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現地視察(1) 現地視察(2) 現地視察(3) 現地視察(4) 現地視察(5) 現地視察(6) 現地視察(7) 現地視察(8) 現地視察(9) 現地視察(10) 現地視察(11) 現地視察(12) 現地視察(13) 現地視察(14) 現地視察(15) 5月7日、私達が桐生市を出発し足尾銅山にほど近い足尾駅に着いたのは、正午頃だった。私達、環境総合研究所の別荘は群馬県北軽井沢にあり標高が1100mあるが、ソメイヨシノや山サクラの開花はこれからであった。 足尾駅近くの渡良瀬川にかかる赤色の橋 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 しかし、標高が640m程度の栃木県日光市足尾町では下の写真にように、足尾駅前のサクラが満開であった。 足尾駅にて 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 私達はこの後、足尾駅から近いところにある足尾歴史館に向かった。この歴史館は下の写真にあるように、足尾銅山の世界遺産登録を推進する会が事務局となっている。しかし、なぜかゴールデンウィーク直後の5月7日~9日は休みと言うことで、歴史館の中は見られなかった。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 やむなく、庭にあったトロッコ列車の前で写真を撮っただけで、足尾駅側に引き返し、今度はやはり足尾駅近くにある「足尾銅山観光」に行った。 足尾歴史館にて 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 足尾歴史館にて 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 下は 「足尾銅山観光」の入り口である。 この「足尾銅山観光」は、トロッコで数100m暗闇の坑道の中を行ったあと、暗い坑道の随所に、非常に厳しく過酷な労働環境のもとで坑夫が掘削、採掘、選鉱などをしている人形がある一種のテーマ博物館である。 入場料は大人一人800円。この「足尾銅山観光」は以前、愛媛県新居浜市にある別子銅山跡地のテーマパーク、マイントピアに行ったことがあるが、まさにその足尾銅山版である。 「足尾銅山観光」の入場切符 「足尾銅山観光」の入り口 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 おそらく往事と同じ形のトロッコ牽引車が2-3両の客車を引いて、坑口から鉱山の採掘現場に入っていく。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 以下はトロッコ列車が入って行く通洞坑の入り口である。実際の坑道の長さは累積で何と1234kmもあったという。1234kmと言えば東京から福岡までの距離に相当する。 おそらく落盤などもあり多くの労働者が亡くなったのだろう。また微粒粉じんなどで呼吸器系の病気を患った労働者も多数いたことと思われる。残念ながらその種の情報は、「足尾銅山観光」はもとより、今回訪問した「環境学習センター」などにも見当たらなかった。 図らずも過酷な作業を強制的に行わされて無くなった中国や韓国の労働者の慰霊碑が小滝坑口側の山林にひっそりあったことで分かる程度だったのは大変残念である。 さらに、「足尾銅山観光」では、精錬所などからの二酸化硫黄などの煙や渡良瀬川への鉱毒類の流出問題にもまったくどこにも言及が無かったのにも驚いた。 「足尾銅山観光」は、その意味で古河鉱業など、事業者側による銅など金属採掘、選別、精錬などの工程についてのテーマパークであると言える。 下は足尾銅山の全体マップである。下図より分かるように、足尾銅山には、3つの坑口、すなわち本山、通洞、小滝の坑口がある。そのうち通洞坑口(最下段の赤色)は、足尾駅のすぐそばにある。「足尾銅山観光」はこの通洞坑口を利用したテーマパークである。 足尾銅山の3つの坑口の位置図 出典:足尾テラス http://ashio.org/ 以下は足尾銅山の3大坑口のひとつ、「通洞坑」である。 足尾銅山、通洞坑 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 通洞坑は、1885年に開発を着手し、11年後の1896年に竣工している。この通洞坑は本山と貫通させることで、足尾銅山の大動脈となり、1963年(昭和48年)の閉山まで日本最大の銅山(他には日立銅山、別子銅山がある)の銅山の坑口としての役割を果たしたことになる。 足尾銅山、通洞坑解説板 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 発車から10分も経たないうちにトロッコ列車の終着駅(下の写真)に到着する。 トロッコ列車の終着駅 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 この後、下のような薄暗い坑道をかなりの距離歩きながら両側にあるレプリカの鉱夫や電動仕掛けの鉱坑夫などを見学する。坑道は相当暗く、足元は水でじめじめしている。もともと、目の悪い青山はゆっくり進んだ。おそらく初期の頃は、下の写真にあるような電気もなく、手探りに近い状態で採掘が行われていたことと推察される。 トロッコ列車の終着駅からつづく坑道 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 「足尾銅山観光」の坑内については、別途、写真をもとに別途紹介する! 坑内をかなり進むと、明るい展示場に出る。このコーナーでは、鉱物資源の掘削、採鉱などに関連した各種レプリカ(展示物模型)やDVDの映像を見ることができる。 足尾銅山観光にて 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 下は工場の模型を撮影したものである。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 さらに下の写真は上映していたDVDを写したものである。実際の各種施設は下の写真にあるように急斜面をもつ山の谷間に立地していたことが分かる。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 下は選鉱工場の写真だが、近くに国鉄の足尾線(貨物線)が走っていることが分かる。閉山後この鉄道は第三セクターの「わたらせ渓谷鐵道」として桐生駅から足尾駅を通り、間藤駅までの40数kmに及ぶ一種の観光列車として運転されている。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 足尾銅山観光にて 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 以下に足尾鉄道とわたらせ渓谷鐵道について紹介する。
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 下は各種鉱石の実物である。写真より分かるように、足尾銅山では、銅鉱石だけで無くさまざまな貴重な鉱石が存在していたことが分かる。 逆説すれば、選別・精錬で銅を生産していたとしても、以下のような様々な有価金属も採掘されており、その採掘・精製等の過程では、重金属類(鉛、ヒ素、カドミウム、水銀、セレンなど)も大気汚染物質、水質汚濁物質として排出されていたことが十分推測される。 自然銅 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 孔雀石 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 水晶石 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 方解石 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 黄銅鉱石 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 黄鉄鉱 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 つづく |