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●特集:奥秩父、滝川上流の遭難事故を検証する 2010.8.7 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証する@経過と事故の場所 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するA貴重な現場動画 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するB詳細分析 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するC遭難の原因リスト 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するD尾瀬での経験 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するE3次元シミュレーション ●特集:奥秩父遭難現場視察報告 2010.9.19 青山貞一:秩父再訪を敢行して 日テレ取材班遭難現場調査 青山貞一:奥秩父遭難現場視察報告 @現場周辺の状況 青山貞一:奥秩父遭難現場視察報告 A遭難事故の再検証 青山貞一:奥秩父遭難現場視察報告 B使えない携帯電話(通話・メール・GPS) 青山貞一:奥秩父遭難現場視察報告 C3次元想定ルート図 青山貞一:奥秩父遭難現場視察報告 DGPSデータによる検証 ◆秩父へのこだわり 2010年9月19日、環境総合研究所の青山貞一、池田こみち、鷹取敦は日帰りで秩父にでかけた。 この夏(2010年7月31日から8月1日)に奥秩父の滝川上流でおきた痛ましい日テレ社員2名について遭難事故を第三者として検証する目的で以下の6本の論考を執筆した。 ●特集:奥秩父、滝川上流の遭難事故を検証する 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証する@経過と事故の場所 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するA貴重な現場動画 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するB詳細分析 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するC遭難の原因リスト 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するD尾瀬での経験 青山貞一:日テレ取材班の奥秩父遭難を検証するE3次元シミュレーション 秩父は距離だけで見れば東京から近いのだが、池田さん、鷹取さんの感想にもあるように、秩父は、武州(東京都)はもとより、甲州(山梨県)、上州(群馬県)、信州(長野県)に近接し、谷が切り立ち、山深い。安易に人を寄せ付けない敬虔さがある。言い方を変えれば自然豊かなそして地形が複雑な景勝地である。 実際、東京から行くとなると簡単ではない。今は長野新幹線で軽井沢に1時間、長野でも1時間半で行けるが、奥秩父には東京の練馬からでも3時間以上かかる。今回は連休中ということもあり、4時間近くかかっている。 当日はひさびさの連休の最中でもあり、東京から奥秩父に向かうのに、関越自動車道あるいは中央自動車道、いずれの高速道路も渋滞が予想されたこともあり、東京練馬から一般道を使い秩父及び奥秩父にでかけた。最終目的地の奥秩父には片道で約4時間の長い道のりとなった。 ◆今回の秩父現地調査の全体ルート 今回日帰りで東京から敢行した秩父と奥秩父へのルートは、以下の通りである。 東京練馬・池田宅→関越自動車道(渋滞を避けるため)→所沢IC前で一般道へ→一般国道463号線→一般国道299号線→秩父市到着→ちちぶ銘仙会館→県道44号線→県道37号線→能勢会館(昼食)→椋神社視察→国道363号線→石間交流会館視察→県道363号線→県道37号線→国道140号線→豆焼橋→雁坂橋→林道(日テレ社員遭難現場周辺視察)→豆焼橋→国道140号線→一般国道299号線→圏央道→関越自動車道→東京練馬へ 午前9時に東京練馬の池田宅を出発し、練馬駅に帰ってきたのは午後7時30分である。 ◆奥秩父の日テレ社員遭難現場 今回の秩父視察のもうひとつの目的は、すでに世間から忘れられようとしている、奥秩父の日テレ社員遭難事故の現場近くを自分の目で確かめることであった。 実は遭難現場の奥秩父は、山梨側からも行けるが、今回は秩父側から挑んだ。奥秩父の現場には、秩父市中心部からさらに国道140号線を使って西に25km以上行かねばならない。 下の地図は右端が秩父市の市街地、左端が遭難現場の奥秩父である。両者は国道140号線で結ばれている。今回私たちは「石間交流学習館」から県道37号線で南下し三峰口で国道140号線に入ったが、それでもかなりの距離があった。 遭難現場近くの奥秩父林道 下の地図は、上の地図の左端の薄い赤い色の円を拡大したものである。私たちは国道140号線を秩父側(右上)から降りて来て、豆焼橋に到着。この豆焼橋の南側に林道入口がある。 日テレ社員とガイドは7月31日の朝、この林道入口から入り林道終点に向かい、いったん3人で林道入口まで引き返した後、日テレ社員2名だけで再度、林道終点→黒岩尾根経由で滝川本流の渓流に降り、ヘリ脱落現場に向かう途中で遭難し、8月1日に滝川の渓流で遺体となって発見されている。 豆焼橋、林道と遭難現場の位置関係 出典:グーグルマップより作成 下の図は、上記(A)に比べると、もう少し黒岩尾根を南下しBルートから通称、釣橋小屋跡がある沢に降り、その後、滝から滑落などしそれを救助しようとしたもう一人を含め当日の大降雨で滝川本流の下流に押し流された場合を想定したものである。 出典:グーグルマップより作成 下の写真は国道140号線に架かる豆焼橋。橋の下は豆焼沢である。この写真はもう一つの橋である雁坂橋から撮影している。遭難現場はこの写真の右にある山の裏側の沢にある。 雁坂橋から見た豆焼橋。この豆焼橋の奥が遭難現場 撮影:青山貞一 下の地図(朝日新聞)は、上記を時間を追って地図に書き込んだものである。 下の地図では、(1)当初ヘリに救援を求めた女性が遭難した場所(ブドウ沢と古礼沢の合流地点)、(2)救援に向かったヘリが脱落した場所、そして(3)日テレ社員2名の遺体が発見された場所が書き込まれている。 林道終点から遭難現場までは直線で1kmである。通常、沢に降りるにはいったん林道終点から黒岩尾根登山道で南下した後、釣橋小屋跡に降りるのだが、日テレ社員らは林道終点からすこしだけ黒岩尾根筋を行った後、滝川の渓流に降りた可能性が高い。 出典:朝日新聞 下は到着した豆焼橋から遭難現場に通ずる林道の入口に向かう筆者である。林道は雁坂トンネルの出口(入口)の脇にある。 豆焼橋から遭難現場に通ずる林道の入口に向かう筆者 撮影:鷹取敦 豆焼橋上の鷹取(左)、池田(右) 撮影:青山貞一 林道には容易に入れ、林道終点まで歩けるが、今回の現地調査でそこから遭難現場に降りるのは、時間、装備などさまざまな観点から非常に危険である。そこで今回は国道140号線の豆焼橋から事故現場に通ずる林道に限っての調査となった。 なお、林道の途中には下の写真にあるようにこの連休中にこられたと思われるひとが花を供えていた。 遭難した日テレ社員に花束が供えられていた(林道にて) 撮影:青山貞一 2010.9.19 下は林道を行く筆者。遭難現場となった豆焼沢からブドウ沢周辺の谷は、写真右にある傾斜とほぼ同じ30度〜50度の急傾斜と推定される。 林道周辺の傾斜度 撮影:鷹取敦 下の写真は林道から見た遭難現場近くの渓谷である。遭難現場は、ほぼこの谷の右側下の渓流である。 撮影:鷹取敦 下は遭難現場から滝川本流を下流に行った渓谷を撮影したものである。一番下に渓流が見える。 撮影:青山貞一 下は、林道から撮影した夕闇迫る奥秩父の山々の渾身の一枚。遭難現場は写真の右にある山の谷間にある。撮影したビデオから静止画として切り出している。 林道から撮影した夕闇迫る奥秩父の山々 撮影:青山貞一 HD-DV カムコーダ なお、石間交流学習館及び奥秩父遭難現場の現地調査報告は別途行う予定であるのでそちらもお読みいただきたい。 |