エントランスへはここをクリック   


足尾銅山 現地視察
(1)足尾銅山概要

青山貞一 池田こみち
掲載月日:2014年5月9日
 独立系メディア E-wave Tokyo
無断転載禁


現地視察(1)  現地視察(2)  現地視察(3)  現地視察(4)
現地視察(5)  現地視察(6)  現地視察(7)  現地視察(8)

現地視察(9)  現地視察(10) 現地視察(11) 現地視察(12)
現地視察(13) 現地視察(14) 現地視察(15)


 2014年GWの5月7日から5月8日にかけ足尾銅山と渡良瀬遊水池を現地視察してきた。現地視察では、日本の富国強兵、殖産興業時代と足尾銅山やそれに伴う渡良瀬川の下流における鉱毒(有害化学物質)汚染の実態がよく分かったが、全体を通じての感想としては、人権や環境を無視した富国強兵、殖産興業がいかに悲惨なものであるか、その意味で足尾銅山と渡良瀬遊水池こそ一体として世界遺産に登録すべきものと強く感じた。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

  足尾銅山の現地視察は、2014年5月7日、北軽井沢→高崎市→前橋市→桐生市→みどり市→桐生市→日光市足尾町というルートで栃木県足尾町まで車で移動し、その後、以下の施設、場所など要所を現地視察した。さらに5月8日には、渡良瀬遊水池を現地視察した。この全体概要については(2)をご覧いただきたい。

◆足尾鉱山跡地現地視察

◆足尾銅山鉱毒事件

概要
 19世紀後半の明治時代初期から栃木県と群馬県の渡良瀬川周辺で起きた足尾銅山の公害事件。原因企業は古河鉱業(現在の古河機械金属)。銅山の開発により排煙、鉱毒ガス、鉱毒水などの有害物質が周辺環境に著しい影響をもたらし、1890年代より栃木の政治家であった田中正造が中心となり国に問題提起するものの、精錬所は1980年代まで稼働し続け、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で渡良瀬川下流から基準値を超える鉛が検出されるなど、21世紀となった現在でも影響が残っている。


足尾銅山の位置
出典:足尾環境学習センター

鉱山の近代化
 現在の栃木県日光市足尾地区では江戸時代から銅が採掘されていたが、江戸時代前期をピークとして産出量はいったん低下し、幕末にはほとんど廃山の状態となって国有化された。 明治維新後、民間に払い下げられ、1877年に古河市兵衛の経営となる。古河は採鉱事業の近代化を進め、1885年までに大鉱脈が発見された。

 さらに西欧の近代鉱山技術を導入した結果、足尾銅山は日本最大の鉱山となり、年間生産量数千トンをかぞえる東アジア一の銅の産地となる。当時銅は日本の主要輸出品のひとつであり、全国の産出量の1/4は足尾銅山が占めていた。

 しかし製錬時の燃料による排煙や、精製時に発生する鉱毒ガス(主成分は二酸化硫黄)、排水に含まれる鉱毒(主成分は銅イオンなどの金属イオン)は、付近の環境に多大な被害をもたらすこととなる。

鉱毒公害の発生
 鉱毒ガスやそれによる酸性雨により足尾町(当時)近辺の山は禿山となった。木を失い土壌を喪失した土地は次々と崩れていった。この崩壊は21世紀となった現在も続いている。崩れた土砂は渡良瀬川を流れ、下流で堆積した。このため、渡良瀬川は足利市付近で天井川となり、足尾の山林の荒廃とともにカスリーン台風襲来時は洪水の主原因となった。

 鉱毒による被害はまず、1878年と1885年に、渡良瀬川の鮎の大量死という形で現れた。ただし、当時は原因が分かっておらず、これを8月12日に最初に報じた朝野新聞も、足尾銅山が原因かもしれないというような、あいまいな書き方をしている。1885年10月31日、下野新聞が前年ごろから足尾の木が枯れ始めていることを報じ、これら2つが足尾銅山と公害を結びつける最初期の報道と考えられる。

出典:Wikipedia

<主な訪問先>

(1)北軽井沢から約150km離れている栃木県北西部にある足尾銅山現地視察、

(2)日光市足尾町にある足尾銅山関連施設(鉱山採掘内部、煙突・工場、古河など)、

(3)足尾銅山の上流に設置された巨大な砂防ダム、足尾環境学習センター視察、

(4)汚染により枯れ果てた山々の植林現場

(5)鉱山労働者の宿舎、浴場跡、鉱山神社など視察(足尾歴史館は5/7-5/9休館中)

(6)鉱山採掘に強制労働させられ亡くなられた中国人及び韓国人労働者慰霊碑


足尾駅にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


現在の足尾銅山、古河足尾製錬所跡
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


1895年頃の足尾鉱山 
出典:Wikipedia


足尾銅山、古河足尾製錬所
出典:足尾環境学習センター 


足尾銅山、古河足尾製錬所
出典:足尾環境学習センター


足尾歴史館にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


足尾歴史館にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


足尾銅山観光にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


足尾銅山、通洞坑
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


渡良瀬川水源碑の前にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


足尾の砂防ダム(親水公園)にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


旧古河橋前にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


足尾鉱山、古河足尾製錬所の本山概念図
出典:日光市


廃墟となった鉱山神社への参道にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


足尾銅山労働者用の浴場跡)にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

つづく