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アンコール遺跡群現地調査報告


アンコール関連用語解説

青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
2019年1月24日公開
独立系メディア E-Wave Tokyo 
無断転載禁
アンコール遺跡全体目次

東南アジア巨大石造遺跡に魅せられて
シエムリアップに行く1    シエムリアップに行く2
視察・見学の方法と注意   遺跡・寺院の概要・場所
<参考>
カンボジア基礎知識    シェムリアップ基礎知識  博物館
クメール王朝について   創建順による遺跡・寺院
アンコール関連用語解説  クメール建築様式  アプサラとデヴァタ


  ここではアンコール朝、アンコール遺跡、ヒンズー教、上座部仏教などに関連した用語、専門用語の解説を行います。


ナーガ

 ナーガ (Naga) は、インド神話に起源を持つ、蛇の精霊あるいは蛇神のことです。

 経典等の記述においては、インドコブラ自体の容姿を思わせる記述としてあり、インドや南伝仏教圏においては純粋に蛇として描かれることの方が多く、東南アジアのインド文化圏では、頭が7つある姿が多いようです。


ラオスの公園の像。ナーガに守られたブッダ。
Source:Wikimedia Commons

 釈迦が悟りを開く時に守護したとされ、仏教に竜王として取り入れられて以来、仏法の守護神となっています。特に法華経の会座に列した八大竜王は有名で、その多くがもとはインド神話でも有名なナーガの王でした。

 ナーガは天気を制御する力を持ち、怒ると旱魃に、宥められると雨を降らします。天候に関して責任感も持っているので、自身の感情を抑えたりもします。チベットでは、樹の枝にも棲むとされている吉兆です。

 元来コブラを神格化した蛇神であったはずでしたが、コブラの存在しない中国においては漢訳経典において「竜」と翻訳され、中国に元来からあった龍信仰と習合し、日本にもその形式で伝わっています。ナーガは英語で蛇を意味する「スネイク」(snake) と、語源上の繋がりがあるとする説もあります。


◆バライ(baray)

 バライ (baray) は、東南アジアのクメール王朝における建築様式の共通要素となる人工水域です。最大のものはアンコール地域にある東バライおよび西バライであり、形はどちらも長方形で東西に延び、およそ東西8キロメートル、南北2キロメートルにおよんでいます。

 歴史学者においては、バライの目的および機能に関して意見が分かれています。一つに、それらは主として宗教的な目的として、ヒンドゥー教の世界の源である須弥山(メル山)を取り囲む海を象徴するものであったとする説があります。一方で、それらは田畑の灌漑用水を保持したとも理論付けられています。バライの役割は、これらの見解あるいは他と組み合わさったものであったとも考えられます。


左: 西バライ、右: 東バライ  下: トンレサップ湖
Source:Wikimedia Commons

◆メボン

 東メボン(East Mebon)は、カンボジアのアンコール遺跡群にある10世紀のヒンドゥー教寺院です。王ラージェンドラヴァルマン2世の統治時代 (在位944-968年) に築かれ、現在は干上がった東バライ貯水池の中心にあります人工の島であった場所に建っています。


Mebon Oriental, Angkor, Cambodia
Source:Wikimedia Commons

 西メボン(West Mebon)は、カンボジアのアンコール遺跡群にある寺院で、アンコール地域最大の貯水池である西バライの中心に位置しています。寺院の建築年は知られていませんが、証拠からは王スーリヤヴァルマン1世(在位1002-1050年)あるいはウダヤーディチャヴァルマン2世(在位1050-1066年)統治時代の11世紀が示唆されています。


西メボン
Source:Wikimedia Commons


◆乳海攪拌(にゅうかいかくはん)

 乳海攪拌は、ヒンドゥー教における天地創造神話です。乳海攪拌の物語は、『マハーバーラタ』1・15-17(乳海攪拌)、『バーガヴァタ・プラーナ』、『ヴィシュヌ・プラーナ』、『ラーマーヤナ』などで語られています。


1820年頃に描かれた乳海攪拌
Source:Wikimedia Commons


クメール王朝

 クメール王朝は、9世紀から15世紀まで東南アジアに存在していた王国で、現在のカンボジアのもととなった国であり、これより以前にあったチェンラ王国(真臘)の流れを受け継ぐクメール人の王国です。

 詳しくは クメール王朝について を参照のこと。


クメール朝の位置
Source:Wikimedia Commons


◆真臘(チャンラ、 しんろう)王国

 真臘(チャンラ /日本語読み: しんろう)は、初期のクメール人の王国。中国では真臘として知られていてます。


チャンラの位置
Source:Wikimedia Commons


◆スーリヤヴァルマン2世(Suryavarman II, ? - 1150/2年)

 スーリヤヴァルマン2世(Suryavarman II, ? - 1150/2年)は、クメール王朝(現在のカンボジア付近)の王(在位:1113年 - 1150/2年)です。


アンコール・ワットの南棟−西ギャラリーに掘られたスーリヤヴァルマン2世の浅
浮き彫りの壁画。
Source:Wikimedia Commons

生涯
 ダーラニンドラヴァルマン1世の大甥です。1145年にチャンパ王国の首都ヴィジャヤを陥落させ、スーリヤヴァルマンの時代に王朝の領土は最大となりました。また、アンコール・ワットを建設しました。副王(ウッパラージャ)時代には現在のタイ王国にあるピマーイ遺跡も建設しています。

 一方で、戦争と大規模な建築事業により国内は疲弊し、死後、反乱や王位簒奪が起こったとされています。

 従兄弟にあたるダーラニンドラヴァルマン2世が王位を継承しました。


◆チャンパ王国(Champa)

 チャンパ王国(Champa)は、ベトナム中部沿海地方(北中部及び南中部を合わせた地域)に存在したオーストロネシア語族を中心とする国家です。主要住民の「古チャム人」は今日のベトナム中部南端に住むチャム族の直接の祖先とされています。中国では唐代まで林邑と呼び、一時環王を称したが、宋代以降は占城と呼んでいます。


◆祠堂(しどう)

 祠堂(しどう)は仏教において祖先の位牌を祀ってある堂のことを意味します。寺院の位牌堂 (信徒の位牌を一堂に集めたところ) も祠堂という。

 ここで,忌日ごとに読む経を祠堂経,それを寺院側に頼んで永続的に読んでもらう場合には永代経 (えいたいきょう) といいます。

出典 ブリタニカ国際大百科事典

 アンコール・ワットでは、敷地のちょうど中央に中央祠堂があります。


アンコール・ワット中央祠堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


回廊(かいろう))

 回廊(cloister)とは、寺院、教会、修道院、宮殿などにおいて、建物や中庭などを屈折して取り囲むように造られた廊下を意味します。

 比喩的には、両側に山や海がせまって細くなった地形のことや、両側に他国の領土のある細長い領土の部分のことを「回廊地帯」と(単に「回廊」とも)呼ぶことがあります。


◆サンスクリット(Sanskrit)

 サンスクリット(Sanskrit)は、古代インド・アーリア語に属する言語です。インドなど南アジアおよび東南アジアにおいて用いられた古代語です。

 文学、哲学、学術、宗教などの分野で広く用いられました。ヒンドゥー教、仏教、シーク教、ジャイナ教の礼拝用言語でもあり、現在もその権威は大きく、母語話者は少ないものの、現代インドの22の公用語の1つとなっています。

 サンスクリットは「完成された・洗練された(言語、雅語)」を意味します。言語であることを示すべく日本ではサンスクリット語とも呼ばれる。

 漢字表記の梵語(ぼんご)は、中国や日本でのサンスクリットの異称となっています。日本では近代以前から、般若心経など、サンスクリットの原文を漢字で翻訳したものなどを通して、梵語という言葉は使われてきました。梵語は、サンスクリットの起源を造物神ブラフマン(梵天)とするインドの伝承を基にした言葉です。


◆ヒンドゥー教

 ヒンドゥー教(Hinduism)は、インドやネパールで多数派を占める民族宗教、またはインド的伝統を指します。西欧で作られた用語です。ヒンドゥー教徒の数はインド国内で8.3億人、その他の国の信者を合わせると約9億人以上とされ、キリスト教、イスラム教に続いて、人口の上で世界で第3番目の宗教となっています。

ヒンドゥー教の特徴

インドラ
 狭い意味でのヒンドゥー教は、バラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されてきた多神教です。紀元前2000年頃にアーリア人がイランからインド北西部に侵入しました。彼らは前1500年頃ヴェーダを成立させ、これに基づくバラモン教を信仰しました。

 紀元前5世紀ごろに政治的な変化や仏教の隆盛がありバラモン教は変貌を迫られました。その結果、バラモン教は民間の宗教を受け入れ同化してヒンドゥー教へと変化して行きます。(バラモン教もヒンドゥー教に含む考えもある。)ヒンドゥー教は紀元前5 - 4世紀に顕在化し始め、紀元後4 - 5世紀に当時優勢であった仏教を凌ぐようになりました。その後インドの民族宗教として民衆に信仰され続けています。

 神々への信仰と同時に輪廻や解脱といった独特な概念を有し、四住期に代表される生活様式、身分(ヴァルナ)・職業(ジャーティ)までを含んだカースト制等を特徴とする宗教である。

 三神一体(トリムルティ)とよばれる近世の教義では、中心となる3大神、すなわち

 ブラフマー:宇宙、世界に実存、実在の場を与える神
 ヴィシュヌ:宇宙、世界の維持、平安を司る神
 シヴァ:宇宙、世界を創造し、その寿命が尽きた時に破壊、破滅を司る神

は一体をなすとされています。 しかし現在では、ブラフマー神を信仰する人は減り、ヴィシュヌ神とシヴァ神が二大神として並び称され、多くの信者がいます。ヴィシュヌ神を信仰する派をヴィシュヌ教、またシヴァ神を信仰する派をシヴァ教と呼んでいます。

 ヒンドゥー教の神や祭祀は一部形を変えながらも、日本の仏教に影響を与えています。


◆ヒンドゥー教の主要な神々

 ヒンドゥー教の3大神はそれぞれ神妃をもち、夫婦共に多様な化身を有しています。以下にそれぞれの神の概要、特徴を紹介します。

・ヴィシュヌ神


 ヴィシュヌ神は世界維持の神、慈愛の神、毘盧遮那、盧遮那です。鳥神ガルーダに乗ります。10大化身と呼ばれる多数の分身を有しますが、それぞれの分身にはヴィシュヌ神としての自我は無く、それぞれの自我を持っています。例えば釈迦は釈迦であって釈迦ではなく、ヴィシュヌ神です。

ラーマ
 ヴィシュヌ神の化身。叙事詩『ラーマーヤナ』で大活躍する。

クリシュナ
 ヴィシュヌ神の化身。叙事詩『マハーバーラタ』の英雄、民間に人気のある神。

釈迦
 仏教の開祖である釈迦牟尼はヒンドゥー教ではヴィシュヌ神の9番目の化身とされている。

ラクシュミー
 ヴィシュヌ神の神妃、富と幸運の女神。北伝仏教では吉祥天。

カーマ
 ヴィシュヌ神の娘、恋愛、性愛、和合を司る神。

・シヴァ神

 シヴァ神は創造と破壊の神、乗り物は牡牛のナンディン、トラの皮をまとい首にコブラを巻いています。しばしば結跏趺坐し瞑想する姿で描かれます。北伝仏教では大自在天(降三世明王に降伏され仏教に改宗したとされています)。

マハーカーラ
 シヴァ神の化身。チベット仏教など仏教においても信仰される。北伝仏教では大黒天です。

パールヴァティー
 シヴァ神の神妃、ヒマラヤ神の娘、穏やかで心優しい。

ドゥルガー
 パールヴァティーの化身の一つで美しい戦いの女神、虎に騎乗して水牛に化けた悪魔を倒す美しい神像が有名です。

カーリー
 パールヴァティーの化身の一つで荒々し殺戮の神。しばしば多くの生首を首、腰に巻き付け殺戮に狂う荒神の像で現される。コルカタ(カルカッタ)の地名はカーリーから来ています。

・ブラフマー神

 形而上および現実に存在する全てに対して実存する為の縁起を与える神です。神であれ、人であれ、実存しているのならばブラフマーの働きに依存しています。

 神学的哲学の根元であり擬人化され水鳥ハンサに乗った老人の姿で表されています。北伝仏教では梵天。新義真言宗では大日如来。釈迦もしばしば言及したとされます。

サラスヴァティー

 ブラフマー神の神妃、北伝仏教では弁才天です。

 3大神は、信者個人の信仰においては並立しているわけではありません。たとえば「シヴァ神」を最高神と崇める人にとって、「ヴィシュヌ神」は劣位ではあるが敬うべき神です。また神話の中で3大神の化身と共に活躍する神や、3大神の子神も信仰されています。

ガネーシャ

 シヴァ神の子供で象の頭を持つ神、鼠に乗ります。富と繁栄、智恵と学問を司る。北伝仏教では歓喜天(聖天)となっています。

ハヌマーン

 外見が猿の神、叙事詩『ラーマーヤナ』でラーマ王子を助けて活躍します。身体の大きさを自由に変えられます。孫悟空の元になったと考えられます。

インドラ

 雷神、天空神。『リグ・ヴェーダ』の中心的な神で、古くバラモン教の時代には盛んに信仰されました。北伝仏教では帝釈天です。

 インドの国立博物館にヒンドゥー教の神々の多様な神像が収蔵・展示されています。


リンガ(linga)

 印,記号,標識を意味するサンスクリット語で,インド思想史上さまざまな意味で用いられています。 ヒンドゥー教では,シバ神の象徴として男性生殖器また,それをかたどった像,陽石の意。崇拝の対象とされています。

出典 ブリタニカ国際大百科事典


◆聖牛崇拝(せいぎゅうすうはい)

 ヒンドゥー社会において牛は崇拝の対象となっています。神話にもたびたび牛が登場し、たとえばシヴァ神の乗り物はナンディンという牡牛です。実社会でも牡牛は移動・運搬・農耕に用いられ、牝牛は乳を供し、乾燥させた牛糞は貴重な燃料(牛糞ケーキ)となります。ただし聖別されているのは主として瘤牛であり、水牛は崇拝の対象とはなりません。

 ヒンドゥー神学では、牛の神聖性は輪廻転生と結びついています。ヒンドゥー教の輪廻転生の考え方は上下87段の階梯構造となっていますが、最上段の人間に転生する1つ前の段階が牛であり、牛を殺した者は輪廻の階梯の最下段からやり直さなくてはならなくなると言われています。

 また、ヒンドゥー神学者は牛には3億3千万の神々が宿るとし、牛に仕え、牛に祈ることはその後21世代に渡ってニルヴァーナをもたらすということになります。


◆上座部仏教(アンコール・トム寺院など)

 アンコール寺院の多くは、ヒンドゥー寺院ですが、アンコール・トムはじめ少数ですが、小乗仏教(上座部仏教)の寺院もあります。中国、日本に伝わった仏教は、大乗仏教ですが、小乗仏教(上座部仏教)について概要を紹介します。

 上座部仏教(Theravada Buddhism)は、仏教の分類のひとつです。。「上座」 (thera) とはサンガ内で尊敬される比丘のことで、「長老」とも漢訳されます。

 上座部仏教はスリランカ、ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオスに広まり、パーリ語仏典を受持する上座部仏教は、南伝仏教とも呼ばれ、パーリ語の三蔵を伝えていることからパーリ仏教ともいいます。

 これは東アジア、チベット、ベトナムへ伝わった大乗仏教(北伝仏教)とは異なる歴史経過をたどっています。上座部仏教は小乗仏教と呼ばれることもありますが、そのように呼称するのは不適切とされています。


仏教の主要な3つの分類を表した図。赤色がパーリ語経典を用いる
上座部仏教。黄色は漢訳経典、橙色はチベット語経典を用いる大乗仏教。
Source:Wikimedia Commons

 上座部仏教は、一般に、初期仏教・部派仏教・大乗仏教に分類されています。部派仏教とは、初期仏教教団の根本分裂によって上座部と大衆部が生じ、これがさらに分派して多くの部派が分立した時代の仏教を総称するために明治期の日本で使われ始めた仏教学用語です。今日の南方諸国に伝わる上座仏教は「上座部」(テーラヴァーダ)の名をもって自ら任じており、部派仏教時代の仏教の末裔とされています。

 近代以降に上座部仏教と呼ばれるようになった仏教の源流はスリランカの上座部である(他の部派は消滅)です。歴史上、スリランカ上座部には三つの派が存在したが、そのうちの大寺派がタイ、ミャンマー、カンボジア、ラオス等の諸国にも伝わって今も存続しています。

 上座部仏教では具足戒(出家者の戒律)を守る比丘・僧伽(サンガ(教団))と彼らを支える在家信徒の努力によって初期仏教教団、つまり釈迦の教えを純粋な形で保存してきたとされます。

 大乗仏教では後代の仏説ごとに仏典が作られましたが、上座部仏教では同一の内容をシンハラ文字など各民族の文字によって記したパーリ三蔵が継承されています。上座部仏教の仏典は「読む」書物というよりも「詠む」書物であり、声を介して仏典を身体に留める伝統が培われてきました。仏典の継承は口授によって行われるため、戒法の継承は文字経典を求めるより戒や教説を体得した僧侶を招く形で行われています。

 教義では、次のようにされています。限りない輪廻を繰り返す生は「苦しみ (dukkha)」です。この苦しみの原因は、無明によって生じる(煩悩)執着です。そして、無明を断ち輪廻から解脱するための最も効果的な方法は、戒律の厳守、瞑想の修行による八正道の実践であるとしています。

 上座部仏教では、釈迦によって定められた戒律と教え、悟りへ至る智慧と慈悲の実践を純粋に守り伝える姿勢を根幹に据えてきました。古代インドの俗語起源のパーリ語で記録された共通の三蔵 (tipitaka) に依拠し、教義面でもスリランカ大寺派の系統に統一されている点など、大乗仏教の多様性と比して特徴的である。


◆ヒンドゥー教における釈迦

 ヒンドゥー教内の伝統の多様性のため、ヴェーダ伝統の参照内には、釈迦の正確な位置づけへの明確な観点あるいは総意は存在しません。

 しかし、ヒンドゥー教の伝統の多くにおいて、ブッダをダシャーヴァターラ(神の十化身)として知られる最も重要な10の化身の最も新しい(9番目の)化身を演じさせています。

 これは大乗仏教の教義がヒンドゥー教に取り込まれ、ヒンドゥー教のひとつの宗派として仏教が扱われるようになったためです。

 仏教徒のダシャラタ・ジャータカ(ジャータカ・アッタカター461)は菩薩・偉大な叡智の至高なるダルマの王としてのブッダの前世としてラーマを描写しています。


◆ロリュオス遺跡

 王都がアンコール地域に移る以前、ロリュオスに築かれた王都が「ロリュオス遺跡群」です。

 遺跡群内には最も大きな規模の「バコン」を中心に、王の両膝に捧げたとされアンコール遺跡最古の寺院「プリア・コー」、そして大貯水池インドラタターカの中央の「ロレイ」が建立されています。


バコン(Bakong)寺院全景
Source:Wikimedia Commons


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