| シルクロードの今を征く Now on the Silk Road  （イタリア）  サンタ・ジュスティーナ教会（パドヴァ）８ （Abbey of Santa Giustina in Padua） 無辜の幼児殉教者のための礼拝堂 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日：２０１9年4月20日、改訂公表予定2020年7月1日 独立系メディア Ｅ－ｗａｖｅ Tokyo 無断転載禁 |
| ＜ヴェネツィア総合メニュー＞ ＜礼拝堂１＞ 位置と外観 概要 内装 聖ジャコモ礼拝堂 聖グレゴリオ・マグノ礼拝堂 聖ダニエレ・レヴィタ礼拝堂 聖パルシド礼拝堂 聖マウロ／マウルス礼拝堂 殉教者ジュリアーノ礼拝堂 聖フェリシタ礼拝堂 聖ルカ礼拝堂 ビート・アルナルド・ダ・リメナ礼拝堂 聖歌隊席（クワイヤー席） 主祭壇 ピエタの礼拝堂 聖マキシム礼拝堂 聖マティアス礼拝堂 殉教者の廊下 プロズドチモの聖なる場所 聖ウーリオ礼拝堂 無辜の幼児殉教者のための礼拝堂 聖ベネディクト礼拝堂 聖スコラスティカ礼拝堂 聖ジェラルド・サグレド礼拝堂 聖ゲトルデの礼拝堂 聖パウロの回心の礼拝堂 本稿の解説文は、現地調査に基づく開設に加え、Veneziaイタリア語版を中心にVenice英語版からの翻訳及び日本語版を使用しています。また写真は現地撮影分以外にWikimedlia Commons、さらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビューを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名をつけています。 ◆無辜の幼児殉教者のための礼拝堂（Chapel of the Holy Innocents） 17世紀前半に建てられたこの礼拝堂は、もともとは聖餐式の秘跡のために使われていたものが、後陣の礼拝堂のひとつに移されました。現在の様相は、幼児殉教者（Saints Innocents）（ヘロデの3人の犠牲者の遺跡）の遺物のための聖域で1675年からのものです。  ?Chapel of the Holy Innocents Source:Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0, Link ＜参考＞ 幼児虐殺  幼児虐殺 Source:Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0, Linkki 幼児虐殺は新約聖書の『マタイによる福音書』2章16節～18節にあらわれるエピソードで、新しい王（イエス・キリストのこと）がベツレヘム（ベトレヘム）に生まれたと聞いて怯えたユダヤの支配者ヘロデ大王がベツレヘムで2歳以下の男児を全て殺害させたとされる出来事です。 概要 幼児虐殺は、占星術博士の星に関するエピソードの中で、マタイによる福音書の幼年期の部分に書かれています。博士たちはユダヤ人の王を訪ねてきました（マタイ2:1）。 ユダヤ人の王であったヘロデは、自分を脅かしうる者が誰なのかを調べるために策略を練り、帰りに立ち寄り知らせるよう博士たちに頼みましだ。博士たちが他の道を通って帰ったことを知ると、「大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させました」（マタイ2:16）。 この場面はいくつかの旧約のエピソードを思い出させます。出エジプト記によれば、ファラオは生まれたばかりのヘブライ人の子を皆殺しにするよう命じましたが、モーゼだけは助かり、後にこのモーゼによって民は解放されました（出エジプト 1:8?2:10）。 聖マタイはまた、幼児の殉教によってエレミヤの預言が実現したことを語ります（エレミヤ31:15）。イスラエルの民は追放されましたが、新たな出エジプトとして主は新たな地へ導き、新しい契約を約束しました（エレミヤ31:31）。従って、キリスト教ではこの場面の意味は明白である。この世の力がどれほどであろうとも、人間を救う神の計画に逆らうことはできないということです。 キリスト教 キリスト教では伝統的にこの幼児たちをイエスのために命を落とした最初の殉教者（致命者）であるとみなしてきました。伝統的教会では彼らを聖人とし、カトリック教会では「幼子殉教者」、正教会に属する日本ハリストス正教会では「聖嬰児」（せいえいじ）と呼びます。カトリックでの記念日は12月28日、正教会での記憶日は12月29日です。 マタイ福音書によれば、ヘロデ大王は星を見て救い主の誕生を知り、拝もうとやってきた東方の三博士たちから「新しい王」の話を聞きました。王は自分の地位を脅かされることを恐れ、いっそ殺してしまおうと考えました。 そこでベツレヘムで2歳以下のすべての男子を殺害するよう命じ、実行させました。これはエレミヤ書31章15節にある「ラマで声が聞こえます。すすり泣きとうめき声が……」という預言の成就であるとマタイ福音書は書いています。イエスの両親ヨセフとマリアはお告げでこの危機を知り、エジプトに逃れたためイエスの殺害を免れました。 芸術作品 幼児虐殺は、幼児に対する暴力というショッキングなテーマながら、ジョット・ディ・ボンドーネなど多くの芸術家たちの画題となってきました。たとえばルーベンスは一度ならず『幼児虐殺』の絵を描いていますが、その中の一枚は2002年、ケネス・トムソンによって4950万ポンドで落札され、史上もっとも高額で取引された絵の一つであるとされています。 音楽ではイギリス中世の『コヴェントリー・キャロル』がこの件を歌っています。  ピーテル・パウル・ルーベンス作『幼児虐殺』。アルテ・ピナコテーク蔵。 Source:Wikimedia Commons パブリック・ドメイン, リンクによる 聖ベネディクト礼拝堂につづく |