エントランスへはここをクリック   


速報
日独・脱原発自治体
交流レセプション参加記

(在日ドイツ大使館)

青山貞一
Teiichi Aoyama
環境総合研究所顧問、東京都市大学名誉教授
Advisor, Environmental Research Institute, Tokyo
Prof. Tokyo City University

掲載月日:2013年7月12日
独立系メディア E−wave Tokyo
無断転載禁

(1)はじめに (2)ラインラント=プファルツ州とは (3)再生可能エネルギー戦略
(4)
大臣の同行者紹介 (5)エヴェリーン・レムケさん  速報  補遺

 ドイツ大使館から日独脱原発自治体交流レセプションに招待を受けていましたので、昨日夜7時、港区南麻布にあるドイツ大使館に伺いました。


東京都港区南麻布にあるドイツ大使館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-7-11

 詳細は現在、沢山の写真を入れたブログを執筆中ですのでそちらをご覧いただくとして、昨日の会合はドイツのライン川が流れるラインラント=プファルツ州(ドイツ語:Rheinland=Pfalz)から州政府の女性大臣、大臣の政策スタッフ、公益事業者、企業関係者ら20人が来日しており、日本の脱原発首長らと交流する場に招待を受けたことになります。

 在日ドイツ大使が出張中と言うことで、首席公使が挨拶した後、使節団長でもありますエヴェリーン・レムケ大臣が挨拶されました。右から二人目が首席公使のシュテファンさん。


使節団長でもありますエヴェリーン・レムケ大臣の挨拶。左端の女性
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-7-11


日本側を代表し挨拶する三上湖西市長
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-7-11


ドイツ16州におけるラインランド=プファルツ州の位置、図中左下(南西部)
出典:http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2012/02/ii-cd1e.html

 エヴェリーン・レムケさんは、ラインランド=プファルツ州の経済・気候保護・エネルギー・国土計画大臣であり、ドイツの「緑の党」の主要メンバーでもあります。

 立食パーティーだったので15分ほど大臣と立ち話したところ、いろいろ印象的なお話が聞けました。ラインランド=プファルツ州では、社会民主党(SPD)、緑の党だけでなく中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)も再生可能エネルギー開発利用に積極的であること、同州では3.11直後の選挙で、社会民主党(SPD)が41議席、キリスト教民主同盟(CDU)が41議席に加え、エヴェリーン・レムケ大臣が所属する緑の党が18議席をとり、まさにキャスティングボートとなったとのことです。


チャーミングなエヴェリーン・レムケ大臣
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-7-11

 これはまさに福島第一原発事故によってドイツ国民の意識が明確に脱原発となった証左でもあります。その結果、緑の党が州の連立内閣に入ることになり、経済・気候保護・エネルギー・国土計画という主要な政策全般の大臣に彼女がつくことになったとのことです。

 さらに同州では、州議会議員の60%が女性議員、5つある市町村議員の40%が女性議員ということで、連邦政府を遙かに超える政治分野での女性上位を実現しています。 

 さらに、ドイツの脱原発は長足の進歩を遂げており、同州では、すでに全エネルギー需要の過半を再生可能エネが占めており、60%の家庭、世帯でバイオガスの利用とそれを使ったバイオガス発電が普及しているとのことです。

 全需要の過半を再生エネが占めていることについては、全ドイツでも実現していますが、それにともない先月下旬に、再生可能エネルギー優先法(略称: 再生可能エネルギー法、EEG)が改正されており、再生可能電力の増加で、電力の取引市場での価格が大きく低下しているそうです。

 その結果、原発中心のフランスのKW当たりの電力料金よりも、ドイツの電力料金が安くなっているなど、当初の計画目標を遙かに超え再生可能エネが連邦全体、また州政府、基礎自治体に浸透しているようです。

 今回の来日目的のひとつは、理念だけでなく同州における再生可能エネ開発の具体的システムや同州で行われている環境に調和した経済、とりわけ持続可能社会の実現のもととなっている産業、企業のあり方、内容を日本の脱原発首長自治体の市町村長に紹介することにあるとのことで、本日、東京でそのシンポジウムが行われています。


日独脱原発自治体レセプション ドイツ大使館にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-7-11

 上述したように、詳細はブログに書きますので、そちらをご覧ください。

 ドイツは連邦政府、中央だけでなく、地方こそ風力、バイオガス、太陽光など再生可能エネルギーの開発利用でエネルギー自立寸前と息巻いていました。

 また私がこの間行ってきたことを含め自己紹介すると、日本には国民、市民、NGOなどの脱原発、再生可能エネなどに向けての諸活動を大学教授や研究所などの専門家の多くが支援しているのでしょうか? と聞くので、ほとんどの専門家、大学教授らはいわゆる「原子力村」の住人であることを告げると、私にぜひ、大臣らが進めている情報ネットワークに参加し、日本だけでなく欧州など他地域も支援して欲しいと言われました。

 私からは日本などが東南アジア諸国や東ヨーロッパ諸国に原発を輸出しようとしていること、またお隣の韓国や中国で原発立地が盛んなことに関連し、現在、私達が日本で行っている事故時に影響、被害シミュレーションをそれらの国々の国民、市民からの具体的要望があれば、必要なデータを得た上でアドボカシー的に行う用意があると伝え、大臣は大変心強いと言って喜んでいました!

 なお、彼女は何しろアクティブで情熱的、私が言うところのミッション、パッション、アクションの女性大臣です。さらに、すごくアグレッシブ、また前向きの方であることに感銘を受けました!

 写真はエヴェリーン・レムケ大臣とのツーショットの写真です。私は重度な気管支喘息患者で、酒類は一切飲めないのですが、ワインを注がれ飲んだため、真っ赤な顔となっています(笑い)。


ドイツ大使館にて、大臣とツーショット
撮影:大臣の同僚 Nikon Coolpix S8 2014-7-11

別途、詳細報告あり(執筆中)