厳寒のロシア2大都市短訪 エルミタージュ美術館 イタリア陶芸・マイオリカ 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2017年5月30日 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
ロシア短訪・総目次に戻る ・帝国陶磁器工房美術館 施設概要・作品1(ロシア) 作品2(ロシア) 作品3(ロシア) 作品4(ロシア) 作品5(ロシア) 作品6(ロシア) 作品7(ロシア) ・新エルミタージュ陶芸作品 作品(イタリア・マイオリカ) ◆サンクトペテルブルグ(Saint Petersburg) サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群 サンクトペテルブルグ市の紋章 サンクトペテルブルグ市旗 帝国陶磁器工房美術館 ◆エルミタージュ美術館の5つの美術館紹介 エルミタージュには、以下のように5つの美術館があります。 エルミタージュには、以下のように5つの美術館があります。左からエルミタージュ美術館(本館、冬の宮殿、単に冬宮とも訳されます)、小エルミタージュ、大(旧とも)エルミタージュ、新エルミタージュ、エルミタージュ劇場です。 出典:入館時英文パンフより作成 ここでは、エルミタージュ美術館に展示されているイタリアのマヨリカ焼き(Maiolica)作品のコレクションを紹介します。 以下はマヨリカ焼き(Maiolica)の概説です。出典:Wikipedia ◆マヨリカ焼き(Maiolica) マヨリカ焼き(Maiolica)はイタリアの錫釉陶器でルネサンス期に発祥しました。白地に鮮やかな彩色を施し、歴史上の光景や伝説的光景を描いたものが多いようです。地名呼称の表記のゆらぎによりマジョリカ焼、マヨルカ焼、マリョルカ焼、マジョルカ焼ともいいます。 その名称は、中世イタリア語でマヨルカ島を意味します。マヨルカ島はバレンシア地方からイタリアにムーア人様式の陶器を輸出する際の中継点でした。ムーア人の陶工はマヨルカ島を経由してシチリア島にも移住したと見られ、同様の陶器はカルタジローネからもイタリア本土に入ってきたとされています。別の説として、スペイン語の obra de Malaga、すなわち「マラガから(輸入された)食器」が語源とする説もあります。 ルネサンス期には、「マヨリカ」といえばラスター彩を意味し、イタリア産のものとスペインからの輸入ものを含んでいましたが、その後ラスター彩かどうかに関わらずイタリア産の錫釉陶器全般を指すようになりました。スペインがメキシコを征服すると、錫釉のマヨリカ焼きは1540年ごろからメキシコでも生産されるようになり、当初はセビリア産の陶器を真似て作っていました。メキシコ産マヨリカ焼きは「タラベラ焼き」として有名です(タラベラ・デ・ラ・レイナが産地として有名)。 錫釉陶器 錫釉は不透明で真っ白な表面を生み出し、その上に絵付けしたときに鮮やかに映えます。錫釉薬を全体に施して、火にかける前に金属酸化物などで絵を描きます。フレスコ画のように釉薬が顔料を吸収し、間違っても後から修正できませんが、鮮やかな発色を保つことができます。 時には表面にもう一度釉薬をかけ(イタリアではこれを coperta と呼ぶ)、さらに光沢を強くすることもあります。光沢を増すには、低温での火入れに時間をかける必要があります。窯には大量の木材が必要とされ、陶芸が盛んになるに従って、森林伐採が進んだ面もあります。釉薬の原料は砂、ワインのおり、鉛、錫です。 マヨリカ焼きに端を発した15世紀の陶芸(ファイアンス焼きと総称される)は、シチリア島経由で入ってきたイスラムの陶器の影響を受けてスズ酸化物を釉薬に加え、それまで中世ヨーロッパで行われていた鉛釉陶器の様式に革命を起こしました。 そのような古い陶器は「プロト・マヨリカ」などとも呼ばれています。それまで陶器の彩色はマンガンの紫と銅の緑ぐらいしかなかったのですが、14世紀後半にはコバルトの青、アンチモンの黄色、酸化鉄のオレンジ色が加わりましたた。 ズグラッフィートと呼ばれる技法も生まれました。これは、白い錫釉をかけた後にそれを引っかいてその下の粘土が見える部分を作り模様などを描いたものです。ズグラッフィートはペルージャやチッタ・ディ・カステッロが本場とされていましたが、モンテルーポ・フィオレンティーノやフィレンツェの窯からズグラッフィートの不良品が大量に見つかっており、そちらの方が生産量が多かったことがわかっています。 Bottega di francesco xanto avelli, piatto con laocoonte Source:Wikimedia Commons By I, Sailko, CC BY-SA 3.0, Link フランチェスコ・ゴンザーガの紋章付き皿、1545年から1550年 Source:Wikimedia Commons Автор: I, Sailko, CC BY-SA 3.0, Ссылка カステル・デュランテ窯の皿、Antiphylla、16世紀前半の作品 Source:Wikimedia Commons By I, Sailko, CC BY-SA 3.0, Link カステル・デュランテ窯の皿、美しいカミラ、16世紀前半の作品 Source:Wikimedia Commons By I, Sailko, CC BY-SA 3.0, Link ニノの聖母マリア、Della Robbina のための陶器の多彩絵付けサンクトペテルブルグ、エルミタージュ美術館蔵。 Source:Wikimedia Commons By MarisaLR - Own work, CC BY-SA 3.0, Link カステル・デュランテ窯の皿、「美しい顔は、乳房やものよりも価値がある」16世紀前半の作品。 Source:Wikimedia Commons By I, Sailko, CC BY-SA 3.0, Link エルミタージュ美術館保存、1883年、カステラーニによって中心に武器を描いた多色色絵とファエンツァ陶器皿、 Source:Wikimedia Commons By MarisaLR - Own work, CC BY-SA 3.0, Link ウルビーノ、多色マジョリカ陶器、16世紀の後半の作品 Source:Wikimedia Commons By I, Sailko, CC BY-SA 3.0, Link つづく (考古学系(絵画、彫刻)コレクションへ) 総目次に戻る |