一定の期間(1年間)の気象条件の出現頻度を考慮した予測です。
    • 主な風向き(16風向)の風下で極端に濃度が高くならないように、「窒素酸化物総量規制マニュアル[新版]」等では1時間平均と年平均(長期平均)で異なる有風時拡散式を用いています。
    • そのため16風向の風下を中心とした22.5度(360度÷16方位)の幅の扇形のようなコンターになります。Super AIRではそのような不自然なコンターにならないよう内挿する計算方法を選択することができます。
    • 「道路環境影響評価の技術手法」の建設工事用モデルでは長期平均のための有風時拡散式を示しておらず、長期平均予測を行うと16風向の風下がとがった星の形のようなコンターになります。

大気汚染予測で考慮される要素

 Super AIRによる大気汚染予測では主に以下の要素が考慮され、わかりやすい操作で設定できます。

対象物質

 環境アセスメントで対象とする一般的な以下の項目を対象としています。

  • 硫黄酸化物(SOx、SO2)、窒素酸化物(NOx)(二酸化窒素(NO2)に換算)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、塩化水素(HCl)
  • 浮遊粒子状物質(SPM)、ダイオキシン類
  • 臭気濃度 ・臭気指数

 体積濃度で表現されるSOx、NOxなどの項目、質量濃度で表現されるSPM、ダイオキシン類などの項目は、物質が異なっても排出量と予測濃度の比は式の上で一定なので上記以外の物質も予測できます。

煙源

  • 煙源は一般的な環境アセスメントの点煙源に加えて、一定の範囲内で建設作業が行われる場合や一定の地域の民家など群小煙源を想定した面煙源(多角形指定)が作成できます。

  • 長期平均予測では稼働率(年間の稼働日数)夜間の稼働条件(指定した時間)等を考慮します。

  • 実煙突高、排ガス量(乾、湿)、排ガス濃度、吐出速度、煙突頭頂部内径、初期拡散幅、建設機械かどうか、近接建物影響などの諸条件も個別に指定できます。

風向・風速・大気安定度・時間希釈

  • 環境アセスメントで用いられている有風時のプルーム式、無風時のパフ式では、大気汚染の濃度が煙源からの距離(有風時は風下方向への距離)および、鉛直方向、水平方向の距離および大気安定度等に応じた濃度分布を実験的に求められた拡散幅として表現しています。

  • 予測式では煙源と予測点の位置関係と風向の関係、風速大気安定度が考慮されます。

  • 時間希釈補正係数を任意の時間に変えられます。臭気濃度・臭気指数の30秒平均濃度も計算できます。

  • 一般の環境アセスメントで用いられている長期平均のためのプルーム式では方位毎に煙源からの距離が同じであれば濃度が同じとなります。そのため等濃度線(コンター)が不自然な扇形となってしまいますが、Super AIRでは隣接する方位の間を内挿補間することでなめらかな濃度分布の等濃度線とすることができます。

年平均濃度の例(SuperAIR独自改良モデル)


年平均濃度の例(一般的なアセスマニュアルの方法)

気象データ

  • 拡散計算、大気安定度分類では風向、風速、日射量、放射収支量、雲量等が用いられます

  • これらの観測値(1時間値)のテキストデータ、CSVファイル等から気象条件毎に集計された気象データファイルが長期平均(年平均)予測に用いられます。

  • 観測値は気象庁のサイトからアメダスのデータをCSVファイルとしてダウンロードしたものを直接読み込むこともできます。

  • 気象条件は以下の2通りの方法で集計できます。
    • 風向×風速階級×大気安定度×昼夜別の出現頻度
    • 風向×大気安定度別の出現頻度・平均風速
      (「道路環境影響評価の技術手法」(平成24年度版)の建設機械予測の方式)
      ※稼働時間のみを対象とすることが可能

大気安定度の分類

 大気安定度は直接観測値として入手できないため、風速、日射量、放射収支量等から次の組み合わせにより分類します。

  • 「窒素酸化物総量規制マニュアル[新版]」等の方法
    • 昼間:風速・日射量、夜間:風速・雲量

  • 「浮遊粒子状物質汚染予測マニュアル」の方法
    • 昼間・夜間:風速・放射収支量

  • 「有害大気汚染物質に係る発生源周辺における環境影響予測手法マニュアル−低煙源工場拡散モデル:METI-LIS」の方法
    • 昼間:風速・日射量、夜間:風速

  • 煙突高が指定した高さよりも高い場合には、上空の大気安定度の読み替えを行うことができます。
べき指数
  • 風速は地上から離れるほど強くなります。高さによる風速の違いはべき法則(べき乗則)で表現します。べき法則の係数(べき指数)は地表面の状況や大気安定度によって異なります。

  • 大気汚染予測時には風向・風速設定高さ(観測高さ)から煙源高さにべき法則による風速変換が行われます。

  • 一般に用いられている大気安定度毎のべき指数に加え、都市域における補正、任意の補正、現地の実測による任意のべき指数を用いることができます。

有効煙突高モデル

 煙突から熱量等によって上昇する高さを表すのが有効煙突高モデルです。

  • 環境アセスメントでは一般的にCONCAWEの式が用いられますがMoses & Carson式Bosanquiet I式を選択することも出来ます。実煙突高、有効煙突高、実煙突高と有効煙突高の中間を選択できます。

  • 有風時と無風時および計算条件における内挿した有効煙突高が煙源データベース画面に表示されます。

  • 煙突本体や周辺建物・地形等によって生じる渦によって煙の流れが取り込まれ有効煙突高の低下を考慮するBriggs(ダウンウォッシュ式)、煙突に近接する建物の影響を考慮するHuber式も対応しています。

  • 地形による有効煙突高を補正するERT PSDMモデルを用いることもできます。

地形

  • 地形によって有効煙突高補正を行えます。

  • 平面コンターを計算する時、予測点は地形の高さ+設定した予測高さとして計算します。

  • 煙源の高さは地形の高さ+設定した煙源高さとすることもできます。
    ※環境アセスメントのモデルは平坦地形を前提とした解析解モデルであり、地形、構造物などが風の流れ、大気の拡散に与える影響を考慮することができません。これらの場合は、数値解析モデルを用いた3次元流体モデル予測調査(委託調査)をご利用ください。

山間地における年平均濃度の例
ERT PSDMモデルにより有効煙突高を地形で補正

上層逆転層・貫通判定

  • 混合層の上面、上層逆転層が生じたときの下面はLid(蓋)となり大気汚染はその上空に拡散できません。指定したLidの高さおよび地面で3回反射したとみなして計算することができます。

  • 有効煙突高が上層した煙が上層逆転層を貫通した場合には、大気汚染は地上には影響を及ぼさないと考えられます。逆転層の上下面の高さおよび温度差を入力することで貫通判定を行うことができます。

  • 特定の気象条件の時に上層逆転層を貫通するかどうか煙源データベースの色分けで簡単に確認できます。

濃度変換(NOx→NO2
 年平均→年間98%値、2%除外値)

  • NO2の環境基準は日平均値で、年間の評価は日平均値の年間98%値を用います。そのためNOx年平均→NO2年平均→NO2年間98%値と順に変換を行います。

  • SPMの評価も同様に日平均値の年間2%除外値で行うため年平均値→年間2%除外値と変換を行います。

  • 変換の方法としては、「道路環境影響評価の技術手法」(当初版、2007年度版、平成24年度版)に掲載された方法と、統計モデルを用いることができます。

  • NOx年平均→NO2年平均については、「窒素酸化物総量規制マニュアル[新版]」に掲載された指数近似モデルI式にも対応しています。

フュミゲーション

  • 接地逆転層崩壊時には急激な混合が生じて高濃度となるフュミゲーションと呼ばれる現象が生じる可能性があります。

  • 「ごみ焼却施設環境アセスメントマニュアル」や「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」に掲載されているフュミゲーション時の地上最大濃度の推定式、最大濃度地点の推定式に対応しています。

便利な諸機能

 以下は Super AIR特有の機能です。他に共通仕様に示すものがあります。


煙源の規模の色・大きさ表示
  • 入力画面で煙源の排ガス量等の規模で色・大きさ分け表示できます。

煙源規模の色・大きさ分けイメージ

濃度ファイル重合機能
  • 煙源毎に設定した気象区分、煙源種類別に計算、保存した複数の濃度ファイルを重み付けして重合計算できます。広域予測などの際に便利です。
最高濃度検索機能
  • 出現する全気象条件(風向・風速階級・大気安定度)より最大着地濃度がもっとも高くなる条件を検索、計算できます。
  • 特定の風向、風速×安定度に限定した検索も可能です。
  • 気象条件毎の最大着地濃度、座標、気象条件、出現頻度一覧のCSV出力も可能です。

気象データ全時間一覧作成機能
  • 風向、風速、日射量+雲量/放射収支量の年間(任意期間)の1時間値を読み込み、大気安定度、昼夜別を加えた1時間値の一覧をCSVに出力できます。

年間(指定期間)全時間濃度計算機能
  • 上記で出力した気象データ一覧に対する全地点の1時間平均濃度を計算しCSVに出力できます。
  • 特定の時間帯における煙源からの寄与等を調べる時などに用いられます。

長期平均濃度検討補助機能
  • 煙源別、稼働条件別、気象条件別の地点濃度、出現頻度の内訳をCSVに出力できます。

予測結果表示


カラーメッシュ表示の例(Super AIR独自改良モデル)


カラーメッシュ表示    コンター(等濃度線)表示

任意の視点からの景観3次元表示


応用分野の例

  • 工場・事業所・業務ビル・複合開発事業における大気汚染、臭気濃度予測(環境アセスメント)
  • 建設工事に伴う大気汚染予測(環境アセスメント)
  • 廃棄物焼却処理施設による大気汚染予測(環境アセスメント、生活環境影響調査)
  • 大規模小売店舗等の商業施設による大気汚染予測(大店立地法の標準項目対象外)
  • 産業公害防止計画等、各種計画策定のための濃度予測、対策効果検討
  • 環境基本計画、環境管理計画、広域廃棄物系計画等における基礎調査としての大気汚染の広域予測

■お問い合わせ■

ERI 株式会社 環境総合研究所

〒152-0033 東京都目黒区大岡山1-31-9-401 TEL 03-6421-4610 FAX 03-6421-4611
連絡先メールアドレス:office@eritokyo.jp(担当:鷹取)

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