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若狭湾地区には高浜原発、大飯原発、美浜原発、敦賀原発があり、まさに日本の原発銀座である。
以下は、北風が卓越するときに高浜原発、大飯原発、美浜原発、敦賀原発の各原発が個々に事故を起こした場合、さらに全部の原発が事故を起こした場合の影響範囲の推定である。敦賀は3,4号機を含めているがまだ計画中である。 事故の規模の定量的想定、具体的には発生源の規模は、現場での事故内容の詳細が事故直後には把握できないことなどの理由で事実上困難である。そこで、私たちが2011年3月に地震、津波後に起きた福島第一原発事故当初(2011年3月15日の平均値)を想定し、国などが各地に設置しているモニタリングポストにおける空間放射線量で発生源規模を逆シミュレーション結果を用いている。逆シミュレーションについては、@基礎と前提 を参照いただきたい。 上記のモニタリングポストデータは、現況再現データして用いているが、シミュレーションの対象となる核種は全核種を想定している。 なお、参考のため福島第一原発事故時(2011年3月15日の平均値)のシミュレーション図(風向:北北東、風速:2m/s)を示す。 若狭湾の原発事故時シミュレーション結果は、以下の福島第一原発時のシミュレーションの分級値(紫、赤、橙、黄、緑、青など)を判断材料に対比して欲しい。
なお、シミュレーションの対象原発、対象範囲、風速、風向、大気安定度などとの関係で数10ケースをシミュレーションしているが、今回公表するのは、個別原発事故は北風(N)、風速2m/s、大気安定度Dであり、全原発事故時は、風向がNNW−N−NNE、風速が2m/s、大気安定度はDの場合です。 用いたメッシュの規模は2km×2km。現在、1km×1kmさらに原発周辺市町村を対象とした500m×500m、100m×100mの詳細版についても現在計算を実施中。計算に用いた地形データは、国土地理院の50m×50mである。それをスプライン補間した上で3次元数値計算に用いている。 ■日本の原発銀座、若狭湾地域における事故時シミュレーション 図4 高浜・大飯・美浜・敦賀原発が同時事故時、北北東風、風速2m/s 図5 高浜・大飯・美浜・敦賀原発が同時事故時、北風、風速2m/s 図6 高浜・大飯・美浜・敦賀原発が同時事故時、北北西風、風速2m/s 上に示したように、個別原発事故時の北風系影響範囲もさることながら、若狭湾に立地する全原発が事故を起こしたの北風系の影響範囲は福島原発事故時を遙かに超え、関西一帯に放射性物質が風下地域に移流、拡散、飛散そして降雨がある場合は地表面に沈降すると推定される。 つづく |